6月の俳句には梅雨や紫陽花、蛍など、この季節ならではの風情がたっぷり詰まっています。
五月雨や若葉といった季語が織りなす十七音の世界は、読むだけで雨の音やしっとりとした空気が肌に伝わってくるようですね。
高齢者の方にも親しみ深い有名な句から、思わず声に出して味わいたくなる一句まで、6月の季語を使った俳句を多数ご紹介します。
句の背景や作者の思いにも触れながら、日本の言葉が持つ美しさをじっくり楽しんでみてはいかがでしょうか。
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【高齢者向け】6月の俳句。有名俳人が詠む風情感じるうつくしい句たち(1〜10)
潮急に 植田は鏡 より静か川端茅舎
速い潮の流れを表す潮急と、自然の鏡とも言える植田を対比した一句です。
潮急と比べることで、田んぼの静けさがより際立ちますね。
田植えは5月〜6月におこなわれるのが一般的で、田植えしたばかりの田んぼは鏡のように澄んでいて美しいです。
6月は梅雨の時期でもあるため、風景がキレイに映り込むような瞬間を見られるのはとても貴重かもしれませんね。
あまり意識して見ない田んぼですが、この俳句を知ることで季節の移ろいを感じる1つとして目にする機会が増えるのではないでしょうか。
紫陽花や 帷子時の 薄浅黄松尾芭蕉
6月の代表的な花として知られる紫陽花と夏の衣類である帷子。
薄浅黄というのは、淡い青緑色のことです。
この俳句では、紫陽花が咲き、帷子を着る季節がやって来た……という季節の移ろいを表していますよ。
涼しげで爽やかな初夏の風景を思い浮かべられる、松尾芭蕉の俳句の中でも有名な一句です。
時間があるなら、芭蕉と同じように季節の移ろいを感じられる瞬間を探してみてはいかがでしょうか。
見落としているステキな瞬間が意外にたくさんあるかもしれませんよ。
青梅に 手をかけて寝る 蛙哉小林一茶
6月の雨がやわらかく降るころ、自然の静けさと小さな命の息づかいを感じさせる俳句があります。
その中の一つが、小林一茶のこちらです。
まだ青い梅の実に、そっと手をのせて眠る蛙の姿が描かれています。
まるで雨上がりの庭で、カエルが小さなベンチに寄りかかってうたた寝しているような、ほほえましい様子が目に浮かびますよね。
青梅のすっきりとした緑と、蛙ののんびりした姿が重なります。
庭先や田んぼの風景を思い出しながら、心がほっと温かくなるような時間を過ごしてみてくださいね。
紫陽花や 藪を小庭の 別座敷松尾芭蕉
お庭といえばキレイに整えられているイメージがありますが、この俳句では、紫陽花が咲く藪と表現されたありのままの庭の美しさを感じています。
自然の風景を美しいと感じることは、心のゆとりにもつながります。
紫陽花といえば梅雨の時期に咲く花ですので、静かに雨が降る中で咲く薄紫をぼんやりと眺める風景が浮かびますよね。
もしかしたら芭蕉も庭を眺めながら、心休まる時間を過ごしたのかもしれません。
6月らしい風景と時間を届けてくれる、覚えておきたい一句です。
のびきって 夏至に逢ふたる 葵かな正岡子規
正岡子規の代表的な一句です。
すくすくと上へ伸びていく花の様子が、一年でいちばん昼の長い夏至の日に花を咲かせ、その季節に「出会った」ようだという情景が詠まれています。
まるで庭先で背の高い花が、空に向かって精いっぱい背伸びをしている姿に、太陽のいちばん高い季節が重なったようなイメージを思い浮かべられますよね。
家の庭や畑のあぜ道で見かけた花を思い出しながら楽しめる一句で、梅雨から夏へ移る頃の、静かでのびやかな空気が感じられます。
時間の流れを花の成長に重ねた、やさしく穏やかな夏の風景として味わえます。




