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【サンソン・フランソワ】伝説ピアニストが愛した珠玉のピアノ曲

「ピアノの詩人」という言葉から多くの人が思い浮かべるのは、おそらくロマン派を代表する作曲家フレデリック・ショパンでしょう。

しかし、実はもうひとり、クラシック音楽界に残した偉大な業績から、ショパンと同じく「ピアノの詩人」と呼ばれた音楽家がいました。

それが、第二次世界大戦後のフランスにおける代表的な作曲家として華々しく活躍したピアニスト、サンソン・フランソワさんです。

彼は1940年にパリ音楽院を首席で卒業、「第1回 ロン=ティボー国際コンクール」で優勝したのち、世界中で演奏を披露し人々を魅了しました。

本記事では、そんなフランソワさんの名演を厳選!

46歳の若さで惜しまれつつも亡くなった彼が遺した魅惑の演奏を、どうぞお楽しみください。

【サンソン・フランソワ】伝説ピアニストが愛した珠玉のピアノ曲(1〜10)

ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 Op.26Sergei Prokofiev

Prokofiev : Piano Concerto No 3, Samson François, Rowicki プロコフィエフ ピアノ協奏曲 第3番 フランソワ
ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 Op.26Sergei Prokofiev

ロシアを代表する20世紀の作曲家セルゲイ・プロコフィエフさんが生んだ『ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 Op.26』。

1921年に完成したこの協奏曲は、作曲家自身の独創的かつ打楽器的な演奏と流麗な旋律、鋭い和声が融合した魅力的な1曲です。

本作からは、若さあふれるエネルギーと独特のユーモアが感じられ、高度な演奏技術を要求される難曲としても知られています。

この名曲を見事に演奏したのが、「ピアノの詩人」と称されたサンソン・フランソワさん。

クラシック音楽に新たな息吹を与えた彼の名演奏は、一聴の価値ありです。

ピアノの魅力を存分に味わいたい方にオススメの1曲です。

バラード 第1番 ト短調 Op.23Frederic Chopin

ポーランドが生んだ「ピアノの詩人」フレデリック・ショパン。

数多くの名曲を残したショパンのなかでも、最高傑作と評される大作が『バラード 第1番 ト短調 Op.23』です。

緻密に計算された構成と自由奔放な即興性を巧みに融合した、他に類を見ない独創的な楽曲。

まさに天才の想像力が爆発した演奏会用大曲といえるでしょう。

美しい旋律とドラマティックな展開、そして何より圧倒的な演奏効果が魅力の1曲を、サンソン・フランソワさんが情熱的に弾きこなします。

難易度の高さで知られるこの曲を限界まで追求し、ショパンへの深い理解と愛情を感じさせる珠玉の演奏をお楽しみください。

トッカータ ハ長調 Op.7Robert Schumann

ロマン派の大作曲家ロベルト・シューマンの代表作の一つ、『トッカータ ハ長調 Op.7』。

彼が若き日に作曲したこの技巧的なピアノ曲は、当時の限界に挑戦した野心作ともいえるでしょう。

サンソン・フランソワさんの演奏は、大胆な和音とシンコペーションで幕を開け、絶え間なく続く16分音符の連なりが、まるで感情の波のように聴く者を飲み込んでいきます。

高度な技術を駆使しつつ、シューマンの創造的な世界観と感情をも表現しきっているその演奏は、息をのむほどの見事さ。

ロマン派音楽の神髄に触れたい方、ピアノという楽器の可能性を追求したい方にオススメの名演です。

【サンソン・フランソワ】伝説ピアニストが愛した珠玉のピアノ曲(11〜20)

喜びの島Claude Debussy

Samson François plays Debussy’s l’ Isle Joyeuse
喜びの島Claude Debussy

クロード・ドビュッシーは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、フランス音楽界に革新をもたらした作曲家です。

パリ音楽院で学び、伝統的な和声法や形式から離れた、独自の音楽表現を追求しました。

サンソン・フランソワさんも愛した『喜びの島』は、ドビュッシーが1904年に発表したピアノ独奏曲。

装飾音やリズムの細やかな変化によって、神話上の愛の女神ヴィーナスの島の幻想的な世界を描き出しています。

本作の練習には、豊かな音色や表情の変化を表現する高度な技術が求められますが、その美しさに魅了された人なら、きっとやりがいを感じられるはず。

ぜひ、サンソン・フランソワさんの演奏も参考にしつつ、ドビュッシーが理想とした純粋な美の境地を、あなたの演奏で体験してみてください。

夢想Claude Debussy

Samson Francois plays Debussy Images : Rêverie
夢想Claude Debussy

ピアノの詩人と称されたサンソン・フランソワの名演でも聴くことができる、ドビュッシーの珠玉のピアノ曲『夢想』。

印象派音楽の代表作ともいえるこの作品は、ドビュッシーがドイツやバリを訪れた経験から生まれました。

夢見るような旋律とコラール風の中間部が織りなす音楽は、聴く者を夢幻的な世界へと誘います。

透明感あふれるサンソン・フランソワさんの演奏は、まるで優しい月明かりに包まれているよう。

ドビュッシーの内面に秘めた複雑な思いが反映されているともいわれる本作を、ぜひ演奏でもお楽しみください。

バラード 第4番 ヘ短調 Op.52Frederic Chopin

ロマン派を代表する作曲家フレデリック・ショパン。

情熱的な音楽性とピアノの詩人とも称される繊細な表現力で、今なお世界中の人々を魅了し続けています。

彼の代表作の1つである『バラード 第4番 ヘ短調 Op.52』は、複雑な構成と深遠な音楽性を持つ傑作。

メランコリックな旋律と技巧的なパッセージが織り交ぜられ、ショパンの内面世界を映し出しているかのようです。

サンソン・フランソワさんによる演奏は、作品の持つ繊細さとダイナミズムを見事に表現。

ショパンの音楽の神髄に触れたいすべてのクラシック音楽ファンにオススメしたい名盤です。

ポロネーズ 第6番 変イ長調 Op.53「英雄」Frederic Chopin

サンソン・フランソワさんによる『ポロネーズ第6番変イ長調 作品53』の演奏は、聴く者の心を震わせずにはいられません。

作品を通してフレデリック・ショパンの愛国心と、抑圧されたポーランドへの思いが伝わってきます。

力強いリズムと華やかな旋律、そして中間部の印象的なオクターブの連続は、まさに英雄の姿を思い浮かべさせます。

左右の手が繰り出すアルペジオは、聴く者の期待感をぐっと高めていきます。

サンソン・フランソワさんの繊細かつ大胆な演奏は、作品の持つドラマティックな魅力を余すところなく表現しています。

クラシック音楽ファンのみならず、あらゆる音楽愛好家にオススメしたい名演奏です。