【モンポウのピアノ曲】内気な作曲家が手掛けた癒やしの名曲を紹介
1893年にカタルーニャ人の父とフランス人の母の間に生まれたフェデリコ・モンポウ。
おばからピアノの手ほどきを受け15歳で初の公開演奏を行うも、極端に内気な性格であったことから演奏家としての道を断念し、その生涯を作曲にささげた彼は、第一次世界大戦に翻ろうされながらも、94歳で亡くなるまでの長きにわたって創作活動を続けました。
本記事では、そんなモンポウの作品のなかでも重要な位置を占めるピアノ独奏曲をとりあげ、作曲の背景や演奏動画とともにご紹介していきます。
- 切なく美しい!おすすめのピアノ曲まとめ
- 【フォーレ】難易度低め!フランス音楽の巨匠が手掛けたおすすめのピアノ曲
- 【プーランクのピアノ曲】エスプリの作曲家が手掛けた名曲を厳選
- 【デュティユーのピアノ曲】20世紀後半のフランスを代表する作曲家による名作
- 【メシアンのピアノ曲】優れた色彩感覚によって生まれた珠玉の作品たち
- 【イベールのピアノ曲】20世紀フランスの作曲家が手掛けた珠玉の名作
- 【モシュコフスキ―のピアノ曲】テクニック向上にも役立つ珠玉の名作
- 【ロドリーゴのピアノ曲】盲目の作曲家が遺したスペインの香り漂う名作
- 【上級者向け】ピアノ発表会で挑戦すべきクラシックの名曲を厳選
- 【リャードフのピアノ曲】怠け者の秀才が手掛けたピアニスティックな名作
- 【セヴラックのピアノ曲】ドビュッシーが認めた天才作曲家による名作
- 【ラモーのピアノ曲】バロック音楽の巨匠が遺したクラヴサン作品を厳選
- 【グラナドスのピアノ曲】スペインの香りただようロマンティックな名作
【モンポウのピアノ曲】内気な作曲家が手掛けた癒やしの名曲を紹介(1〜10)
内なる印象 第5曲「悲しい鳥」Federico Mompou

内向的で物静かな性格ゆえにピアニストの道を諦めざるを得なかったモンポウですが、その芸術家魂は生涯を通じて作曲活動に注がれ続けました。
彼の音楽は繊細でいて深い感情に満ちており、特に代表作の一つであるピアノ曲集『内なる印象』はそれを象徴する名曲といえるでしょう。
悲しみを抱えながら生きる小鳥のつぶやきを思わせる切なさに満ちた第5曲『悲しい鳥』は、あまりに静かすぎてほとんど聴き取れないようなところもありますが、じっくり聴き込むほどに繊細な音色が染み入ってきます。
悲しみに寄り添いたいとき、心を落ち着かせたいときに、ぜひ聴いていただきたい1曲です。
内なる印象 第8曲「秘めごと」Federico Mompou

20世紀を代表するカタルーニャ人作曲家、フェデリコ・モンポウ。
『内なる印象』は、極端に内気な性格から演奏家の道を断念し、その生涯を作曲にささげた彼の初期の代表作です。
第8曲『秘めごと』は、物憂げではかなげな雰囲気が印象的な1曲。
シンプルな響きの中に、作曲家の内面に秘められた思いがにじみ出ているような、静ひつでめい想的な曲想が特徴です。
穏やかでいて、どこか影を感じさせるような本曲は、心の奥底に眠る感情に寄り添ってくれるはずです。
ショパンの主題による変奏曲Federico Mompou

内気な性格ゆえにステージに立つことを断念せざるを得なかった作曲家、フェデリコ・モンポウの音楽に対する純粋な情熱が込められた『ショパンの主題による変奏曲』。
シンプルなテーマに12の変奏を重ねていくなかで、印象派の影響を受けた美しいハーモニーとカタルーニャの民俗音楽が絶妙に融合された本作は、聴く者を優雅な世界へと誘います。
繊細な音の織り成す美しい旋律が魅力的な、クラシック音楽を聴き慣れていない方にもおすすめしたい、感動的な作品です。
【モンポウのピアノ曲】内気な作曲家が手掛けた癒やしの名曲を紹介(11〜20)
風景 第1曲「泉と鐘」Federico Mompou

20世紀のスペインを代表する作曲家フェデリコ・モンポウ。
94歳で亡くなるまで創作活動に専念し、独自の音楽世界を確立した彼の作品の中でも重要な位置を占めるピアノ独奏曲『風景』は、1942年に20年ぶりの帰郷の地で着想を得た作品です。
第1曲『泉と鐘』は、哲学的な探求をテーマとしており、繊細でめい想的なサウンドが心を内側に向かわせ、静寂の中にある豊かさに気づかせてくれます。
美しいメロディを奏でながら深い思索へと誘う、モンポウこん身の名曲をぜひ堪能してみてください。
ひそやかな音楽 第1集 第1曲「天使のように」Federico Mompou

94歳で亡くなるまで精力的に創作活動を続けたフェデリコ・モンポウ。
その重要な作品の一つである『ひそやかな音楽』は、28の短い楽曲から成るピアノ独奏曲集です。
そのなかの1曲『天使のように』は、静寂と内省の雰囲気を醸し出す曲調と、まるで宝石のように磨き上げられた美しい旋律が印象的。
白鍵だけを使用した繊細な音色に、時折顔をのぞかせる奇妙な和声、それらが織りなす独特の世界観は、神秘的な詩にも通ずるものがあります。
ゆっくりと紡がれる音の流れに身を委ねれば、魂が浄化されるかのような安らぎを感じることでしょう。
前奏曲 第1番Federico Mompou

スペインのカタロニア生まれの作曲家兼ピアニスト、フェデリコ・モンポウ。
フランスの印象主義やサティ、フォーレらの影響を受けつつ、独自のシンプルで洗練されたスタイルを確立した彼は、ピアノ独奏曲において繊細な表現力を発揮し、数々の名作を遺しました。
全12曲から成る『前奏曲』の第1番は、即興的で内省的な美しさに包まれながら、バルセロナの海辺の情景を思わせるようなめい想的な音の中に、深い音楽的洞察が隠された深みのある作品。
静かに自己と対峙したいとき、心を落ち着けたいときにピッタリの1曲といえるでしょう。
パリ万博の思い出Federico Mompou

極度の内向性ゆえに、演奏家としての才能をあきらめ、作曲一筋に生きたスペインの作曲家フェデリコ・モンポウ。
『パリ万博の思い出』は、当時の先進的な発想や美的感覚を反映しつつ、万博のさまざまな側面を独自の視点で捉えた、モンポウならではの感性が光る秀作です。
万博の華やかなにぎわいのみならず、その裏に潜む人間の孤独や悲哀をも感じ取れる洞察力と表現力は、聴く者の想像力をかき立てずにはいられません。
内省的なピアニストはもちろん、心の琴線に触れる音楽をお探しの方にこそ、ぜひ味わっていただきたい1曲です。