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【2025】取り扱い注意!デプレッシブブラックメタルのおすすめバンドまとめ

【2025】取り扱い注意!デプレッシブブラックメタルのおすすめバンドまとめ
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近年は映画『ロード・オブ・カオス』の影響もあって「ブラックメタル」という言葉くらいは何となく耳にしたことがあるという音楽ファンも増えているように感じる昨今ですが、いわゆる「デプレッシブブラックメタル」と呼ばれるジャンルを皆さまはご存じでしょうか。

こちらの記事ではブラックメタルから派生したサブジャンルの中でも限りなく内省的かつ厭世的で、海外では「DSBM」と称されるデプレッシブブラックメタルの著名なバンドたちを紹介しています。

ブラックメタルのファンであってもDSBMは苦手という方も多い、聴く人を選ぶジャンルですから取り扱いには十分注意してくださいね!

【2025】取り扱い注意!デプレッシブブラックメタルのおすすめバンドまとめ

Poslední cestaTrist

チェコが生んだデプレッシブブラックメタルのカリスマ的な存在、Tristさんが自身の名前をそのまま冠したプロジェクトで彼やスウェーデンのHypothermiaこそがDSBMの象徴的存在と考える方も多いのですね。

初期のTristはプリミティブなブラックメタルを鳴らしており、デモテープ音源『Do Tmy Zalu I Nicoty』を聴くとその実態が理解できるのですが、いわゆるデプレッシブブラックメタルとしてのTristは2006年に発表されたデビューアルバム『Stíny』から始まったといっても過言ではないでしょう。

爽快な疾走感などは一切なし、ミドルテンポ中心の楽曲で荒々しいというよりチープですらある音質がまさに地下室の音楽といった趣。

シャリシャリしたノイズをまき散らすギター、時折ツーバスを踏み鳴らすドラムス、闇の底から聴こえてくる狂気のボーカル……陰鬱などという言葉が可愛らしく思えてくるかのような闇の世界に初心者であれば数分もせずに挫折してしまうはず。

とはいえじっくり聴くと悲壮感しかない中でもギターのリフにメロディを感じさせる瞬間もないわけではなく、シューゲイザーのように聴こえなくもない轟音ではあるのですが……だからこそ一層絶望と悲哀の底へと聴く人を誘うと言えるかもしれません。

IsolationHypothermia

Life Is PainやLifeloverの活動でも知られている、Kim Carlssonさんを中心とするスウェーデンのブラックメタルバンド、Hypothermia。

2001年に結成されて以来精力的に作品を発表していましたが、2024年の現時点では2017年にアルバム『Kaffe & Blod II』を発表後の作品リリースは途絶えているようです。

「低体温症」という意味を持つバンド名の如き寒々しいリフ、地下室の奥から鳴り響く悲鳴のようなボーカルが、20分超えは当たり前の長尺な楽曲の中で延々と繰り返される様は、まさに触れてはいけない闇そのもの。

劣悪なサウンドプロダクションも相まって、一筋の光すら存在せず、ひたすら重苦しい深い深い絶望だけが込められた、聴く者の心身を蝕んでいく危険すぎる音楽ですね。

初めてこういった音楽を聴く人が最後まで聴き通せる確率は限りなく低いですし、デプレッシブブラックメタルそのものでありながら、このジャンルに興味を持った方が最後に聴くべきバンドと言えるかもしれません。

The beginningHappy Days

何はともあれ、ハッピーデイズという皮肉が効きすぎているバンド名のインパクトたるや。

これでポジティブかつハッピーな音楽を鳴らしていればよいのですが、楽しい日々をは無縁の絶望のまま世界からさよならしてしまいそうな音世界は取り扱い注意としか言いようがないものですね。

2004年に結成されたアメリカのデプレッシブブラックメタルバンドで、まさにDSBMの王道とも言える音でマニアの間では人気の高いバンドです。

2008年にリリースされたデビューアルバム『Melancholic Memories』はタイトル通りメランコリックの極致、あまりにも物悲しいピアノと辞世の句のような語りから始まるオープニングの『Drowning In Razorblades』の時点ですでに不穏すぎるのですが、続く『The beginning』のブラックゲイズ的なノイズと絶望の叫びに全てを持っていかれてしまうことでしょう。

3曲目の『Neglect…』以降はすべて10分ごえの長尺曲、最後にTristのカバーも収録されており、彼らの音楽的なルーツがうかがえて興味深いですね。

彼らは2020年代の今も活動を続けており、2023年には『En Enfer, J’ai Régné』というアルバムをリリース、徹底したメランコリックな暗黒と絶望の音で健在ぶりをアピールしています。

Det Hviskes Blant Sorte VinderStrid

ノルウェーのBurzumと並んでデプレッシブブラックメタルの原点とも言える存在が、同じくノルウェーの伝説的なブラックメタルバンドのStridです。

2001年に自ら命を絶ったStormさんを中心として1993年に結成された彼らは、1993年にデモ音源『End of Life』を、翌年にはセルフタイトルのEP作品をリリース。

2007年には先述した作品に前身バンドの音源などを含めたコンピレーション盤を発表しており、その1枚で彼らの音源はほぼ網羅できるくらいに数少ない音源だけで伝説となった存在なのですね。

デプレッシブブラックメタルという観点では、1994年にリリースされたセルフタイトルのEP作品が重要とされており、初期のBurzumにも通じるブラックアンビエントな要素を持ち合わせたサウンドは限りなく暗く、孤独と絶望の中でうなるようなボーカルは恐怖すら感じさせます。

サウンド自体はプリミティブなブラックメタルらしいノイジーなギターとメロディを奏でるベースライン、淡々としたドラムスといった趣で緩急がほしいという方にはやや厳しいかもしれませんが、90年代初頭の時点でこの音が鳴らされていたことに驚くはずですし、メイヘムやエンペラー、サテリコンなど他の有名バンドとはまた違う90年代のノルウェーブラックメタルをぜひ知っていただきたいですね。

Chapter 4Make A Change… Kill Yourself

あまりにも絶望的すぎる名前を持つ彼らは、デンマーク出身のデプレッシブブラックメタルバンド。

2005年に発表されたセルフタイトルのデビューアルバムは全4曲入りで70分という大作で、曲名ではなくチャプターで分かれているという点がコンセプチュアルなものを感じさせますね。

全てのパートを手掛けるYnleborgazさんのボーカルはまさにデプレッシブブラックメタルの王道、限りなく邪悪で絶望に満ちた叫びが聴く人の生きる気力を失わせます。

彼にとっての救いはただ一つ、その答えがダイレクトに伝わってくる音世界はもちろん興味があってもおいそれと聴けるものではないのですが、サウンド自体は強烈に病的というわけではなく、アンビエントなパートも含めて静ひつなものさえ感じさせるというのが大きな特徴と言えそうですね。

悲壮なトレモロリフは叙情性を帯びたものですし、聴く人によっては美を見いだすかもしれません。

彼らは自分たちの本質を見失うことなく定期的に作品をリリースし続けており、どの作品を聴いてもこういった音を求める人の期待に応えるという意味では安心できる存在ですね。

もちろん、繰り返しますが取り扱いには十二分に注意が必要ですよ!