文豪の名言。魅力的な作品をつづる文豪からのメッセージ
読む人の心をトリコにする数々の作品を生み出してきた文豪たち。
言葉をたくみに操る彼らは、作品以外にも多くの言葉を残しています。
そこでこの記事では、文豪たちが発言した名言を紹介します。
人々に大きな影響を及ぼすような作品を生み出した方、教科書にも作品が掲載されるような方、マンガのキャラクターとしても描かれている方など、さまざまな文豪が発言した言葉をピックアップしました。
作品とはまた違った、文豪たちがつむぎだす言葉の世界をぜひ堪能してみてくださいね。
もくじ
- 文豪の名言。魅力的な作品をつづる文豪からのメッセージ
- 笑われて、笑われて、つよくなる太宰治
- 人生は何事もなさぬにはあまりに長いが、何事かをなすにはあまりに短い中島敦
- 人の光を借りて我が光を増さんと欲する勿れ森鴎外
- 誰にもかれにも、同じ時間が流れていると思うのはまちがいだ川端康成
- 恋とは尊くあさましく無残なもの也。樋口一葉
- 恋は多く人生の苦痛を包むオブラートなり。国木田独歩
- 自分を熱愛し、自分を大切にせよ志賀直哉
- 精神的に向上心がないものは馬鹿だ夏目漱石
- 人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うのはばかばかしい。しかし重大に扱わなければ危険である芥川龍之介
- 人生のどんな隅にも、どんなつまらなそうな境遇にも、やっぱり望みはあるのだ。菊池寛
- 人生はつくるものだ。 必然の姿などというものはない坂口安吾
- 愛するということにかけては、女性こそ専門家で、男性は永遠の素人である三島由紀夫
- この世にあるもので一つとして過ぎ去らないものは無い。せめてその中で誠を残したい。島崎藤村
- 闇があるから光がある。そして闇から出てきた人こそ、一番本当に光のありがたさが分かるんだ小林多喜二
- 創造は過去と現在とを材料としながら新しい未来を発明する能力です与謝野晶子
- 誰だって、本当に良い事をしたら、いちばん幸せなんだねぇ宮沢賢治
- 人生と言うものは、思わぬ時に道がひらけたり、閉じたりするものだ武者小路実篤
- 信ずる理由があるから信じているのではなくて、信じたいから信じているのだ。二葉亭四迷
- 人生というものは、かっきり切りのつくものじゃないのだ。葉山嘉樹
- 神は人間に孤独を与えた。然も同等に人間に孤独ではいられない性質も与えた。佐藤春夫
- 人の幸福の第一は家内の平和だ。家内の平和は何か。夫婦が互いに深く愛するというほかはない。尾崎紅葉
- 大きな成功を遂げた人は失敗を人のせいにするのではなく自分のせいにするという傾向が強い。幸田露伴
- 人は生きねばならぬ。生きるためには戦わねばならぬ。名は揚げねばならぬ。金はもうけねばならぬ。命がけの勝負はしなければならぬ。徳冨蘆花
- 程よい怠けは生活に風味を添える。梶井基次郎
- 完全なる愛は「無我」のまたの名なり泉鏡花
- 人間元来一人で生まれて一人で死んでいくのである。大勢の中に混じっていたからって孤独になるのは、わかりきったことだ。田山花袋
- どんな人間でも、大概一生に一度はその人間に相応した華々しい時期と云うものがある。谷崎潤一郎
- 芸術家はざらに生まれるものではないから、それを粗末にあつかってはいけない井伏鱒二
- 都会の生活は非人情であり、そしてそれ故に、遙かに奥床しい高貴の道徳に適っている萩原朔太郎
- 自覚さえすればどんな生活にだって深い意味が出来る。永井荷風
文豪の名言。魅力的な作品をつづる文豪からのメッセージ(1〜20)
笑われて、笑われて、つよくなる太宰治

人間の弱さや孤独、葛藤を描いた作品で知られる日本文学を代表する作家、太宰治。
『人間失格』や『斜陽』など数多くの著作を残した彼は、失敗や批判を恐れずそれらを受け入れることで成長していくことの大切さを伝えています。
誰かに批判されたり、つらい経験をするたびに自分と向き合って強くなることを教えてくれるでしょう。
彼の作品の登場人物や作家性からもメッセージの深みが伝わります。
挫折や挑戦に直面している人々に、自分を変えるきっかけを与えてくれる名言です。
人生は何事もなさぬにはあまりに長いが、何事かをなすにはあまりに短い中島敦

何もせずダラダラと過ごす1日と好きなことを目一杯楽しむ1日、同じ24時間なのに体感する時の流れの速さが異なると実感したことがある方は多いのではないでしょうか?
そんなことを言葉にしたのが『山月記』の著者として知られる作家の中島敦さんです。
彼は、何も成し遂げなければ人生は長すぎるし、何かを成し遂げるには短すぎると言い表しました。
やりたいことや達成したい目標を立てて取り組めば、あれもこれもと次々とやらなければいけないことが出てくるはず。
そんな風にあっという間に過ぎてしまうような充実した人生を送りたいですね。
人の光を借りて我が光を増さんと欲する勿れ森鴎外

「虎の威を借る狐」ということわざがありますが、そんな風になってはいけないとあらためて教えてくれるのがこの言葉。
発言の主は『舞姫』の作者として知られる小説家の森鴎外さんです。
「人の光」、つまり他人の権力や能力を借りて、「我が光を増す」、自分をよく見せようとしてはいけないということなんですね。
自分をアピールするためには自分の力だけでアピールしないといけない、当たり前のことですが、忘れてはいけない大切なことですね。
誰にもかれにも、同じ時間が流れていると思うのはまちがいだ川端康成

日本人初のノーベル文学賞受賞者である川端康成は、日本の伝統美や感情の動きを描いた作家です。
彼の言葉が示すのは時間や感覚が人それぞれ異なることを理解し、他者を尊重することの大切さです。
彼の作品には、登場人物が異なる価値観や時間の流れを体験する様子が細やかに描かれています。
他者との違いを受け入れることで、新たな視点を得るきっかけになることを教えてくれるメッセージです。
この言葉は多様性を理解し、共感を深めるヒントとして現代人の心にも響くでしょう。
恋とは尊くあさましく無残なもの也。樋口一葉

明治時代に小説家として活躍した樋口一葉は、『たけくらべ』などの作品を残したほか、五千円札の肖像画になったことでも知られていますよね。
そんな女性作家として数々の作品を残した作家による、恋とはどのようなものかという考え方を示した言葉です。
尊いものや美しいものとして語られることも多い恋ですが、ときにはあさましい展開や、無残な結末をむかえる可能性もあるのだと語りかけています。
恋心を燃え上がらせる中でも、悪い展開につながらないように、冷静な目線を持つことも大切かもしれないと考えさせられる名言ですね。
恋は多く人生の苦痛を包むオブラートなり。国木田独歩

小説家としてだけでなくジャーナリストとしても活躍した国木田独歩は、雑誌『婦人画報』を創刊した経歴でも知られています。
そんな文字で伝えるということに尽力した人物が残した、恋がどれほどやさしいものなのかを表現した言葉です。
恋があれば人生における苦しみも軽減される、恋心こそが困難を乗りこえるための力になるのだということを伝えています。
痛みを包み込むやさしさを伝えつつ、痛みを感じなくなることへのリスクも描いているような印象ですね。