【スカルラッティ】数ある鍵盤作品の中から名曲、代表曲をご紹介!
鍵盤のためのソナタを555曲も書いたイタリア出身の作曲家兼オルガニスト、ドメニコ・スカルラッティ。
当時の鍵盤楽器の奏法を画期的に変えた、バロック時代の重要な作曲家です。
ピアノを学んでいる方は、一度は触れる作品もあるかもしれませんね。
本記事では、そんなスカルラッティの名曲、代表曲をご紹介します。
動画ではグランドピアノだけでなく、当時の鍵盤楽器であったチェンバロでの演奏も多くあるので、ぜひチェンバロの音色もお楽しみください!
【スカルラッティ】数ある鍵盤作品の中から名曲、代表曲をご紹介!(1〜10)
ソナタ ニ短調 K.120(L.215)Domenico Scarlatti

軽快で流れるような右手のパッセージと、左手の単調ながらも美しい和音とのコントラストが印象的な1曲。
中間部はがらっと雰囲気が変わり力強い舞踏風に、そして最初の軽快なメロディが戻ってきた後、コーダで中間部の舞踏を華やかに奏で、勢いよく幕を閉じます。
弾き手も聴き手も飽きさせないメリハリも魅力的ですね。
チェンバロの音色で聴くと、より一層バロック時代の雰囲気が味わえるかもしれません。
スカルラッティの独創的な作曲技法と、スペインの民族音楽の影響が見事に融合した本作。
鍵盤楽器の可能性を広げた彼の革新性を感じ取れるでしょう。
ソナタ ニ短調 K.9Domenico Scarlatti

ニ短調のこの曲は、鍵盤楽器の可能性を広げた作品として知られています。
軽やかで明るい曲調ながら、非常にリズミカルな展開が印象的。
バロック音楽特有の装飾音や即興的な要素が随所に見られ、演奏者の解釈が問われる作品となっています。
特筆すべきは、イベリア半島の民族音楽からの影響。
スペイン風のリズム感や旋律の運びが、曲全体に独特の魅力を与えています。
3分半ほどの演奏時間の中で、優雅さとリズミカルなエネルギーが交錯する様は、聴く者を魅了してやみません。
クラシック音楽に興味のある方はもちろん、民族音楽の要素を取り入れた作品に関心がある方にもオススメの1曲です。
ソナタ ニ短調 K.1(L.413)Domenico Scarlatti

スカルラッティの鍵盤楽器のためのソナタの中でも、とくに有名な1曲。
チェンバロのための練習曲集の一部として1738年に発表されました。
ニ短調で書かれたこの作品は、右手の音階の下行や3度の分散和音、左手の広い跳躍と和音の反復が特徴的。
前半部と後半部で左手の跳躍の幅が変化するなど、技術的な練習にも適した構成となっています。
演奏時間は約2分40秒と短めながら、豊かな音楽性が感じられる作品です。
チェンバロ用に作曲されましたが、現代ではピアノでも演奏されることが多く、演奏者には確かな技術と表現力が求められます。
鍵盤楽器を学んでいる方は、ぜひ弾いてみてくださいね。
ソナタ ニ短調 K.1(L.366)Domenico Scarlatti
スカルラッティが制作したこの作品は、短い演奏時間ながら濃密な音楽的アイデアに満ちています。
1738年から1739年にかけて作曲され、スペインの民族音楽の影響を受けており、技術的にも挑戦的な要素を含んでいます。
独特の旋律線とリズム、斬新な和声進行が特徴的で、聴き手を魅了しますね。
鋭いリズムと情熱的な旋律が織りなす音楽は、バロック音楽ファンはもちろん、鍵盤楽器を学ぶ方々にもオススメです。
チェンバロやピアノで演奏される本作は、スカルラッティの創造性と革新性を今に伝える貴重な作品といえるでしょう。
ソナタ ロ短調 K.27(L.449)、ソナタ ホ短調 K.198(L.22)Domenico Scarlatti

スカルラッティが作曲したこの鍵盤ソナタは、バロック音楽の魅力が詰まった作品です。
躍動感あるリズムと鮮やかなメロディ、洗練されたハーモニーが特徴的で、聴く人を魅了します。
短いながらも密度の濃い音楽的アイデアで満たされており、技術的な難しさと音楽的な表現のバランスが絶妙。
本作からは、イタリアの伝統的な音楽とスペインの民族音楽の影響も感じられ、スカルラッティの独創性が光ります。
鍵盤楽器の可能性を広げたこの曲は、クラシック音楽ファンはもちろん、バロック音楽に興味のある方にもオススメですよ。
ソナタ 変ロ長調 K.545Domenico Scarlatti

