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DTPデザイナーが教える!バンド告知フライヤーの作り方

DTPデザイナーが教える!バンド告知フライヤーの作り方
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DTPデザイナーが教える!バンド告知フライヤーの作り方

「バンドでライブ告知のフライヤーを作りたい!」「宣伝ポスターを作りたい!」とお考えの方も、たくさんおられると思います。

具体的にどのような手順で作成していくのか、どうやったらかっこいいフライヤーが作れるのかを解説したいと思います。

フライヤーを作る目的

DTPデザイナーが教える!バンド告知フライヤーの作り方

バンド活動をしているとよく目にするのがライブハウスなどで配られるバンドのフライヤーです。

フライヤーはバンドの名前を知らない人に知ってもらえたり、実際にお客様に手渡してコミュニケーションがとれる優れた宣伝物です。

SNSやホームページを使った宣伝ももちろん重要ですが、フライヤー制作もバンドにとって必須と言えるでしょう。

どうせなら、かっこ良くて目立つフライヤーを作りたいところです。

デザインとアートの違い

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フライヤーを制作するにあたって混同されがちなデザインとアートの違いについて説明します。

本来とても難しいテーマなので、ここではバンドのフライヤーをデザインするにあたって、おさえておきたい内容として書きます。

アートとは?

ここでは「芸術性の高い創作をすること」を指します。

フライヤーにおいて使われている、作家の個性が強い「絵画・イラスト」、芸術性の高い「写真」などです。

ミュージシャンもこういった職業です。

デザインとは?

ここでは「情報を整理してわかりやすく伝えること」を指します。

グラフィックデザイナー、ウェブデザイナーなどはこのような職業で、芸術家とは異なります。

少し難しいのですが、バンドのフライヤーをデザインする上で大切なのはこのスキルです。

バンドというアーティストの活動を「わかりやすく知ってもらう」ためにデザインを考えることが大切です。

フライヤーを誰が作るのか

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フライヤーを作るにはどうするか?

以下の方法があります。

  1. 自分でデザインをする
  2. デザインが出来る友達に頼む
  3. デザイナーに依頼する

自分でデザインをする

バンドの中でデザインが得意なメンバーがいれば、その人に作ってもらうのが一番です。

中でも作曲をしている人がフライヤーを作ることができればとても良いです。

自身の表現したい音楽性をイメージでも伝えられるので、バンドのイメージがわかりやすくなります。

他のメンバーが担当する場合は、主に作曲者やボーカリストの意見を取り入れつつ、デザインを考えると良いでしょう。

デザインが出来る友達に頼む

デザインが得意な友達がいれば、その人にお願いしましょう。

この場合に注意したいのは、理想どおりの仕上がりになるように打ち合わせをしっかり行い、締切を守って進行していくように交渉することです。

「友達だから、仕事じゃないから……」という中途半端な形でお願いするのは、お互いにとってもよくないのでやめましょう。

デザイナーに依頼する

プロのデザイナーに依頼をするのもひとつの手です。

デザイン料は人によりますが、約3万円~です。

全国流通盤をリリースする時や、自主企画の宣伝など、クオリティの高い作品に仕上げたい場合は検討してみると良いでしょう。

自分でフライヤーのデザインを作る

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それでは、自分でフライヤーを作る場合どのような工程で制作すれば良いのでしょうか。

ここでは私が所属しているバンド「ロマネ」を例に上げて説明します。

  1. 予算を決める
  2. 伝えたい内容を決める
  3. 仕様を考える(印刷方式・カラー/片面両面・サイズ・枚数)
  4. レイアウトを考える
  5. デザインのイメージを考える
  6. 必要な素材を準備する
  7. デザインする
  8. 印刷会社に入稿する

予算を決める

フライヤー制作にかけられる予算をバンドで決めます。

「ロマネ」は5000円の予算で検討することにしました。

伝えたい内容を決める

伝えたい内容を箇条書きで決めます。

内容が多すぎると乱雑になってしまうので、簡潔に考えましょう。

「ロマネ」の場合は、以下の3つに絞りました。

これらを「わかりやすく伝えるために」具体的に何を載せるのか考えます。

仕様を考える(印刷方式・カラー/片面両面・サイズ・枚数)

