なぜ電話に出ると声が高くなるのか?専門家に聞いてみた
「もしもし~?」
電話するときなぜか声が高くなりませんか?
みなさんも経験があるのではないでしょうか?
電話に出ると声が高くなる

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よそいきの声などいわれたりもしますが、なぜ声が高くなるのでしょうか?
その真相を探るべく、東京都渋谷区にある日本音響研究所に問い合わせてみました。
その理由
イントネーションを強くするため
「電話の音声は不明瞭なためイントネーションを人が極端に作り出すために、普段の声より高くしているのではないかと考えます」(日本音響研究所)
そうなんです。
一般的な電話で伝えることができる音域は限られており、周波数の範囲は約300Hz~3.4kHzの範囲内といわれています。
人の可聴音域周波数は20Hz~20kHzほどといわれているので、かなり狭めています。
ヒトの可聴周波数(可聴域)は20 Hzから2万 Hz(20 kHz)(ただし、ヒトの可聴域の上限は加齢と共に低下してゆく)とされており、純音(サイン波)であれば周波数が上がるにつれて音高も上がったように感じられる。
なぜあえて制限しているのかというと、1回線分の情報量はより少ないほうが効率がいいためです。
この範囲は人間の発声を「音」として伝えるには十分な範囲ですが、一方で人の発声に含まれる周波数は7kHz程度まであるといわれており、電話でもどうしてもこもってしまいます。
ですので、通常より少し高い音を発声することで、約300Hz~3.4kHzの範囲内に納まる倍音成分が増え、音がクリアに聞こえやすくなります。
そのため少しでも相手に伝えやすくするように、経験則として電話で話すときには自然と声が高くなっているのです。
はっきりした声を出すため
「もう一つは、電話で相手に声がはっきり伝わるように、通常の会話より大きい、はっきりした声を出すためといわれています。
声を大きくすることで高い成分が支配的になり、通常より高く聞こえます。」(日本音響研究所)
倍音とは、楽音の音高とされる周波数に対し、2以上の整数倍の周波数を持つ音の成分。
1倍の音、すなわち楽音の音高とされる成分を基音と呼ぶ。
参考:ピアノを使って倍音を感じる遊び
大きな声を出すと自然に高く聞こえます。
倍音豊富で響きが豊かな声にすることで抜けがよく「通る声」になります。
これも経験則で、自然に人がおこなう現象のようです。
若く見られるため
「あと女性の場合、男性より高い声が特徴ですが、年をとるにつれて声が低くなり、80歳ぐらいの段階では同年齢の男性と見分けがつかないぐらいになります。
本能的に少しでも若くみられるように、好印象にするために女性は高い声を意識して発声しているのではないかと考えます」(日本音響研究所)
一般に男性の声は低く、女性の声は高い。
また子供の声は男女とも高いとされ、成長に従って音高、フォルマントともに低下する。
また男性のほとんどは第二次性徴で急に低い声に変わる。
女性の場合も軽度であるが低くなる。
壮年期を過ぎると女性は低くなることがあり、男性はやや高くなることがある。
なるほど、これは電話だけではなく、日常の会話でも起こっている現象かもしれませんね。
最後に
以上のような理由で知らず知らずのうちに声は高くなっていたのですね。
少しでも参考になれば幸いです。
ライタープロフィール
スタジオラグ スタッフ
きんや
京都河原町三条に位置する、リハスタのスタッフです。
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