1685年、「音楽の父」と称されるヨハン・セバスティアン・バッハと同じ年にイタリアのナポリで生まれた作曲家、ドメニコ・スカルラッティ。
数多くのオペラとカンタータを遺したことで知られるアレッサンドロ・スカルラッティを父にもつ彼は、15歳で作曲家兼オルガニストとしての活動をスタートさせ、生涯で555曲ものチェンバロソナタを遺したとされています。
本記事で、そんなスカルラッティのソナタのなかから、ピアノ演奏で多くのピアノ学習者やピアニストから親しまれている作品を厳選!
楽曲の特徴とともにご紹介していきます。
【スカルラッティのピアノ曲】鍵盤ソナタの巨匠が遺したバロックの名作
ソナタ ト短調 K.30「猫のフーガ」Domenico Scarlatti

バロック音楽の巨匠ドメニコ・スカルラッティの伝説的なチェンバロソナタ『ソナタ ト短調 K.30』は、『猫のフーガ』の愛称で親しまれている1曲。
ユニークなモチーフと変わった響きで、作曲家の創造性とユーモアが存分に発揮されています。
この曲の誕生には、ペットの猫が鍵盤の上を歩いたことがきっかけとなったという、おもしろいエピソードが伝えられています。
本作は、スカルラッティ独特の作風を色濃く表した名曲であり、後世の作曲家たちにも大きな影響を与えました。
ピアノを学ぶすべての方にオススメしたい、バロックの真髄が味わえる傑作です!
ソナタ 変イ長調 K.127Domenico Scarlatti

バロック時代を代表するイタリアの作曲家ドメニコ・スカルラッティ。
数多くのチェンバロソナタを遺した彼の作品は、華麗な装飾音や大胆な和声進行が特徴です。
『ソナタ 変イ長調 K.127』は、典型的なスカルラッティのスタイルを反映した活発な曲調で、複雑なリズムや豊かな和音が魅力。
本作でも、一つのテーマがさまざまな形で変奏され、発展していきます。
バロック音楽の理解を深めるのに最適な1曲で、ピアノ学習者の技術向上にもオススメです。
独特な音楽性を味わいながら、華やかな演奏を楽しんでみてはいかがでしょうか。
ソナタ イ長調 K.208Domenico Scarlatti

バロック時代の作曲家ドメニコ・スカルラッティは、イタリアのナポリに生まれ、スペインの宮廷で活躍しました。
彼の作品のなかでも特に人気が高いのが、555曲にも及ぶ鍵盤ソナタです。
なかでも『ソナタ イ長調 K.208』は、穏やかで歌うようなメロディが印象的。
スペインの民俗音楽の影響を受けた独特のリズムとハーモニーが、彼の音楽の大きな魅力となっています。
自由な形式で書かれているため、まるで即興演奏のような躍動感あふれる展開が楽しめます。
美しい旋律とテクニカルな難易度の高さから、多くのピアニストを魅了してきたこの曲は、ピアノ上級者にもオススメの1曲です。
ソナタ ヘ長調 K.17Domenico Scarlatti
イタリアのバロック音楽を代表する作曲家ドメニコ・スカルラッティ。
彼が生涯で作曲した555曲にも及ぶチェンバロ用のソナタは、まさに鍵盤楽器のための宝の山といえるでしょう。
そのなかでもピアノ学習者から人気の高い『ソナタ ヘ長調 K.17』は、明るくのびやかな曲調が印象的。
軽快なリズムとともに次々と飛び出してくる音符をクリアに弾きこなすのは、なかなか骨が折れる作業かもしれません。
でも、バロック音楽独特の華やかな装飾音をマスターできれば、ピアノの表現力もぐんと広がるはず。
チャレンジする価値は十分にありそうですね!
ソナタ ハ長調 K.159Domenico Scarlatti

ドメニコ・スカルラッティはバロック音楽の代表的な作曲家のひとりで、500曲以上もの鍵盤ソナタが広く知られています。
彼のソナタは明るく生き生きとした曲調と見事なテクニックが特徴的でですが、『ソナタ ハ長調 K.159』もそのひとつといえるでしょう。
この曲は『狩のソナタ』とも呼ばれ、狩猟のホルンを思わせるようなリズムとメロディが印象的です。
音楽の流れから物語を想像したり、スペインの民族音楽の影響を感じ取ったりと、聴く人の想像力をかきたてる作品です。
ピアノを学ぶ人なら誰もが一度は触れてみたい魅力あふれる曲なので、ぜひ練習してみてくださいね。