フライヤーの仕様を考えます。

印刷方式

大まかには以下の2つの方法があります。

「ロマネ」の場合はデザインソフトで制作し印刷会社に入稿することにしました。

サイズ・必要な枚数を決める

フライヤーのサイズを決めます。

紙のサイズはA版、B版が一般的です。

参考:紙の用紙サイズ一覧

一般的にフライヤーでよく使われているサイズはA4、A5、A6、B5、B6などです。

他のバンドのフライヤーを参考に検討してみましょう。

この場合も、お客さんの立場にたって「手に取りやすい・読みやすい」といった視点で考えてみましょう。

また、用紙のサイズで印刷の値段が変わるので予算を考慮して検討しましょう。

必要な枚数は、配る場所をリストアップして考えてみましょう。

配る機会のあるライブの本数に加えて、よく利用するスタジオやライブハウス、行きつけのお店など、フライヤーを置かせてもらえそうな場所は意外とたくさんあります。

「ロマネ」の場合はA5で2000枚印刷することに決めました。

カラー/片面両面

白黒かカラーか、片面印刷か両面印刷かを決めます。

内容のボリュームと予算で検討します。

情報量が多い場合は両面印刷が良いでしょう。

その場合、裏面は白黒印刷にすると、どちらが表かわかりやすくなります。

「ロマネ」の場合は片面カラー印刷に決めました。

レイアウトを考える

フライヤーのレイアウトを考えます。

レイアウトを考えることは難しいイメージが強いですが、一番簡単な方法は音楽と同じです。

「自分がいいと思ったフライヤーをマネしてみる」ことです。

特にメジャーのバンドや、インディーズでも人気のあるバンドは、プロのデザイナーがデザインしているのでとても参考になります。

デザインのイメージを考える

いよいよデザインのイメージを考えます。

こちらも4.と同様に、バンドのカラーに合った「自分がいいと思ったフライヤーを探す」と良いです。

自分の尊敬するバンド・好きなバンドのフライヤーでも良いでしょう。

4.5.のイメージがぴったり合った他のバンドのフライヤーがあれば、それを参考に進めていきます。

(ただし、音楽と同じで丸パクリはNGです)

「ロマネ」の場合は参考になりそうなフライヤーを5~6種類集めました。

必要な素材を準備する

フライヤーの作成に必要な素材を準備します。

「ロマネ」の場合は写真をメインに使用するので、

の2種類です。

写真は印刷に必要な解像度(300dpi)があるデータを用意します。

dpi(ディーピーアイ、DPIとも表記)とは、dots per inchの略で、ドット密度の単位である。

1インチ(1平方インチではない)の幅の中にどれだけのドットを表現できるかを表す。

dpi – Wikipedia

解像度が低いと印刷したときに画質が荒くなってしまうので注意が必要です。

デザインする

デザインソフト(IllustratorPhotoshop)を使用して制作していきます。

ここまでの準備ができていればスムーズに作業できます。

一番大切なことは「わかりやすく伝える」ことを念頭に置くことなので、自身で何度も見直して見やすいかどうかを考えながら進めましょう。

「ロマネ」の場合は、バンドの日本語感と、メインに写真を使用する点から、以下3パターンのデザインを考えました。

DTPデザイナーが教える!バンド告知フライヤーの作り方

これをメンバーで話し合い、ひとつの案に決めました。

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印刷会社に入稿する

デザインが完成したら印刷会社に入稿します。

「ロマネ」はインターネット印刷のプリントパックに入稿しました。

参考:プリントパック

印刷用のデータの作り方はプリントパックのサイトにも詳しく載っています。

参考にしてみてください。

参考:プリントパック:テクニカルガイド

最後に

自分でバンドのフライヤーを作る上での大まかな流れを説明しました。

大切なのは「わかりやすく伝える」ようにデザインすることです。

「何のために作るのか?」「どうすれば手にとってもらえるのか?」を考えて作ると、バンドの音楽にもプラスになっていくはずです。

世の中にはたくさんのすてきなフライヤーがあります。

ぜひそれらを参考にしながら、楽しんでデザインを考えてみてください。

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