軽快で華やかな雰囲気が魅力のこの作品。
チェンバロ向けに書かれたこの曲は、鍵盤楽器の可能性を広げた革新的な1曲です。
明るく流れるようなメロディと、スペインの民族音楽を思わせるリズムが印象的。
二部形式で構成され、途中で雰囲気が一変するなど、聴き手を飽きさせない展開も魅力的ですね。
技巧的にも挑戦しがいのある本作は、鍵盤楽器を学ぶ方はもちろん、バロック音楽に興味がある方にもオススメです。
当時の楽器で演奏される音色にも注目してみてください。
ソナタ ト長調 K.259(L.103)Domenico Scarlatti

スカルラッティによる珠玉の作品。
軽快で流れるような旋律と、力強い和音のコントラストが印象的です。
冒頭の明るい調子から、中間部では一転して情熱的な舞曲風に変化。
そして再び軽やかなメロディが戻り、華やかなコーダで締めくくられます。
1756年頃に作曲されたこの曲は、スカルラッティの革新的な鍵盤技法が存分に発揮されています。
チェンバロやピアノ、どちらの楽器でも魅力的な音色を楽しめるでしょう。
バロック音楽ファンはもちろん、クラシック音楽にあまり馴染みがない方にもオススメの1曲です。
ソナタ ヘ長調 K.438(L.381)Domenico Scarlatti

バロック時代に555曲もの鍵盤ソナタを書いたスカルラッティ。
その中でもヘ長調のこの作品は、明るく軽快な曲調が特徴です。
天使が舞うような可愛らしさと、指がもつれそうな技巧的なパッセージが絶妙に融合しています。
スペイン宮廷での生活が影響しているのか、舞曲的なリズムも魅力的。
演奏時間は4分程度と短いですが、軽やかなタッチと明確なリズム感が求められる、聴き応えのある1曲です。
スカルラッティ独特の世界観を存分に味わえるこの作品、ぜひ聴いてみてください。
ソナタ ホ長調 K.380(L.23)Domenico Scarlatti

バロック時代を代表する鍵盤音楽の名曲として知られる本作。
軽快で流れるような右手のパッセージと、左手の単調ながらも美しい和音とのコントラストが印象的です。
中間部はがらっと雰囲気が変わり力強い舞曲風に、そして最初の軽快なメロディが戻ってきた後、コーダで中間部の舞曲を華やかに奏で、勢いよく幕を閉じます。
弾き手も聴き手も飽きさせないメリハリも魅力的ですね。
スカルラッティの鍵盤楽器への深い洞察が感じられる本作は、チェンバロやピアノを学ぶ方にもオススメの1曲です。
ソナタ ニ短調 K.141(L.422)Domenico Scarlatti

こちらの作品は3/8拍子のアレグロで書かれており、高速で連打される同一音の旋律が特徴的。
ギターのトレモロ奏法を連想させるこの技法は、スペインの民族音楽の影響を感じさせます。
技術的難易度と表現力の高さから、バロック音楽の中でもとくに人気がある作品。
左手の柔軟な跳躍や高速なパッセージの処理が求められ、演奏者には高度な技術が要求されますが、情熱的でエネルギッシュな曲調は聴く者を引き込む力強いドラマを生み出しています。
独特な構造と情熱的な表現は、今日も多くの演奏家や聴衆に愛され続けています。
【スカルラッティ】数ある鍵盤作品の中から名曲、代表曲をご紹介!(11〜20)
ソナタ イ長調 K.101(L.494)、ソナタ ロ短調 K.87(L.33)、ソナタ ホ長調 K.135(L.224)Domenico Scarlatti

ソナタ イ長調(Sonata in A major)K.101(L.494):アレグロ、ソナタ ロ短調(Sonata in B minor)K.87(L.33)、ソナタ ホ長調(Sonata in E major)K.135(L.224):アレグロ。
演奏は、ウクライナ生まれのピアニスト:ウラディミール・ホロヴィッツさん。
合奏協奏曲第1番 ヘ短調Domenico Scarlatti

スカルラッティが手掛けた鍵盤のための作品。
チェンバロのための技巧的な曲として知られ、その特徴的な音色と複雑な構造が魅力です。
力強くも優美な旋律が織りなす世界は、まるで自然の美しさと力強さを表現しているかのよう。
牧歌的で柔らかい旋律の中に、情熱的な表現が込められています。
各楽章のダイナミズムの変化も聴きどころの一つ。
1740年頃に初演され、バロック音楽の典型的な美学に基づきながらも、スカルラッティ独自の個性が光る1曲です。
ソナタ イ短調 K.109(L.138)、ソナタ イ長調 K.113(L.345)Domenico Scarlatti

