『タンホイザー』をはじめとする壮大な作品の数々を手掛け、ロマン派オペラの頂点を極めたドイツの作曲家、リヒャルト・ワーグナー。
楽劇の創始者であり「楽劇王」とも称されることから、オペラや楽劇などが注目されがちなワーグナーですが、実はピアノ小品も少なからず残していることをご存じでしたか?
本記事では、そんな彼のピアノ曲の中から、現在でも時折演奏されている作品をピックアップしました。
「楽劇王が手掛けたピアノ曲ということは、やはりドラマチックで壮大な曲調!?」と思いきや、意外にも素朴で穏やかな作品ばかり。
ぜひ、そのギャップもお楽しみください!
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【楽劇王】リヒャルト・ワーグナーが遺したピアノ曲を一挙紹介!
幻想曲 嬰へ短調 Op.3 WWV22Richard Wagner

ドイツのロマン派を象徴する作曲家リヒャルト・ワーグナーは、主にその洗練されたオペラ作品で知られていますが、ピアノ曲『幻想曲 嬰へ短調 Op.3 WWV22』においてはまた異なる一面を見せてくれます。
1831年に作曲され、長い年月を経て1905年にようやく出版されたこの作品は、ワーグナーの豊かな音楽的才能が垣間見えるピアノ作品です。
この曲は、繊細で穏やかな曲調が多くを占め、ワーグナー作品特有の情熱的な音楽性とは一線を画します。
ピアノを愛する方々や、ワーグナーのもう一つの側面に触れたい方にぜひ聴いていただきたいですね!
M(メッテルニヒ)公爵夫人のアルバムに ハ長調 WWV94Richard Wagner

リヒャルト・ワーグナー、オペラや楽劇で名をはせる彼ですが、『M(メッテルニヒ)公爵夫人のアルバムに ハ長調 WWV94』では、別の側面を見せています。
このピアノ曲は、1861年に作曲され約10年後に出版された作品で、パリでの『タンホイザー』上演をサポートしてくれたメッテルニヒ侯爵夫人にささげられました。
芸術性の高さだけでなく、感謝や敬意といった人間的な感情を強く感じさせる本作は、ワーグナーの音楽を深く知りたい方、または普段ピアノ曲を聴かない方にもぜひオススメしたい、美しく心温まる曲です。
エレジー 変イ長調 WWV 93Richard Wagner

ドイツの革新的な作曲家、リヒャルト・ワーグナーが残したピアノ小品『エレジー 変イ長調 WWV 93』は、彼の広範な作品群の中でもひときわ独特な魅力を放ちます。
素朴で穏やかなこのピアノ曲は、彼の楽劇『トリスタンとイゾルデ』の和声言語と類似しており、ワーグナーの音楽的深淵を掘り下げる上で貴重な存在といえるでしょう。
壮大なオペラからは想像もつかないような、この短く感動的な旋律は、静寂の中でこそその真価を発揮します。
リラックスしたい時や自己省察の瞬間、さらにはクラシック音楽への入門作としてもオススメです。
E.B.キーツのためのアルバムの綴り WWV 64Richard Wagner

リヒャルト・ワーグナーの絶え間ない探求心を映し出す貴重なピアノ曲、『E.B.キーツのためのアルバムの綴り WWV 64』。
1840年、ワーグナーがエルンスト・ベネディクト・キーツへの友情を込めて作曲したこの作品は、彼のオペラが持つ壮大さとは対照的に、落ち着いた情感と純粋な美しさをたたえています。
ワーグナーがエピソードや豊かなドラマを抜きにして紡ぎ出したメロディーは、友情や個人的な感情の深さを静かに語りかけます。
この曲は、細やかな感情を表現する洗練されたピアノ奏者、またはワーグナーの異なる一面を発見したいリスナーに特にオススメです!
ピアノソナタ 変イ長調 WWV 85Richard Wagner

ロマン派音楽の巨匠、リヒャルト・ワーグナーが作曲した『ピアノソナタ 変イ長調 WWV 85』は、多くの人が知る彼の楽劇やオペラ作品とは一線を画す、繊細な美しさを持ったピアノ曲です。
この作品は、彼がマティルデ・ヴェーゼンドンクへの深い感情を込めて作曲したことが知られています。
そんなバックストーリーは、曲の穏やかでありながらも情熱的な部分を一層引き立てます。
ピアノを愛するすべての方、特に古典音楽やロマン派音楽に興味がある方にオススメします。
彼のドラマチックな楽劇の世界とは異なる、ピアノによる静かな語りべをぜひ体験してみてください。