「ピアノの詩人」という言葉から多くの人が思い浮かべるのは、おそらくロマン派を代表する作曲家フレデリック・ショパンでしょう。
しかし、実はもうひとり、クラシック音楽界に残した偉大な業績から、ショパンと同じく「ピアノの詩人」と呼ばれた音楽家がいました。
それが、第二次世界大戦後のフランスにおける代表的な作曲家として華々しく活躍したピアニスト、サンソン・フランソワさんです。
彼は1940年にパリ音楽院を首席で卒業、「第1回 ロン=ティボー国際コンクール」で優勝したのち、世界中で演奏を披露し人々を魅了しました。
本記事では、そんなフランソワさんの名演を厳選!
46歳の若さで惜しまれつつも亡くなった彼が遺した魅惑の演奏を、どうぞお楽しみください。
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もくじ
- 【サンソン・フランソワ】伝説ピアニストが愛した珠玉のピアノ曲
- 版画 第1曲「塔」Claude Debussy
- 左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調Maurice Ravel
- ベルガマスク組曲 第1曲「前奏曲」Claude Debussy
- ノクターン 第2番 変ホ長調 Op.9-2Frederic Chopin
- ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 op.11Frederic Chopin
- ノクターン 第6番 変ニ長調 Op.63Gabriel Fauré
- 夜のガスパール 第3曲「スカルボ」Maurice Ravel
- ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 Op.26Sergei Prokofiev
- バラード 第1番 ト短調 Op.23Frederic Chopin
- トッカータ ハ長調 Op.7Robert Schumann
- バラード 第4番 ヘ短調 Op.52Frederic Chopin
- 夢想Claude Debussy
- 喜びの島Claude Debussy
- ポロネーズ 第6番 変イ長調 Op.53「英雄」Frederic Chopin
- ピアノソナタ 第23番 ヘ短調 Op.57「熱情」Ludwig van Beethoven
【サンソン・フランソワ】伝説ピアニストが愛した珠玉のピアノ曲
版画 第1曲「塔」Claude Debussy

フランスの作曲家クロード・ドビュッシーは、19世紀から20世紀にかけて活躍し、印象主義音楽の代表的な作曲家として知られています。
彼の作品は、伝統的な和声法を超えた革新的な作曲技法が用いられ、後世の作曲家に大きな影響を与えました。
『版画』の第1曲『塔』は、1903年に出版された組曲のなかの1曲で、ドビュッシーが東洋の文化、特にジャワのガムラン音楽に触発されて作曲しました。
五音音階を用いた独特の調和とメロディが印象的で、東洋と西洋の音楽が融合した新しい音楽表現が試みられています。
サンソン・フランソワさんの演奏は、その幻想的な世界観を見事に表現しており、異国情緒あふれる音の響きに酔いしれることでしょう。
左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調Maurice Ravel

フランスのクラシック音楽界に大きな功績を残したモーリス・ラヴェル。
彼が手掛けた協奏曲『左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調』は、第一次世界大戦で右腕を失ったオーストリアのピアニスト、パウル・ヴィトゲンシュタインの委嘱により1929年に作曲されました。
ラヴェルは、左手のみで演奏可能でありながら、まるで両手で演奏しているかのような豊かな響きを生み出すことに成功したのです。
サンソン・フランソワさんの演奏では、この曲の暗く情熱的な世界観が見事に表現されています。
特に第2楽章に組み込まれたジャズ要素からは、単なる愉快さだけでなく焦燥感も感じ取ることができるでしょう。
クラシック音楽の革新性に触れたいすべての音楽ファンに、ぜひ一度は聴いていただきたい名演です。
ベルガマスク組曲 第1曲「前奏曲」Claude Debussy

フランス印象派を代表する作曲家クロード・ドビュッシー。
彼の初期のピアノ組曲『ベルガマスク組曲』の第1曲『前奏曲』は、穏やかで明るいメロディから始まり、中間部では古風な教会旋法を取り入れた、独特の浮遊感が漂います。
技術的な難易度はさほど高くありませんが、繊細な音色や豊かな表現力が求められる、芸術性の高い作品であり、サンソン・フランソワさんの名演は今なお多くの人々を魅了しています。
ドビュッシーの革新的な音楽性を感じられると同時に、バロック様式の趣も感じさせるこの曲は、クラシック音楽の魅力を存分に味わえること間違いなし。
初心者から上級者まで、ぜひ演奏に挑戦してみてくださいね。
ノクターン 第2番 変ホ長調 Op.9-2Frederic Chopin

美しいメロディと豊かな表情が魅力的なフレデリック・ショパンの『ノクターン 第2番 変ホ長調 Op.9-2』。
サンソン・フランソワさんの演奏では、この曲の持つ歌心と優雅さが見事に表現されています。
柔らかく丸みを帯びた音色で奏でられる主旋律は、まるで歌っているかのようにリリカル。
左手の伴奏は穏やかに、そしてハーモニーに厚みを持たせながら、メロディを優しく支えています。
曲が進むにつれ、装飾音が増えていきますが、その豊かな表情の変化もフランソワさんの巧みな演奏で存分に味わえます。
ショパンが愛した音楽の詩情を感じられる名演奏を、ぜひ堪能してみてください。
ピアノ協奏曲 第1番 ホ短調 op.11Frederic Chopin

「ピアノの詩人」と称され、ロマン派時代の象徴的な存在となったフレデリック・ショパン。
若くして才能を開花させ、独自の詩的感性と高度な技術で人々を魅了し続けました。
そんなショパンの代表作『ピアノ協奏曲第1番』を、20世紀の「ピアノの詩人」サンソン・フランソワさんが情熱的に演奏!
ショパンの青春時代の思い出と故郷への愛情が込められた、ドラマティックで叙情的な旋律が心に響きます。
華麗なパッセージを繊細かつ力強く奏でるフランソワさんの演奏は、クラシック音楽ファンならずとも、その美しさに酔いしれること間違いなしです!