【上級ギタリストのための】Gianluca Ferro風エイトフィンガータッピング
今回は僕の大好きなギタリストの一人、Gianluca Ferro氏が得意とするタッピング風のフレーズを紹介します。
ギタリストGianluca Ferroについて
Gianluca Ferro氏はイタリアの8弦ギタリストで、何度か来日もしています。
この動画でも所々で右手人差し指を含めた複数の指を使ってタッピングする、いわゆる「エイトフィンガータッピング」奏法が見られます。
この奏法時、ピックは握ることができないため口にくわえているようです。
今回ご紹介するのはこちらの僕の曲でGianluca氏風のプレイを取り入れた3:36〜からのフレーズです。
TAB譜はこちらです。
このフレーズは6弦ギターで弾くことができます。
BPMは120でチューニングはレギュラーです。
1小節目
4弦上でのフレーズになります。
注意したいのは、全体を通して一切ピッキングをしていないということです。
例えば1拍目の1音目、4弦7フレットはピッキングせず左手人差し指でタップすることで音を出しています。
特に弦移動して人差し指タップをする部分はノイズが出やすいので両手を使ってうまく余弦ミュートを行ってください。
1拍目の4弦14フレットは右手人差し指、16フレットは中指を使い、ただ指板を叩くのではなくハンマリング・プリングをして発音します。
人差し指と中指なのでわりと簡単かもしれません。
2拍目の4弦16フレットは右手人差し指、19フレットは薬指を使います。
薬指は普段使わないと思うので多少慣れが必要になってきます。
左手については一定のポジションなので覚えやすいですが若干ストレッチ気味に指を開くので、手の甲が正面を向くクラッシックフォームで指の開きを安定させましょう。
スピードが速いので、BPM120の32分音符で正確に弾けるように繰り返し練習しましょう。
2小節目
ここは1小節目のフレーズをそのまま1オクターブ移動しただけです。
Gianluca Ferroも1つのエイトフィンガータッピングフレーズをそのまま1・2オクターブ移動する手法はよく取り入れているようです。
4弦より細い2弦上なので1小節目より弾きやすいと思います。
運指も1小節目とまったく一緒です。
3小節目
ここはエイトフィンガーではなく右手人差し指だけのタッピングになります。
前述の通り一切ピッキングしないので、前小節のフレーズから移動するときなどスライド音が入ってしまっても構いません。
むしろそのほうが勢いがあってよいと思います。
3拍目からは弦飛びも発生してややこしいですが、右手人差し指でタッピングする時にリズムを取るような感覚で、細かい譜割りには気を取られず一気に弾いて小節の最後で帳尻を合わせるようにしてください。
ちなみにここの部分はBマイナーペンタトニックスケールですが、Paul GilbertやGathrie Govanもよく使う、テクニカル系フレーズの常套句的(じょうとうくてき)なポジションなので覚えておいて損はないと思います。
最後に
「エイトフィンガー」と名前がついていますが必ずしも左右の手4本ずつ計8本の指を使うわけではなく、「左手複数指+右手複数指でレガートを弾く」奏法を広く指すようになっています。
ただ現代的なテクニカルプレイではピックを握ったまま右手中指・薬指でタッピングをする場合もありますが、これはエイトフィンガータッピングとは呼ばず単にタッピングと定義されてるようです。
違いとしては、エイトフィンガータッピングは「右手人差し指+他の指も使う」ことと、「ネックの上から垂直に右手を下すフォームで弾く」組み合わせなのかなと思いますが、厳密な線引きはなさそうです。
とにかく見た目のインパクトが大なのでぜひご自身のプレイにも取り入れてみてください!
ライタープロフィール
ギタリスト
木村洋平
1986年生まれ。
岩手県出身。
14歳からギターを始めアマチュアとしての活動を続けており、 現在は本業と並行して作曲・レコーディングの仕事や、自身の楽曲制作・動画の投稿などの音楽活動を行っている。
誌面やネットを通した海外のギターコンテスト等での入賞実績もある。
YouTubeチャンネルの累計再生数は300万回以上。
2016年現在までに、ギターインストアルバムを4枚(CD&配信)リリースしている。
ヤングギター誌上コンテスト「ヌーノに挑戦!
Jamming with Nuno 2016」でグランプリを受賞。
ウェブサイト:http://yoppeguitar.jimdo.com
Twitter:yoppe0131
Facebook:poteto.yaochushi

