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作曲やDTMですぐに使える実践コードワークとメロディライン

作曲やDTMですぐに使える実践コードワークとメロディライン
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作曲やDTMですぐに使える実践コードワークとメロディライン

DTMやオリジナルバンドなどで作曲をする際に、知っておくとためになる音楽理論をわかりやすくご紹介します。

「自分の作曲をもう1ランク、ステップアップさせたい!」そんな方におすすめの記事です。

今回は、ポップソングの作曲において最も重要な2大要素、「コード」と「メロディ」に着目しています。

中でもこれだけは知っておきたい!

という実践的なコードワークとメロディラインを厳選して5つご紹介いたします。

コード基礎編:代理コード

代理コードについて説明する前に、いわゆる「スリーコード」について、補足的に説明する必要があります。

スリーコードというのは、作曲の基本とも言える3コードのこと。

具体的にはⅠ、Ⅳ、Ⅴの3つのコードのことですね。

代理コード

極端な話、このスリーコードさえあれば曲は作れてしまいます。

実際に、有名な曲の中にもほぼスリーコードで構成されている曲も多数存在します。

ただ、少しひとひねりして、スリーコード以外のコードを取り入れてみたい。

そんな時に活躍するのがこの「代理コード」です。

参考:代理コード

スリーコードと呼ばれる3つのコード、それぞれと対応した代理コードが1つずつ存在します。

下の図をご参照ください。

代理コード

これに従って、たとえばこのようにコードを入れ替えることができます。

聞き比べてみましょう。

前者のコード進行はⅣ→Ⅴ→Ⅰ、

後者は代理コードを用い、コード進行はⅡm→Ⅴ→Ⅰとなっています。

どうでしょうか?

メロディが同じでも、違和感なく聴けますね。

入れ替わる前のコードも後のコードも、役割がよく似ているので、どちらでも違和感を感じることなくぴったりはまるという仕組みです。

非常に手軽かつ便利なアイデアなので、アレンジに行き詰まったら、ぜひ使ってみてはいかがでしょうか。

コード基礎編:セブンスコード

セブンスコードとは、通常のメジャーコードマイナーコードの音に、7度の音を足したコードのことを指します。

セブンスコード

これは、実際に聴き比べてみるのが1番です。

通常のメジャーコードと、セブンスコードを聞き比べてみてください。

どうでしょうか。

セブンスコードはメジャーコードと比べて少し複雑な響きがするのがおわかりでしょうか。

セブンスコードには4種類あり、それぞれ響きが異なります。

これもそれぞれ、順番に聞き比べてみましょう。

セブンスコード

メジャーコードとマイナーコードで構成されたコード進行に、ところどころセブンスコードを織り交ぜることで、より起伏に満ちた進行にすることができます。

たとえば……

先に流れたのがメジャーコードとマイナーコードのみのコード進行。

後に流れたのはセブンスコードを織り交ぜた進行です。

前者はⅡm→Ⅴ→Ⅰ、後者はⅡm7→Ⅴ7→ⅠM7というコード進行になっています。

このようにしてアレンジを工夫してみると、より楽曲の雰囲気が洗練されていくことでしょう。

メロディ基礎編:ペンタトニック

ペンタトニックとは、決められたある5つの音のことです。

その決められた音というのは、ド、レ、ミ、ソ、ラの5音です(ドの音を基準としたとき)。

ギタリストがソロを弾いたりする時に、この5つの音を使うことで手軽にソロのフレーズを作れるので、ギタリストには特に重宝されます。

これをメロディ作りにも応用することで、キャッチーなメロディを作りやすくなります。

ペンタトニックの音のみを使ったメロディの例として、童謡「しょうじょうじのたぬきばやし」があります。

1度は聴いたことがあるのではないでしょうか。

ペンタトニック

ペンタトニックの音の中でも、特に「レ」と「ラ」の音は使い方がやや難しく、それだけにこの2つの音をうまく扱えることは、印象的なメロディを作るためには重要です。

コード応用編:クリシェ

ここからは応用編です。

クリシェとは、同じコードが続くとき、ある1音だけを半音ずつ上昇、もしくは下降させていく技法です。

たとえばこのような感じ。

ここでは、Amのラとドの音はそのままで、ミの音が半音ずつ上がっていく進行になっています。

クリシェ

また、ベースラインを下降させていくクリシェもよく使われます。

ここでは、最初の5つの和音は、上に乗っている和音はずっとAmですが、ルート音だけが半音ずつ下降していく進行になっています。

クリシェ

一言で表すならば、半音ずつ上がる、または半音ずつ下がる、それがクリシェです。

使いこなせると楽曲をドラマティックに演出することができるので、ぜひ習得してみてください。

メロディ応用編:非和声音の使い方

非和声音とは、鳴っている和音に含まれていない音のことを指します。

たいていの場合、曲のメロディにおいて1曲通して非和声音が含まれないということはまずなく、意識せずとも非和声音が登場することはよくあります。

ただ、非和声音の使われ方を厳密に分けていくと、ぜんぶで5種類の使い方があります。

この5種類すべてを使ったメロディを用意しましたので、これを使って解説します。

非和声音

1. 倚音(いおん)

小節のはじめの音が非和声音になっている場合です。

サンプルでは、Cのコードの小節が「レ」の音で始まっているので、このレの音は倚音です。

2. 先取音

非和声音が和音をまたいで伸び続け、新しい和音において和声音となるとき、これを先取音と呼びます。

サンプルでは、レの音がC→Bdimにまたがって伸びています。

レの音は、Cの和音においては含まれていないため非和声音ですが、Bdimの和音においては含まれているため和声音です。

このように、非和声音→和声音となるときが、先取音のパターンです。

3. 経過音

ドレミファソ〜というように、順番に上昇、もしくは下降していくメロディのとき、和声音と和声音の間に挟まれている音を経過音と呼びます。

サンプルでは、レ→ド(和声音)→シ→ラ(和声音)とメロディが下降しており、ドとラに挟まれたシの音が経過音ということになります。

4. 掛留音(けいりゅうおん)

これは先取音の逆パターンで、和声音が和音をまたいで伸び続け、新しい和音において非和声音となる場合です。

サンプルではドの音がAm→Gm7にまたがって伸びています。

ドの音はAmにおいては和声音、Gm7においては非和声音です。

このように、和声音→非和声音となるのが掛留音です。

5. 刺繍音

メロディが和声音→その隣の非和声音→もとの和声音、というように動くとき、挟まれた非和声音を刺繍音と呼びます。

サンプルではド(和声音)→シ(非和声音)→ドとメロディが動いており、このドに挟まれたシの音が刺繍音です。

このように、説明をすると非常に複雑に思えるのですが……実のところ、大半の作曲者はこれを知らずとも、無意識にやっていることと思います。

ですが、どの使い方もメロディに1つフックをつけるには非常に効果的ですので、こういった手法があるんだということは、知っておいて決して損はないでしょう。

最後に

今回ご紹介した音楽理論は、どれも現代の音楽ににおいては常套(じょうとう)手段として使われているものばかりです。

こうした理論を、勉強するだけにとどまらず、実際に使いこなせるようになることで作曲のスキルは飛躍的に上昇することと思います。

ぜひともこれらの技法をマスターしてみてくださいね。

ライタープロフィール

作曲家

柴垣修一朗

ロックバンド「ミスタニスタ」ドラム&コーラスと作編曲を担当。

ソロで作曲活動・楽曲提供等行っています。

ミスタニスタ公式サイト

http://mr.nista.jp

ミスタニスタ公式Twitterアカウント

https://twitter.com/mr_nista

Twitter:DoGeZa_To_You

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