【モンポウのピアノ曲】内気な作曲家が手掛けた癒やしの名曲を紹介
1893年にカタルーニャ人の父とフランス人の母の間に生まれたフェデリコ・モンポウ。
おばからピアノの手ほどきを受け15歳で初の公開演奏を行うも、極端に内気な性格であったことから演奏家としての道を断念し、その生涯を作曲にささげた彼は、第一次世界大戦に翻ろうされながらも、94歳で亡くなるまでの長きにわたって創作活動を続けました。
本記事では、そんなモンポウの作品のなかでも重要な位置を占めるピアノ独奏曲をとりあげ、作曲の背景や演奏動画とともにご紹介していきます。
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前奏曲 第1番Federico Mompou

スペインのカタロニア生まれの作曲家兼ピアニスト、フェデリコ・モンポウ。
フランスの印象主義やサティ、フォーレらの影響を受けつつ、独自のシンプルで洗練されたスタイルを確立した彼は、ピアノ独奏曲において繊細な表現力を発揮し、数々の名作を遺しました。
全12曲から成る『前奏曲』の第1番は、即興的で内省的な美しさに包まれながら、バルセロナの海辺の情景を思わせるようなめい想的な音の中に、深い音楽的洞察が隠された深みのある作品。
静かに自己と対峙したいとき、心を落ち着けたいときにピッタリの1曲といえるでしょう。
風景 第2曲「湖」Federico Mompou

内気な性格から演奏家の道を諦めた、スペイン出身の作曲家フェデリコ・モンポウ。
第一次世界大戦にほんろうされるなか、彼が1947年に作曲したピアノ曲『風景』は、カタルーニャ地方の美しい自然や風景に着想を得た作品です。
なかでも第2曲は、湖の静けさと美しさを見事に描写しています。
鐘の音を模した穏やかで夢見るような旋律に、聴く者は心洗われるでしょう。
ピアノの響きに身を委ねて、自分だけの風景を思い浮かべてみるのもオススメです。
ひそやかな音楽 第1集 第1曲「天使のように」Federico Mompou

94歳で亡くなるまで精力的に創作活動を続けたフェデリコ・モンポウ。
その重要な作品の一つである『ひそやかな音楽』は、28の短い楽曲から成るピアノ独奏曲集です。
そのなかの1曲『天使のように』は、静寂と内省の雰囲気を醸し出す曲調と、まるで宝石のように磨き上げられた美しい旋律が印象的。
白鍵だけを使用した繊細な音色に、時折顔をのぞかせる奇妙な和声、それらが織りなす独特の世界観は、神秘的な詩にも通ずるものがあります。
ゆっくりと紡がれる音の流れに身を委ねれば、魂が浄化されるかのような安らぎを感じることでしょう。
おわりに
繊細ななかにも内に秘めた強い想いを感じさせる、フェデリコ・モンポウのピアノ作品をご紹介しました。
モンポウはピアノ小品のほかに、ギターのための作品や管弦楽曲も手掛けています。
彼の世界観にもっと触れたいと思った方は、ぜひ聴いてみてくださいね!