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【スクリャービンのピアノ曲】現代音楽の先駆者が遺した名曲を厳選

【スクリャービンのピアノ曲】現代音楽の先駆者が遺した名曲を厳選
最終更新:

1872年にロシアで生まれピアニスト兼作曲家として活躍した、20世紀現代音楽の先駆者アレクサンドル・スクリャービン。

幼い頃からピアノでの即興演奏を好み、楽才を発揮していた彼は、ソナタや練習曲、前奏曲をはじめとする数多くのピアノ作品を遺しました。

本記事では、そんなスクリャービンが手掛けた珠玉のピアノ作品をピックアップ!

小柄で手も小さかったことからピアニストとしての挫折も経験した彼が、その悔しさを胸に作曲した美しく情熱的な作品の数々をお楽しみください。

【スクリャービンのピアノ曲】現代音楽の先駆者が遺した名曲を厳選(1〜10)

12の練習曲 Op.8 第12番「悲愴」Alexander Scriabin

スクリャービン エチュード「悲愴」Op.8-12, Scriabin Etude “Pathetique”
12の練習曲 Op.8 第12番「悲愴」Alexander Scriabin

ロシアのピアニスト、作曲家であるアレクサンドル・スクリャービンが、フレデリック・ショパンの練習曲を意識して作曲したとされている『12の練習曲 Op.8』。

その最後を飾る第12曲目『悲愴』は、音域の広い分散和音や激しくかき鳴らされる右手のオクターブのメロディや両手での和音の連打など、高難度のテクニックを要する作品です。

『悲愴』と名の付く有名なクラシック曲は数多く存在しますが、練習曲と言えどもそれらに引けをとらないほどやり場のない怒りや深い悲しみが伝わってくる作品です。

ピアノソナタ 第2番 嬰ト短調 Op.19「 幻想ソナタ」Alexander Scriabin

第38回入賞者記念コンサート Jr.G級[銀賞] 太田糸音/スクリャービン:ピアノ・ソナタ 第2番 嬰ト短調 Op.19「 幻想ソナタ」
ピアノソナタ 第2番 嬰ト短調 Op.19「 幻想ソナタ」Alexander Scriabin

アレクサンドル・スクリャービンは、19世紀後半から20世紀初頭にかけてのロシアを代表する作曲家兼ピアニストです。

彼の音楽は、ショパンに影響を受けたロマン派スタイルから、次第に独自の印象主義的・神秘主義的スタイルへと進化していきました。

『幻想ソナタ』の通称で知られる『ピアノソナタ第2番 嬰ト短調 Op.19』は、1897年から1898年にかけて作曲された、スクリャービンのピアノソナタのなかでもとりわけ人気の高い傑作です。

第1楽章は静かな南国の夜の海岸を、第2楽章は嵐に荒れる大海原を描いており、特に第2楽章は非常に技巧的で聴衆を圧倒します。

若き日の忘れがたい体験が、豊かな感性によって見事に音楽に昇華されたこの曲は、ロマン派からモダンへと移行する過渡期の名曲として、今なお多くの人々を魅了し続けています。

ピアノ協奏曲 嬰ヘ短調 Op.20Alexander Scriabin

Alexander Scriabin – Piano Concerto in F sharp minor, Op. 20
ピアノ協奏曲 嬰ヘ短調 Op.20Alexander Scriabin

スクリャービンは、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したロシアの作曲家にして、ピアニストでもあります。

彼の名を知らなくとも、美しくも情熱的なメロディに心を奪われた方は多いのではないでしょうか。

彼の代表的なピアノ協奏曲『ピアノ協奏曲 嬰ヘ短調 Op.20』は、スクリャービン24歳の若さで書かれた彼の才能の結晶。

初期の作品でありながら、すでに彼独自の音楽性が色濃く反映されています。

全3楽章で構成され、詩情豊かな表現とヴィルトゥオーソ的な技巧が絶妙に組み合わさった秀作です。

ロマン派からインスピレーションを得つつ、革新的な作風にも挑戦した意欲作を、ぜひ味わってみてください。

幻想曲 ロ短調 Op.28Alexander Scriabin

『幻想曲 ロ短調 Op.28』は、後期ロマン派の作曲家アレクサンドル・スクリャービンの音楽的変遷を感じさせる作品です。

彼特有の美しい旋律と複雑な和声が織りなす情熱的な音楽世界は、リストやワーグナーをほうふつとさせるドラマチックな展開を見せます。

華麗なアルペジオや対位法的なテクスチャーなど、高度な演奏技術が求められるこの曲。

スクリャービンの英雄的な書法が詰まった名曲を、ぜひあなたの手で弾いてみてください。

24の前奏曲 Op.11 第1番Alexander Scriabin

スクリャービン/前奏曲第1番Op.11/演奏:エッカードシュタイン
24の前奏曲 Op.11 第1番Alexander Scriabin

19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したロシアの作曲家アレクサンドル・スクリャービン。

幼少期からピアノに親しみ、その才能を発揮した彼は、ロマン派の作風からより独創的な音楽言語へと発展させていきました。

『24の前奏曲 Op.11』は、そんな彼の初期作品の一つであり、ショパンの影響を感じさせつつも、スクリャービン独自の表現力が光る名曲集です。

各調による全24曲で構成されたこの作品は、どれもが短いながらに深い感情と高い技術を要求します。

なかでも第1番は、「Vivace」の指示通り、明るく活発な雰囲気を持ちながら、演奏者の感性を存分に発揮できる1曲。

ピアノを学ぶ上で避けて通れない練習曲でありながら、音楽的にも非常に魅力的なこの曲集は、上級者にぜひ取り組んでいただきたい作品です。