【楽劇王】リヒャルト・ワーグナーが遺したピアノ曲を一挙紹介!
『タンホイザー』をはじめとする壮大な作品の数々を手掛け、ロマン派オペラの頂点を極めたドイツの作曲家、リヒャルト・ワーグナー。
楽劇の創始者であり「楽劇王」とも称されることから、オペラや楽劇などが注目されがちなワーグナーですが、実はピアノ小品も少なからず残していることをご存じでしたか?
本記事では、そんな彼のピアノ曲の中から、現在でも時折演奏されている作品をピックアップしました。
「楽劇王が手掛けたピアノ曲ということは、やはりドラマチックで壮大な曲調!?」と思いきや、意外にも素朴で穏やかな作品ばかり。
ぜひ、そのギャップもお楽しみください!
【楽劇王】リヒャルト・ワーグナーが遺したピアノ曲を一挙紹介!(1〜10)
ポロネーズ ニ長調 Op.2 WWV 23bRichard Wagner

若きリヒャルト・ワーグナーが1831年に作曲した『ポロネーズ ニ長調 Op.2 WWV 23b』は、彼の初期作品の魅力を凝縮した秀作。
この曲は、伝統的なポロネーズの形式を受け継ぎながらも、ワーグナー独自の音楽的表現が光るピアノ4手のための作品です。
オペラ作品で知られるワーグナーですが、このピアノ曲を通じて彼の音楽的多様性とクラシカルな美が感じられます。
動きのあるリズムと華麗な旋律は、ともに演奏する仲間や観客を魅了するでしょう。
ピアノが好きな方、そしてワーグナーの新しい一面を発見したい方にオススメです!
幻想曲 嬰へ短調 Op.3 WWV22Richard Wagner

ドイツのロマン派を象徴する作曲家リヒャルト・ワーグナーは、主にその洗練されたオペラ作品で知られていますが、ピアノ曲『幻想曲 嬰へ短調 Op.3 WWV22』においてはまた異なる一面を見せてくれます。
1831年に作曲され、長い年月を経て1905年にようやく出版されたこの作品は、ワーグナーの豊かな音楽的才能が垣間見えるピアノ作品です。
この曲は、繊細で穏やかな曲調が多くを占め、ワーグナー作品特有の情熱的な音楽性とは一線を画します。
ピアノを愛する方々や、ワーグナーのもう一つの側面に触れたい方にぜひ聴いていただきたいですね!
E.B.キーツのためのアルバムの綴り WWV 64Richard Wagner

リヒャルト・ワーグナーの絶え間ない探求心を映し出す貴重なピアノ曲、『E.B.キーツのためのアルバムの綴り WWV 64』。
1840年、ワーグナーがエルンスト・ベネディクト・キーツへの友情を込めて作曲したこの作品は、彼のオペラが持つ壮大さとは対照的に、落ち着いた情感と純粋な美しさをたたえています。
ワーグナーがエピソードや豊かなドラマを抜きにして紡ぎ出したメロディーは、友情や個人的な感情の深さを静かに語りかけます。
この曲は、細やかな感情を表現する洗練されたピアノ奏者、またはワーグナーの異なる一面を発見したいリスナーに特にオススメです!
エレジー 変イ長調 WWV 93Richard Wagner

ドイツの革新的な作曲家、リヒャルト・ワーグナーが残したピアノ小品『エレジー 変イ長調 WWV 93』は、彼の広範な作品群の中でもひときわ独特な魅力を放ちます。
素朴で穏やかなこのピアノ曲は、彼の楽劇『トリスタンとイゾルデ』の和声言語と類似しており、ワーグナーの音楽的深淵を掘り下げる上で貴重な存在といえるでしょう。
壮大なオペラからは想像もつかないような、この短く感動的な旋律は、静寂の中でこそその真価を発揮します。
リラックスしたい時や自己省察の瞬間、さらにはクラシック音楽への入門作としてもオススメです。
チューリヒのフィールリープヒェン WWV88Richard Wagner

『チューリヒのフィールリープヒェン WWV88』は、素朴で穏やかな魅力にあふれたピアノ作品です。
リヒャルト・ワーグナーがスイスのチューリヒで過ごした亡命期に作曲されたこの曲は、ロマンティックなワルツであり、その演奏時間はわずか約1分10秒と短いながらも深い感動を与えます。
彼が手掛けた楽劇とのギャップを楽しむなら、この作品はイチオシ!
ピアノを愛する者なら、その繊細なメロディに触れ、ワーグナーの異なる一面を感じ取ることができるでしょう。
ピアノソナタ 変ロ長調 WWV 1 Op.1Richard Wagner

リヒャルト・ワーグナーの『ピアノソナタ 変ロ長調 WWV 1 Op.1』は、その華やかな楽劇やオペラとは一線を画す穏やかで素朴な響きを持つ作品です。
1831年、わずか18歳で作曲されたこの作品は、ワーグナーがまだ音楽の道を切り開こうとしていた初期の才能を垣間見ることができます。
技巧を競うような見せ場は少ないものの、彼の音楽的根底に流れる表現の豊かさと情熱が、細やかな旋律線の中に息づいています。
若きワーグナーの才能が、さまざまな音楽的探求の初歩を刻んだこの曲は、後に彼が創り出す楽劇の壮大な世界とはまた違った魅力を持ち、ピアノ愛好家はもちろん、ワーグナーの音楽を新たな角度から味わいたい方にもオススメです。
黒鳥館への到着(アルバムの綴り)WWV 95Richard Wagner

リヒャルト・ワーグナーの『黒鳥館への到着 WWV 95』は、どこか神秘的でロマンティックな情景を思い起こさせます。
1861年に作曲されたこの作品は、ワーグナーの大規模なオペラとは一線を画す、穏やかで優雅な一面を見せてくれますが、その根底には彼の音楽に通底する情熱やドラマチックな要素が垣間見えます。
クラシック音楽愛好家はもちろん、ピアノ曲の魅力をこれから探していく方にもオススメしたい、寂しげながらも、どこか温もりを感じさせる美しい1曲です。





