【グリーグのピアノ曲】ノルウェーを愛した作曲家による美しい作品たち
母国ノルウェーを愛し、ノルウェーの民族音楽から着想を得て数々の作品を生み出した国民楽派の作曲家、エドヴァルド・グリーグ。
北欧の美しい山々を思い起こさせるような美しいメロディや、あたかもその物語が目の前で繰り広げられているかのような独特な世界観で、この世を去ってから100年以上が経過した現在でも、多くのクラシック愛好家や演奏者を魅了し続けています。
本記事では、そんなグリーグの作品のなかから、ピアノのために書かれた作品や作曲家自身がピアノ用に編曲し発表している作品をピックアップ!
作曲の背景とともにご紹介します!
【グリーグのピアノ曲】ノルウェーを愛した作曲家による美しい作品たち
ペール・ギュント 第1組曲 Op.46 第4曲「山の魔王の宮殿にて」Edvard Grieg

母国ノルウェーを愛し、ノルウェーの民族音楽から着想を得て数々の作品を生み出した国民楽派の作曲家、エドヴァルド・グリーグ。
代表作『ペール・ギュント』のなかの1曲『山の魔王の宮殿にて』は、静かでゆっくりと始まる主題が次第にスピードと音量を増していく構造が印象的な作品です。
主人公ペールが出会った脅威に満ちた場面を、力強いピアノの音色で表現しているこの曲は、発表会やコンサートの曲目としてだけでなく、テレビCMや映画のBGMとしても使用され、幅広く親しまれています。
抒情小曲集 第3集 Op.43 第1曲「蝶々」Edvard Grieg

北欧ノルウェーの作曲家、エドヴァルド・グリーグの作品の中でも特に人気が高いのが、全66曲からなるピアノ小品集『抒情小曲集』です。
10集に分かれて出版されたこの曲集には、グリーグの音楽的才能とノルウェーの文化的背景が色濃く反映されています。
第3集に収録されている『蝶々』は、軽やかで繊細なメロディが印象的。
まるで蝶が舞うような美しさと春の生命感が感じられ、聴く者の想像力を豊かに刺激します。
グリーグ自身の演奏録音も残されているこの曲は、気品ある響きとともに彼の音楽観をも伝えてくれるでしょう。
詩的な音の絵 Op.3 第5曲Edvard Grieg

ノルウェーの作曲家、エドヴァルド・グリーグの『詩的な音の絵 Op.3』は、彼が21歳の時に発表した若さあふれる感性と圧倒的な才能が光るピアノ曲集。
明るく穏やかな曲調が特徴的な第5曲は、ロマンティックで叙情的な旋律が印象的な作品です。
グリーグならではの豊かな表現力とピアニスティックな書法は、ピアノを学ぶ人にとって大変勉強になるはず。
ピアノの練習曲としてだけでなく、音楽の楽しさや美しさを味わえる1曲として、ぜひ演奏してみてください。
ホルベルク組曲(ホルベアの時代より)Op.40 第1曲「前奏曲」Edvard Grieg

エドヴァルド・グリーグが1884年に作曲した『ホルベルク組曲』。
『組曲「ホルベアの時代より」』のタイトルでも知られるこちらの曲集は、バロック時代の組曲のスタイルに習って作られており、第1曲目の『前奏曲』にもバッハの『平均律クラヴィーア曲集』のような高貴な雰囲気が感じられます。
細かい音符を正確に演奏するためには、指先への意識やテクニック練習が必須。
部分的に取り出しながら丁寧に練習し、粒がそろった美しい演奏を発表会で披露しましょう!
ピアノソナタ ホ短調 Op.7 第1楽章Edvard Grieg

エドヴァルド・グリーグが22歳のときに作曲した『ピアノソナタ ホ短調 Op.7』は、グリーグ唯一のピアノソナタであり、初期の意欲的な試みが詰まった作品です。
第1楽章では自身のイニシャル「E.H.G」を用いてメロディを開始するなど独自の技法が見られ、メロディが1オクターヴを超える音域で下降することでダイナミックな印象を与えています。
民族音楽的な特徴こそ強くありませんが、後の彼の作品へとつながる音楽的特徴が随所に感じられる1曲です。
おわりに
北欧の清らかさや、北欧デザインから連想されるようなほっこり温かみのある雰囲気をたたえたグリーグのピアノ作品をご紹介しました!
聴いているだけでも癒やされますが、弾くことでメロディの美しさやハーモニーの心地よさをより深く感じられるはず。
ぜひ、グリーグの世界を実際に演奏して、体感してみてくださいね!