【武満徹のピアノ曲】世界のタケミツが遺した珠玉の名作を厳選
1930年に生まれ、戦争に翻ろうされながらも作曲活動を続け、日本を代表する現代音楽家として歴史に名を刻んだ作曲家、武満徹さん。
不安が渦巻く世の中を象徴するかのような彼の前衛的な音楽は、難解でありながらも心をわしづかみにする不思議な魅力にあふれています。
本記事ではそんな”世界のタケミツ”が手掛けた作品のなかから、ピアノ独奏曲やピアノ用に編曲され親しまれている名曲をピックアップ!
作曲の背景や作品の特徴とともにご紹介していきます。
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【武満徹のピアノ曲】世界のタケミツが遺した珠玉の名作を厳選(6〜10)
雨の樹 素描Ⅱ -オリヴィエ・メシアンの追憶に-武満徹

世界的に活躍した作曲家、武満徹さんは、日本の伝統と西洋音楽の融合を図り、独自の音楽性を確立しました。
ピアノ曲『雨の樹 素描II -オリヴィエ・メシアンの追憶に-』は、静寂でめい想的な雰囲気が特徴。
余韻を大切にする作曲技法によって、自然への敬愛の念が込められた深遠な世界が表現されています。
若い頃から影響を受けたフランスの作曲家、オリヴィエ・メシアンへのオマージュであり、精密なテンポと強弱の表現が求められる難曲ですが、演奏に挑戦することで現代音楽の新境地を感じられるでしょう。
こどものためのピアノ小品 第1曲「微風」武満徹

『こどものためのピアノ小品 第1曲「微風」』。
戦後の激動の時代を生き抜き、東洋と西洋の音楽を融合させた斬新な作風で世界的に評価された現代音楽の巨匠、武満徹さんが手がけた子供向けのピアノ作品集のなかの1曲です。
タイトルにもなっている「微風」のように、穏やかで心地よい音の響きが印象的な本作からは、柔らかな曲調のなかにも武満さん特有の美的センスが感じられます。
音楽を通して自然や世界の美しさに気付くことができる1曲であり、音楽初心者から経験者まで、ピアノを愛するすべての方にオススメしたい作品です。
小さな空武満徹

日本の現代音楽界をけん引してきた作曲家、武満徹さん。
『小さな空』は親しみやすいメロディが魅力的な名曲として広く親しまれており、たびたびピアノソロでも演奏されています。
1962年にラジオドラマのテーマ曲として作曲されたこの曲は、子供時代の思い出や感情をテーマに、青空や夕空、夜空を見上げたときの印象や心の動きが繊細に描いています。
無邪気で純粋な気持ちが呼び覚まされるような、温かみのあるメロディに心が和む、子供の頃を懐かしむ大人の方にもオススメの1曲です。
二つのレント武満徹

武満徹さんが若手作曲家時代に生み出した初期の作品『二つのレント』。
この作品にはすでに彼独特のめい想的な雰囲気と、東洋と西洋の音楽を融合させる感性が表れています。
静ひつで詩的なメロディは自然の風景を思わせ、穏やかでありながら深い内省の世界へと誘います。
若き日の武満さんが探求した新たな音楽の地平を感じさせる哲学的な深みをたたえた本作は、クラシック音楽ファンのみならず、現代音楽に興味のある方にもオススメ。
武満徹さんの魅力に触れられる格好の1曲といえるでしょう。
フォー・アウェイ武満徹

武満徹は、20世紀を代表する日本人作曲家のひとり。
伝統と革新が融合した独自の世界観を確立し、国際的にも高い評価を得ています。
彼のピアノ曲『フォー・アウェイ』は、1973年に作曲されためい想的な性格の小品。
バリ島の風景や、ガムラン音楽から着想を得たこの曲は、静ひつな響きのなかに深い余韻を宿しており、聴く者の心を洗い、遠くへと誘ってくれます。
一音一音を丁寧に紡ぎながら、澄みきった静寂の世界を表現できるよう、心を込めて演奏したいですね。
現代音楽に興味のある方はもちろん、日本が誇る作曲家の作品に触れてみたい方にもオススメです。