ソナタ イ短調(Sonata in A minor)K.109(L.138):アダージョ、ソナタ イ長調(Sonata in A major)K.113(L.345):アレグロ。
演奏は2台のチェンバロで、エンリコ・バイアーノさんとアマヤ・フェルナンデス・ポスエロさんです。
サン・マルコ教会での模様。
ソナタ ト長調 K.477(L.290)Domenico Scarlatti

スカルラッティの後期作品の一つです。
明るく軽快な旋律が印象的で、スペインの民族音楽の影響も感じられます。
急速なスケールや両手の交差など、技巧的な要素も豊富に盛り込まれているのが特徴的。
リズミカルで活力に満ちた本作は、聴く人にエネルギーを与えてくれるでしょう。
鍵盤楽器の魅力を存分に味わいたい方にオススメの1曲。
チェンバロで演奏されることも多いので、その独特な音色も楽しんでみてはいかがでしょうか。
ソナタ ニ長調 K.140(L.107)Domenico Scarlatti

バロック音楽の名作として知られる鍵盤ソナタ。
明るいニ長調の調性を活かし、軽快なリズムと華やかなメロディが特徴的です。
3〜4分程度の短い曲ながら、スカルラッティの創造性と技巧が凝縮された1曲。
繰り返しのパターンや左右の手の対話など、バロック音楽特有の要素が随所に見られます。
とくに右手と左手が交互に駆け抜けるフレーズは、聴き手に躍動感を与えてくれますね。
技巧的には難易度が高いものの、活気に満ちた音楽は聴衆を楽しませてくれることでしょう。
ピアノ学習者の方はもちろん、バロック音楽に興味のある方にもぜひ聴いていただきたい1曲です。
ソナタ ハ長調 K.460(L.324)Domenico Scarlatti

軽快で楽しげな印象を与える冒頭の主題が特徴的な、スカルラッティの代表作の一つです。
4/4拍子のアレグロで構成されており、約5分から6分程度の比較的長い作品。
プラルトリラーなどの装飾音が随所にちりばめられた流れるような旋律と、時折挿入される力強い和音が、曲に変化と深みを与えています。
二部形式をとっており、前半部分では主調から属調への転調が行われ、後半で再び主調に戻るという構造を持っています。
技術的には中級程度の難易度とされ、左右の手の交差や広範な音域のアルペジオ、素早いポジション移動を要する跳躍など、演奏者には高度な技術が求められます。
鍵盤音楽の魅力を存分に味わいたい方にオススメですよ。
ソナタ ヘ長調 K.44(L.432)Domenico Scarlatti

軽快で流れるような右手のパッセージと、左手の単調ながらも美しい和音とのコントラストが印象的な本作。
シンプルな構成ながらも、和声の変化や旋律の展開に工夫が凝らされており、演奏者の表現力が求められます。
前半部分は形式的な区切りが明確で、和声や旋律も複雑でなく、非常に馴染みやすい曲調。
後半では、2小節ごとの長短の和音の変化が音楽に新鮮さを与えており、前半、後半の終盤では、オクターブ和音で主和音が連続して打ち鳴らされ、堂々とした響きで調が強調される構成となっています。
弾き手も聴き手も飽きさせないメリハリが魅力的ですね。
ソナタ ヘ長調 K.85(L.166)、ソナタ ハ短調 K.40(L.357)、ソナタ 変ロ長調 K.70(L.50)、ソナタ ハ長調 K.95(L.358)、ソナタ ハ短調 K.56(L.356)Domenico Scarlatti

ソナタ ヘ長調(Sonata in F Major)K.85(L.166)、ソナタ ハ短調(Sonata in C minor)K.40(L.357)、ソナタ 変ロ長調(Sonata in Bb Major)K.70(L.50)、ソナタ ハ長調(Sonata in C major)K.95(L.358)、ソナタ ハ短調(Sonata in C minor)K.56(L.356)。
演奏はアリス・アデールさん。
ソナタ ト短調 K.30(L.499)「猫のフーガ」Domenico Scarlatti

ソナタ ト短調(Sonata in G minor)K.30(L.499):モデラート。
通称「猫のフーガ」。
スカルラッティの愛猫はチェンバロの鍵盤の上を横切る習慣があり、そこから一つのフレーズを書き出したという伝説によります。
演奏は、エレイン・コンパローネさん。
合奏協奏曲第12番 ニ長調Domenico Scarlatti

合奏協奏曲第12番 ニ長調、第1楽章:グラーヴェ – Temporeggiato、第2楽章:ラルゴ – テンポ・ジェスト、第3楽章:アレグロ・スピリトーソ。
演奏は、クロアチア・バロック・アンサンブル、ソリストはアレッサンドロ・タンピエーリさんです。