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【シベリウスのピアノ曲】北欧フィンランドの作曲家が手掛けた珠玉の音楽

1865年に北欧の国フィンランドに生まれ、後期ロマン派から近代にかけて活躍した作曲家、ジャン・シベリウス。

フィンランドへの愛国心が詰まった名曲『フィンランディア』で知られる彼は、愛する祖国の自然豊かな風景を連想させる繊細で美しいピアノ小品も数多く遺しています。

今回は、そんなシベリウスのピアノ曲のなかから、特に演奏される機会が多く、ピアノ学習者やクラシック愛好家から愛されている珠玉の作品をご紹介します。

【シベリウスのピアノ曲】北欧フィンランドの作曲家が手掛けた珠玉の音楽(1〜10)

5つの小品(樹木の組曲)Op.75 第1番「ピヒラヤの花咲くとき」Jean Sibelius

シベリウス:5つの小品(樹木の組曲) ピヒラヤの花咲くとき,Op.75  pf. 関 晴子:Seki, Seiko
5つの小品(樹木の組曲)Op.75 第1番「ピヒラヤの花咲くとき」Jean Sibelius

北欧フィンランドを代表する作曲家ジャン・シベリウスの『5つの小品(樹木の組曲)Op.75』は、彼の愛する祖国の自然への敬愛の念が色濃く反映された作品集です。

第1曲目の『ピヒラヤの花咲くとき』は、北欧神話にも登場する神聖な木「ピヒラヤ」の花々を思わせる、繊細で美しいメロディが印象的。

シベリウス特有の叙情的な旋律とロマンティックな和声が心地よく響きわたります。

自然の美しさと生命力に満ちた本作は、豊かな感受性を持つすべての音楽ファンにオススメしたい名曲です。

カレリア組曲 Op.11 第1曲「間奏曲」Jean Sibelius

Sibelius ‘Karelia Suite – Intermezzo’ P. Barton, FEURICH 218 piano
カレリア組曲 Op.11 第1曲「間奏曲」Jean Sibelius

フィンランドの国民的英雄ともいえる作曲家ジャン・シベリウス。

彼の音楽は祖国フィンランドの豊かな自然や民話、神話などからインスピレーションを得たものが多く、抒情的な曲想で幅広く愛されています。

『カレリア組曲 Op.11』は、1893年に発表された管弦楽組曲。

もともとはヘルシンキ大学の学生たちのために書かれた劇音楽の一部で、壮大なスケールと豊かな色彩感にあふれた音楽が、雄大な自然を想起させます。

晴れやかなファンファーレに始まり、歯切れのよいリズムが疾走感をもたらす一方、美しい旋律が際立つ中間部には北欧の哀愁も感じられる本作は、歴史や文化に興味がある方にもぜひ聴いていただきたい名曲です。

13の小品 Op.76 第9番「アラベスク」Jean Sibelius

Sibelius ‘Arabesque’ Op.76 No.9 – P. Barton, FEURICH piano
13の小品 Op.76 第9番「アラベスク」Jean Sibelius

フィンランドを代表する作曲家ジャン・シベリウス。

彼の作品のなかでも特に親しまれているのが、ピアノのための小品集です。

そのひとつ『13の小品 Op.76』に収められた第9番『アラベスク』は、リストの練習曲を思わせる速さと軽やかさを持つ作品。

ピアノの全音域を活用した繊細でテクニカルなテクスチャーが展開され、聴く者にダイナミックで魅力的な聴覚体験を提供します。

曲は非常に活動的で、明るく軽快なムードを持っていますが、そのなかにも繊細さや精緻さが感じられます。

シベリウスのピアノ音楽の中でも特に技巧を要する作品であり、演奏に挑戦したいピアニストにオススメの1曲です。

【シベリウスのピアノ曲】北欧フィンランドの作曲家が手掛けた珠玉の音楽(11〜20)

8つの小品 Op.88 第3曲「思い出」Jean Sibelius

Sachiko Suga : Sibelius – 8 Pieces Op.99-3 “Souvenir”
8つの小品 Op.88 第3曲「思い出」Jean Sibelius

フィンランドを代表する作曲家ジャン・シベリウスは、ロマン派後期から初期近代にかけて活躍し、祖国の自然や文化に触発された詩情豊かな作品を遺しました。

『8つの小品 Op.88』は、彼の晩年の作品群のなかでも特に感情表現豊かな珠玉の小品集として知られています。

そのなかの第3番『思い出』は、白いアネモネの花を思わせる繊細で美しいメロディが印象的。

静ひつさと深い感情がこもった旋律は、北欧の風景を映し出すかのようです。

シベリウスの音楽に親しみたい方はもちろん、豊かな表現力を身につけたいピアニストにもオススメの1曲です。

ピアノソナタ ヘ長調 Op.12Jean Sibelius

北欧の国フィンランドを代表する作曲家ジャン・シベリウスの音楽には、祖国への深い愛情が込められています。

彼が手掛けた唯一のピアノソナタ『ピアノソナタ ヘ長調 Op.12』は、独自の音楽スタイルと深い音楽的感性が色濃く反映された作品。

3つの楽章から成るこの曲は、力強さと叙情性、そして技巧的な演奏が求められる躍動感に満ちています。

特に未完の合唱曲に由来し、美しくも悲痛な感情が漂う第2楽章のメロディは必聴!

熱烈なクラシック音楽ファンだけでなく、豊かな表現力と芸術性の高さを味わいたいすべての音楽ファンにオススメしたい名曲です。

フィンランディア Op.26Jean Sibelius

Ida Andersson plays Jean Sibelius “Finlandia”, arr. for piano
フィンランディア Op.26Jean Sibelius

北欧の大自然に育まれた作曲家、ジャン・シベリウスの作品のなかでも特に有名なのが、フィンランドへの愛国心をテーマにした管弦楽のための交響詩『フィンランディア Op.26』。

1899年、当時フィンランドがロシア帝国の支配下にあった時代に作曲され、ロシアの検閲によって一度は演奏を禁止されましたが、のちに独立の象徴として人々の心に深く刻まれることになります。

ピアノ版の楽譜も出版されていますので、ぜひ北欧の雄大な自然を感じながら演奏してみてはいかがでしょうか。

5つのロマンティックな小品 Op.101 第1番「ロマンス」Jean Sibelius

J.Sibelius: Romance Op.101 No.1 (5 Pieces romantiques) シベリウス:《5つのロマンティックな小品》 作品101 第1番 ロマンス
5つのロマンティックな小品 Op.101 第1番「ロマンス」Jean Sibelius

1865年にフィンランドに生まれ、後期ロマン派から近代にかけて活躍したジャン・シベリウス。

『フィンランディア』などの愛国的な管弦楽曲で知られる一方、繊細で美しいピアノ小品を生み出す天才でもありました。

シベリウスが晩年に作曲した『5つのロマンティックな小品』の第1曲は、彼の後期作品の特徴である深い感情表現とロマンティックなスタイルが存分に発揮された名品です。

感動的なメロディが印象的な本作を聴いたり弾いたりすれば、北欧の自然からインスピレーションを得た音楽の美しさを存分に堪能しながらシベリウスの世界観を楽しめるでしょう。