コンプレッサーの名機をモデリング。プロ仕様のおすすめベース・マルチエフェクター BOSS GT-10B
様々な種類のエフェクターを1つの躯体に集約したマルチ・エフェクター。
その高い利便性と、内蔵されているエフェクターの多さから高いコスト・パフォーマンスを実現しています。
マルチ・エフェクターというと、単体エフェクターのように好きなメーカー（サウンド）の製品を組み合わせることができない、という観点から敬遠しがちなユーザーも少なくないようですが、単体エフェクターを買い集めるよりも圧倒的にコスト・パフォーマンスが良いことや、一度セッティングしたサウンドの保存・呼び出しが簡単なこと、更には消費電力の少なさなど、高い実用性が裏付けとなるメリットがたくさんあります。
今回紹介するベース用マルチ・エフェクター GT-10Bは、マルチ・エフェクターでありながら“ベース本来のサウンドを活かした音作り”を基本のコンセプトとし、各エフェクターの基本的な性能を飛躍的にレベルアップ。
ライブやレコーディングに高次元で対応できるクオリティを実現しています。
ベーシストが求める基本中の基本、クリーンなバイパス・サウンド
マルチ・エフェクターとコンパクト・エフェクター、どちらを使用する場合でもベーシストにとって避けられない悩みが“音痩せ”や“ノイズ”の問題でした。
物理的にエフェクターを繋ぐ以上、ある程度のダイナミック・レンジが失われることは避け難いという点において、GT-10Bはベースのダイレクト音をスポイルすることなく、クリーンなバイパス・サウンドを実現しています。
シールド直結時と比較しても、ほとんど音質変化を感じることが無いくらいクリーンなバイパス・サウンドは、それだけでGT-10Bのエフェクターとしての基本性能の高さを実感することができます。
忠実にモデリングされた高性能のコンプレッサー・サウンド
ベーシストにとって定番中の定番エフェクターがコンプレッサーです。
音の粒を揃えるためのコンプレッサーは、各弦の太さそのものの差が大きいベースという楽器において、コンプレッサーの重要性というのは多くのベーシストが認識している通りです。
GT-10Bは、BOSSが誇るCOSMテクノロジーによりMXR DynaCompやUERI1178、dbx160xなど、高品質な定番コンプレッサーを忠実にモデリングしています。
各コンプレッサーの再現度の高さもさることながら、本物の機種ではコントロールできないアタック・タイムやratioを設定でき、更にはコンプレッサーの設定を決定した後にも、圧縮されてしまった音にメリハリを持たせることのできるプレゼンス・コントロールまで登載しています。
ナチュラル・コンプを始め、各コンプレッション・サウンドの実用性の高さは、これだけでもGT-10Bから抜き出したいくらいの性能です。
EZ TONEの感覚的な操作により、イージーなサウンド作りを実現
様々な高機能のエフェクターを集約したGT-10Bの中でも、このEZ TONEの持つ操作性の高さは特筆モノでしょう。
エフェクターを使いこなすには、パラメーターの設定に対する専門知識を持つことに越したことはありませんが、そのような知識がなくとも簡単なサウンド作りを可能とした画期的な機能がEZ TONEです。
白紙の状態から音楽のジャンル、曲のイメージを元に音色を瞬時に呼び出すことができます。
また、選択した音を更に変化させる際、トーン・グリッド画面を使用することで音色を感覚的に変化させることができます。
トーン・グリッド画面では、XY軸のパラメーターがあり、それぞれHARD⇔SOFT、EDGE⇔SMOOTHなどのパラメーターを動かすというシンプルさです。
この機能により、初心者でも簡単に理想のサウンドへ近づけることができます。
その他、多機能すぎる程充実した機能
これまでに紹介した各機能はGT-10Bの機能のほんの一部です。
ドライブ系やモジュレーション系など、その他のエフェクターもベーシックな性能には申し分なく、またベース・シンセの評価が高い点にも注目です。
