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【ショスタコーヴィチのピアノ曲】交響曲の大家が手掛けた名曲たち

「グスタフ・マーラー以降最大の交響曲作曲家」「20世紀最大の作曲家」などと称されるソビエト連邦時代の作曲家、ドミートリイ・ショスタコーヴィチさん。

彼の作品では、世相を反映したかのような重苦しい曲調が目立ちますが、ポピュラーやジャズを好んだ影響からか、かわいらしさやユニークさを織り交ぜた作品も数多く存在します。

本記事では、そんなショスタコーヴィチさんが手掛けたピアノ作品のなかから、演奏会でとりあげられる機会の多い人気作品をご紹介します!

【ショスタコーヴィチのピアノ曲】交響曲の大家が手掛けた名曲たち(1〜10)

ピアノソナタ 第1番 Op.12Dmitri Shostakovich

Shostakovich – Piano Sonata No. 1 Op. 12 (Lilya Zilberstein)
ピアノソナタ 第1番 Op.12Dmitri Shostakovich

ソビエト連邦時代を代表する偉大な作曲家、ドミートリイ・ショスタコーヴィチさん。

彼のピアノ曲には、交響曲をほうふつとさせる重厚な作品も多くありますが、『ピアノソナタ第1番 Op.12』は初期の革新的な作品の一つです。

1926年に作曲されたこのソナタは、速い部分と遅い部分を交互に繰り返すという、実験的な構成になっています。

モダニズムや表現主義の影響を受けた強烈な不協和音やリズミカルな要素が印象的で、若き日のショスタコーヴィチさんならではの意欲作といえるでしょう。

この挑戦的な1曲には、彼のピアノ演奏技術の高さも存分に発揮されています。

現代音楽に興味のある方には特にオススメしたい作品です!

24の前奏曲とフーガ Op.87 第15番 変ニ長調Dmitri Shostakovich

Shostakovich Prelude & Fugue D flat major op. 87/15 | Keigo Mukawa Queen Elisabeth Competition 2021
24の前奏曲とフーガ Op.87 第15番 変ニ長調Dmitri Shostakovich

ドミートリイ・ショスタコーヴィチさんの『24の前奏曲とフーガ Op.87』は、バッハの『平均律クラヴィーア曲集』からインスピレーションを受けた意欲作。

第15番の変ニ長調の曲は、技術的にも表現の幅においても最も難易度の高い1曲とされています。

穏やかな前奏曲部分から一転、フーガは複雑な音列が絡み合うなかで張り合いのあるドラマを作り出します。

作品全体を通して、ショスタコーヴィチさんならではの深い内省と洞察力が感じられるこの曲は、熟練のピアニストにこそ弾きこなしてほしい大作です。

2台のピアノのための組曲 嬰ヘ短調 Op.6Dmitri Shostakovich

Dmitri Shostakovich – Suite for Two Pianos in F-Sharp Minor, Op. 6
2台のピアノのための組曲 嬰ヘ短調 Op.6Dmitri Shostakovich

ロシアの作曲家ドミートリイ・ショスタコーヴィチさんが16歳の時に作曲したピアノ曲集『2台のピアノのための組曲 嬰ヘ短調 Op.6』は、早くから頭角を現した彼の初期作品として高く評価されています。

技術的にも難易度の高いこの組曲は、『前奏曲』『幻想的な舞曲』『夜想曲』『終曲』の4つの楽章からなり、各楽章にはショスタコーヴィチさんらしい革新的な音楽性があふれています。

特に第2楽章は、リズミカルなパッセージやユニークなハーモニーが印象的。

彼の音楽の本質である、シャープなコントラストとグロテスクな要素が存分に発揮されているのが魅力です。

ピアノデュオに挑戦したい上級者の方にぜひオススメしたい傑作です!

【ショスタコーヴィチのピアノ曲】交響曲の大家が手掛けた名曲たち(11〜20)

ピアノ協奏曲 第1番 ハ短調 Op.35Dmitri Shostakovich

Daniil Trifonov – Shostakovich: Piano Concerto No.1 in C minor
ピアノ協奏曲 第1番 ハ短調 Op.35Dmitri Shostakovich

20世紀を代表する交響曲作曲家、ドミートリイ・ショスタコーヴィチさんが手掛けた『ピアノ協奏曲 第1番』。

トランペットが大活躍するユニークな編成で、ユーモアあふれる1曲です。

バロック音楽風の部分とモダンな要素が同居し、まるで映画音楽のようなシーンの連続。

ピアノとトランペットの掛け合いは、まるでコメディ映画のようです!

クラシック初心者から上級者まで、ぜひ一度は聴いていただきたい、新鮮な驚きに満ちた作品です。

ピアノソナタ 第2番 Op.61Dmitri Shostakovich

Shostakovich Piano Sonata No.2 Op.61 – Eri Mantani, piano
ピアノソナタ 第2番 Op.61Dmitri Shostakovich

ドミートリイ・ショスタコーヴィチさんが手掛けたピアノ作品のなかでも、特に人気の高い『ピアノソナタ 第2番 Op.61』。

戦時中の1943年に作曲されたこのソナタは、彼の内面を映し出すかのような重厚な雰囲気と深い感情表現が魅力です。

特に第2楽章は、亡くなったピアノ教師への追悼の意を込めた悲そう感あふれる音楽。

一方で、躍動的な第1楽章や交響曲を思わせるスケール感あふれる最終楽章など、対照的な表情の変化も印象的。

20世紀を代表する作曲家の真髄に触れてみたい方にオススメの1曲です。

革命の犠牲者を追悼する葬送行進曲Dmitri Shostakovich

Shostakovich – “Funeral March in Memory of the Victims of the Revolution” (1918) for piano
革命の犠牲者を追悼する葬送行進曲Dmitri Shostakovich

20世紀を代表する作曲家のひとり、ドミートリイ・ショスタコーヴィチさんの初期作品『革命の犠牲者を追悼する葬送行進曲』。

ロシア革命期に暗殺された2人の大臣への追悼の意を込めて作曲されたこの曲には、彼の典型的な重厚な音楽性が表れています。

深い悲しみと怒りをたたえたメロディからは、激動の時代を生きた作曲家の心情が伝わってきます。

技術的には比較的やさしい曲ですが、その音楽性を理解し表現するには難しい1曲。

ロシア近代史や作曲家の人生に興味がある方にぜひオススメしたい作品です。

ピアノ三重奏曲 第2番ホ短調 Op.67Dmitri Shostakovich

【辻 彩奈、 岡本 侑也、 反田 恭平】ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番ホ短調 作品67
ピアノ三重奏曲 第2番ホ短調 Op.67Dmitri Shostakovich

20世紀を代表する作曲家のひとりである、ドミートリイ・ショスタコーヴィチ。

彼の『ピアノ三重奏曲 第2番ホ短調 Op.67』は、戦争の最中に作曲された、深い悲しみと激しい感情に彩られた作品です。

親友の死を悼んでささげられたこの曲は、個人的な喪失と戦時下の苦悩を表現しています。

特に終楽章では、ユダヤの旋律を取り入れ、ホロコーストへの反応とも解釈されます。

重厚な和音とシャープなリズム、そして静かなコーダ。

ショスタコーヴィチの内面の葛藤と時代の激動が、音楽に昇華されています。

クラシック音楽ファンなら一度は聴いておきたい名曲です。