【邦楽】90年代の男性ソロ・アーティストのデビュー曲
アーティストのデビュー曲というのは、それぞれの初期衝動であったり意気込みであったり、さまざまな思惑が込められた貴重な証言ですよね。
後追い世代が長いキャリアを持ったアーティストのデビュー曲を聴いて驚いたり、または納得したり……音楽に限らず処女作でしか感じ取れないものがそこにあるのです。
本稿は、日本で最もCDが売れたJ-POP黄金期の90年代にデビューを果たした邦楽の男性ソロ・アーティストをテーマとして、彼らの記念すべきデビュー曲を紹介しています。
バンドからソロ活動を始めたアーティストも含めて、メガヒット曲や隠れた名曲など、デビュー曲ならではの魅力をお楽しみください!
【邦楽】90年代の男性ソロ・アーティストのデビュー曲(1〜10)
TRUE LOVE藤井フミヤ

7人組ロックバンド・チェッカーズのリードボーカルとしてデビューを果たし、バンド解散後もソロアーティストとして精力的に活動しているシンガーソングライター・藤井フミヤさんの2作目のシングル曲。
チェッカーズ在籍時にもソロとしてシングル『Mother’s Touch』を発表していますが、解散後の本格的なソロ楽曲として1993年11月10日に発表されました。
バンド時代とはまた違ったアコースティックギターによるシンプルなアレンジは、アーティストとしての原点回帰や再出発を感じさせますよね。
テレビドラマ『あすなろ白書』の主題歌に起用されたことから、世代であればノスタルジックな気分になるであろうデビュー曲です。
追憶の雨の中福山雅治

一般的に俳優のイメージが強いかもしれませんが、コンスタントなツアー開催など音楽面でも精力的に活動しているシンガーソングライター・福山雅治さんのデビューシングル曲。
当時、声帯にポリープができたことが原因で歌手としてのデビューが延期となり、俳優としてのデビューから遅れること1990年3月21日に発売されました。
疾走感のあるロックサウンドと、福山雅治さんのセクシーな低音ボイスのアンサンブルがクールですよね。
ミュージシャンとしての福山雅治さんをスタートさせた、印象的なナンバーです。
犬と猫中村一義

歌詞センスや卓越したポップ性に加え、デビュー当時からセルフプロデュースをおこなっていたことから「10年に一人の天才」と称されるほど音楽業界において高い評価を獲得したシンガーソングライター・中村一義さんのメジャーデビューシングル曲。
『ここにいる』との両A面シングルとして1997年1月22日に発売された楽曲で、ノスタルジックなアレンジとキャッチーなメロディーが中毒性を生み出していますよね。
独特の浮遊感の中にある確かな楽曲センスからは、唯一無二の存在感を感じる方も多いのではないでしょうか。
耳に残るフレーズや意味深な歌詞が印象的な、何度も繰り返し聴きたくなるナンバーです。
ヒットチャートをかけぬけろスガシカオ

東京経済大学を卒業し、制作会社に就職するも音楽の道に飛び込んだシンガーソングライター・スガシカオさんのデビューシングル曲。
1997年2月26日に発売された楽曲で、日産『ダットサンピックアップ』のCMソングとして起用されながらもスガシカオさんのシングルで唯一オリコンチャートへランクインしていない楽曲としても知られています。
エモーショナルなメロディーとアコースティックギターの繊細さが絶妙に融合し、いま聴いても古さを感じさせないクールさがテンションを上げてくれますよね。
16ビートの軽快さとキャッチーなメロディーが秀逸な、デビュー曲にして洗練されたナンバーです。
NG槇原敬之

代表曲『どんなときも』やSMAPへの提供曲『世界に一つだけの花』など、誰もが知る名曲を数多く世に送り出してきたシンガーソングライター・槇原敬之さんのデビューシングル曲。
1stアルバム『君が笑うとき君の胸が痛まないように』とともに1990年10月25日に発売された楽曲で、物憂げな空気感のイントロが印象的ですよね。
「タイトルどおり売上はNGだった」という本人談はありますが、槇原敬之さんらしい切ない世界観や優しいメロディーは、デビュー時からすでに確立されていたのを感じられるのではないでしょうか。
のちにJ-POPシーンを席巻する稀代のシンガーソングライターのスタートを飾った、隠れた名曲です。
独裁 -monopolize-T.M.Revolution

ビジュアル系バンド・Luis-Maryのボーカルとしてメジャーデビューを果たした西川貴教さんを、音楽プロデューサー・浅倉大介さんがプロデュースする形で発足されたソロプロジェクト・T.M.Revolutionのデビューシングル曲。
バラエティー番組『週刊スタミナ天国』のオープニングテーマに起用された楽曲で、パワフルな歌声や透明感のあるシンセサウンドなど、デビュー曲でありながらすでに完成された存在感を放っています。
また、発売された1996年5月13日が仏滅であることや、欧米では不吉とされている13日を選択しているところからも挑戦的なスタンスを感じさせますよね。
ソロアーティスト・西川貴教さんのスタートとなった、スリリングなナンバーです。
ラ・ブーム~だってMY BOOM IS ME~カジヒデキ

その爽やかで軽快な音楽性から「ミスター・スウェーデン」と呼ばれ、1990年代に流行した渋谷系と言われるムーブメントの中心的な存在となったシンガーソングライター・カジヒデキさんの1作目のシングル曲。
デビューミニアルバム『MUSCAT E.P.』の翌年である1997年1月6日に発売され、キユーピーハーフのCMソングとして起用されたナンバーです。
軽快なピアノに乗せた爽快感と浮遊感のあるメロディーは、まさにスウェディッシュポップを感じさせますよね。
カジヒデキさんの音楽性やメンタリティーが色濃く反映されている、休日に聴きたくなるナンバーです。