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【ピアノ楽譜】左手だけで弾けちゃう!初級向け~超上級まで厳選

ピアノを両手で演奏する際「左手がなかなか思うように動かない」「そもそもヘ音譜表の音符を読むのが苦手……」と悩む方は少なくないはず。

それならば、あえて左手のみを使う曲で特訓してみませんか?

本記事では、初級~超上級まで、さまざまな難易度の左手だけで演奏可能な楽曲ピックアップ!

ダウンロードやインターネットで購入可能な楽譜とともに紹介します。

「ヘ音譜表をすらすら読めるようになりたい」「左手をもっと自由に動かせるようになりたい」など、ご自身の目的に合った曲で、苦手な左手を克服してみませんか?

【ピアノ楽譜】左手だけで弾けちゃう!初級向け~超上級まで厳選(1〜10)

3つの聖歌 第1曲 「アヴェ・マリア(カッチーニ)」)吉松隆

『カッチーニのアヴェ・マリア』といえば『シューベルトのアヴェマリア』や『グノーのアヴェマリア』と並んで「3大アヴェマリア」とも称される有名曲ですよね。

実は本当の作曲家は旧ソ連の作曲家、ウラディーミル・ヴァヴィロフとのことなのですが、本稿では世間一般的に知られているこちらの『カッチーニのアヴェ・マリア』として話を進めましょう。

どこか切なく物悲しくも美しいメロディはピアノアレンジとしても親しまれていますが、日本が世界に誇る左手のピアニスト、舘野泉さんの依頼で著名な作曲家兼編曲家の吉松隆さんが左手演奏用に『3つの聖歌~左手のための アヴェマリア』としてアレンジした楽譜が存在しています。

舘野さんの演奏はとても片手だけで弾いているとは思えないほどの表現力や技術があってこそ成立するものですが、左手の動きや表現力をさらにレベルアップさせたいという方は、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。

夢詠み…紀行吉松隆

NHK 大河ドラマ {平清盛} より {夢詠み}・・・紀行 ピアノ演奏
夢詠み…紀行吉松隆

オーケストラから邦楽、映画音楽など幅広い分野で活躍する日本の作曲家、吉松隆さん。

プログレッシブロック好きとしても知られており、2009年にはあのエマーソン・レイク・アンド・パーマーによる名作『タルカス』をオーケストラに編曲した『タルカス〜クラシックmeetsロック』を発表したことでも話題を集めましたよね。

そんな吉田さんが手掛けた大河ドラマ『平清盛』のサウンドトラックの中から、今回は哀愁を帯びた旋律が美しい『夢詠み…紀行』を紹介しています。

実はこの曲、左手だけでアレンジしたバージョンの楽譜が存在するのです。

ゆったりとしたワルツのリズムで音数もそれほど多いものではないですから、中級に手が届きそうというレベルの方であれば左手の練習として挑戦してみるのもいいかもしれません。

2つの左手のための小品 Op.9 第2曲 ノクターンAlexander Scriabin

右手はそれなりに細かい音符でもスムーズに弾けるけど、左手が自由に動いてくれない……そんな悩みを抱えている方にぜひ挑戦していただきたいのがこちらの『2つの左手のための小品』です。

ロシアの作曲家兼ピアニスト、アレクサンドル・スクリャービンによる作品で、彼自身の手が小さめでピアニストとしてはハンデを背負っていたからこそ生まれた楽曲なのですね。

こちらの『2つの左手のための小品』の第2番『夜想曲』は「左手のコサック」とも称される独自のピアノ書法を駆使して、幅広い音域を自在に行き来する美しくもどこか切ない旋律は左手だけで表現しているとは思えないほど。

この曲を練習することで、間違いなく左手のピアノの表現力が格段に上がりますよ。

きらきら星Wolfgang Amadeus Mozart

きらきら星変奏曲/モーツァルト/Variations on “Ah, vous dirai-je, Maman” K.265/Mozart/Piano/ピアノ/CANACANA
きらきら星Wolfgang Amadeus Mozart

日本人好みのどこかノスタルジックなメロディに思わず心も和む、誰もが知っている『きらきら星』。

日本の童謡と勘違いされている方がいてもおかしくないですが、実は原曲は18世紀のフランスで生まれたシャンソンで、英語詩による替え歌が童謡として世界的に広まったという経緯があるのですね。

シンプルな旋律ですから、ピアノを習い始めたばかりの小さなお子さまが弾く曲としても親しまれていますし、左手だけで弾けるアレンジの楽譜も販売されていますよ。

大人になってからのピアノのやり直しに挑戦している方も、左手が苦手という方はまずはこの曲から弾いてみるのもよさそうですね!

左手のためのシャコンヌBach=Brahms

左手のみ、という制約があればこその抑制された美を表現しているこちらの『左手のためのシャコンヌ』が生まれた背景には、とても興味深いエピソードが存在します。

ヨハン・ゼバスティアン・バッハによる無伴奏バイオリンの名曲『シャコンヌ』をヨハネス・ブラームスがピアノ曲として編曲したものなのですが、ロベルト・シューマンの妻でありピアニストとして活躍していたクララ・シューマンが怪我で右手が使えない時期に、彼女に捧げるべく作曲されたのが『左手のシャコンヌ』なのですね。

もともとがバイオリン一本という最小限のスタイルで演奏されるものですから、左手だけで弾くという制限を設けたアレンジは原曲に対するリスペクトも感じさせますよね。

音域の幅広い跳躍などもなく中音域を軸として構成された旋律のため、なぞるだけであれば比較的難易度は低いと言えそうですね。

左手の表現力を身につけたい方は、ぜひ挑戦してみてください。