そのシンセ・サウンドの良さもさることながら、従来のベース・シンセと比較しても明らかにスピーディーなピッチ検出は、プロ・ユースにも耐え得る仕様でしょう。
また、USB AUDIO/MIDI機能を装備し、USBケーブルを使用してDAWソフトへのレコーディングを直接行うことができる他、セッティング内容をパソコン上にバックアップするなど、様々な使い方が可能です。
マルチ・エフェクターというと、その多機能さに目を奪われがちですが、ベーシストが重視する基本サウンドをしっかりと押さえた上で、操作性を失うことなく機能を満載したGT-10Bは、ベーシストなら一度は試したい製品です。
スペック
| AD変換 | 24ビット＋AF方式 |
| DA変換 | 24ビット |
| サンプリング周波数 | 44.1kHz |
| プログラム・メモリー | 400（ユーザー200＋プリセット200） |
| 規定入力レベル | INPUT=-10dBu、RETURN=-10dBu |
| 入力インピーダンス | INPUT=1MΩ、RETURN=220kΩ |
| 規定出力レベル | OUTPUT=-10dBu/+4dBu、SEND=-10dBu、SUB OUTPUT=+4dBu |
| 出力インピーダンス | OUTPUT=2kΩ、SEND=3kΩ、SUB OUTPUT=600Ω |
| ダイナミック・レンジ | 100dB以上（IHF-A） |
| デジタル・アウト | コアキシャル・タイプ（IEC60958に準拠） |
| ディスプレイ | 132×64ドット（バックライト付きグラフィックLCD）、7セグメント3桁（LED） |
| コントロール | ＜フロント・パネル＞OUTPUT LEVELつまみ、OUTPUT SELECTボタン、SYSTEMボタン、EZ TONEボタン（CREATE、EDIT）、PARAMETERつまみ（1～4）、ダイヤル、カーソル・ボタン、EFFECTS SHORTCUTボタン（COMP、OD/DS、PREAMP、EQ、FX1、FX2、DELAY、CHORUS、REVERB、MASTER/PEDAL FX）、CHANNEL SELECTボタン、DISPLAY MODEボタン、EXITボタン、CATEGORY/ENTERボタン、TUNER/BYPASSボタン、WRITEボタン、バンク・ペダル（▼、▲）、ナンバー・ペダル（1～4）、CTLペダル（CTL1、CTL2）、エクスプレッション・ペダル、エクスプレッション・ペダル・スイッチ＜リア・パネル＞電源スイッチ（POWER）、SUB OUTPUT LIFT/GNDスイッチ |
| 接続端子 | SUB OUTPUTジャックL/R（XLRタイプ）、INPUTジャック（標準タイプ）、OUTPUTジャック L/MONO、R（標準タイプ）、PHONESジャック（ステレオ標準タイプ）EXT LOOP SEND、RETURNジャック（標準タイプ）AMP CONTROLジャック（標準タイプ）、EXP PEDAL 2/CTL3,4ジャック（TRS標準タイプ）、USBコネクター、DIGITAL OUTコネクター（コアキシャル・タイプ）、MIDI IN、OUTコネクター、ACアダプター・ジャック（DC IN） |
| 電源 | DC9V（ACアダプター：ROLAND PSB-1U） |
| 消費電流 | 800mA |
| 付属品 | ACアダプター（ROLAND PSB-1U） |
| 別売品 | フット・スイッチ：BOSS FS-5U、デュアル・フット・スイッチ：BOSS FS-6、エクスプレッション・ペダル：BOSS FV-500L/500H、Roland EV-5、接続コード：Roland PCS-31（ステレオ標準プラグ－標準プラグ×2）、Roland PCS-33（L型ステレオ標準プラグ－ステレオ標準プラグ）、キャリング・バッグ：BA-CB3 |
| 幅 (W) | 542 mm |
| 奥行き (D) | 272 mm |
| 高さ (H) | 77 mm |
| 質量 | 4.9 kg |