1930年に生まれ、戦争に翻ろうされながらも作曲活動を続け、日本を代表する現代音楽家として歴史に名を刻んだ作曲家、武満徹さん。
不安が渦巻く世の中を象徴するかのような彼の前衛的な音楽は、難解でありながらも心をわしづかみにする不思議な魅力にあふれています。
本記事ではそんな”世界のタケミツ”が手掛けた作品のなかから、ピアノ独奏曲やピアノ用に編曲され親しまれている名曲をピックアップ!
作曲の背景や作品の特徴とともにご紹介していきます。
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もくじ
【武満徹のピアノ曲】世界のタケミツが遺した珠玉の名作を厳選
ピアノ・ディスタンス武満徹

日本を代表する現代音楽の作曲家、武満徹さん。
西洋と東洋の哲学を融合させ、音と沈黙を巧みに取り入れた彼の音楽は、静寂や「間」の美しさを追求しています。
『ピアノ・ディスタンス』は、武満さんの代表的なピアノ作品の一つ。
調性や規則的なリズムを排除し、独自の時間と空間の構造を持つ本作は、聴き手に非常に独特の聴覚体験を提供します。
武満さんいわく、音楽は物事を名指すだけでなく、聴き手の内面に響くべきもの。
現代音楽に興味のある方、武満ワールドの神髄に触れたい方は、ぜひ一度聴いてみてください!
うたうだけ武満徹

戦時中も作曲活動を続け、現代音楽の革新者として世界的に名声を得た武満徹さん。
『うたうだけ』は、シンプルながらも深い感情表現を持つ武満作品のなかでも高い人気を誇る歌曲で、ピアノ演奏でも親しまれています。
武満さんならではの和声と旋律が融合し、日本の伝統と西洋音楽の架け橋となった本作はには、武満さんの多様な音楽性が表れています。
感情の機微を丁寧に紡ぎ上げた音の世界は、聴く人の心に静かに響くことでしょう。
現代音楽になじみのない方にもオススメしたい1曲です。
閉じた眼 2武満徹

日本を代表する現代音楽家、武満徹さんの代表作『閉じた眼 2』。
19世紀フランスの画家オディロン・ルドンの絵画に触発され生まれた、武満さんが世界的名声を確立していた晩年のピアノ曲です。
協和音と不協和音の絶妙な使い分けに、そこに浮遊する甘美なモチーフ。
静かに始まり、断片的な中音域の歌が次第にクライマックスを形成し、最後は再び冒頭の鐘の響きへ。
3種類のペダルを駆使し、繊細なタッチで響きを操ることが求められる難曲ですが、武満さんの深い洞察が反映された幽玄な世界を味わえます。
現代音楽になじみのあるピアニストにオススメの名曲です。
二つのメロディ武満徹

戦後の日本において、現代音楽の発展に寄与した日本を代表する作曲家、武満徹さん。
歌曲や合唱曲、交響曲など幅広いジャンルの作品を遺した彼は、ピアノ作品も数多く手掛けています。
『二つのメロディ』は、武満さんが本格的に作曲を学び始める前の1948年に書かれた作品で、死後遺品のなかから発見されました。
もの悲しいメロディが印象的な本作は、彼のピアノ作品のなかでも比較的演奏しやすいため、武満作品初挑戦の方にもオススメです。
雨の樹 素描Ⅱ -オリヴィエ・メシアンの追憶に-武満徹

世界的に活躍した作曲家、武満徹さんは、日本の伝統と西洋音楽の融合を図り、独自の音楽性を確立しました。
ピアノ曲『雨の樹 素描II -オリヴィエ・メシアンの追憶に-』は、静寂でめい想的な雰囲気が特徴。
余韻を大切にする作曲技法によって、自然への敬愛の念が込められた深遠な世界が表現されています。
若い頃から影響を受けたフランスの作曲家、オリヴィエ・メシアンへのオマージュであり、精密なテンポと強弱の表現が求められる難曲ですが、演奏に挑戦することで現代音楽の新境地を感じられるでしょう。
小さな空武満徹

日本の現代音楽界をけん引してきた作曲家、武満徹さん。
『小さな空』は親しみやすいメロディが魅力的な名曲として広く親しまれており、たびたびピアノソロでも演奏されています。
1962年にラジオドラマのテーマ曲として作曲されたこの曲は、子供時代の思い出や感情をテーマに、青空や夕空、夜空を見上げたときの印象や心の動きが繊細に描いています。
無邪気で純粋な気持ちが呼び覚まされるような、温かみのあるメロディに心が和む、子供の頃を懐かしむ大人の方にもオススメの1曲です。