職人的なプレイヤーたちによる都会的で洗練されたアンサンブルと心地良いメロディ、大人の雰囲気を漂わせるサウンド……AORという音楽ジャンルにはそんなイメージがありますよね。
1970年代後半から1980年代にかけて全盛期を迎えたAORサウンドですが、実は「Adult-Oriented Rock」の略称で和製英語なのです。
ロックやフュージョンにソウルミュージックなど、さまざまなジャンルのアーティストやバンドのアルバムや曲が日本では「AOR」として人気だったりするのがおもしろいですね。
こちらの記事では、そんなAORを代表するアーティストならびにバンドをまとめてご紹介!
初心者の方もぜひチェックしてみてください。
【大人のロック】AORを代表するアーティスト・バンドまとめ(1〜10)
I.G.Y.Donald Fagen

スティーリー・ダンの創設メンバーとしても知られるアメリカ出身のミュージシャン、ドナルド・フェイゲンさん。
ドナルドさんといえば、緻密に作り込まれたポップなメロディと、ジャズやR&Bなどの要素を絶妙にブレンドした洗練されたAORサウンドが特徴的ですよね。
1981年にリリースされたソロデビューアルバム『The Nightfly』は100万枚以上のセールスを記録し、グラミー賞にもノミネートされるなど高い評価を受けました。
フェイゲンさんのスタイリッシュでどこか懐かしさも感じさせるサウンドは、大人の雰囲気漂うAORファンにぜひ聴いていただきたい1枚です。
LowdownBoz Scaggs

ボズ・スキャッグスさんは、アメリカ出身の職人肌のシンガーソングライター兼ギタリストです。
彼の音楽はポップやロック、R&B、ブルー・アイド・ソウル、ソフト・ロックなど幅広いジャンルにまたがる多才ぶりが持ち味ですね。
特に1970年代にリリースしたイノベーティブなホワイト・ソウル・ミュージックで最もよく知られています。
1976年のアルバム『Silk Degrees』は大ヒットを記録し、「It’s Over」や「Lowdown」などのキラーチューンを輩出。
その洗練されたサウンドは、都会的でアダルトな雰囲気漂うAORの代表格と言えるでしょう。
多様性に富んだスタイリッシュな音楽性は、大人のロックファンにこそオススメしたいですね。
AfricaTOTO

アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス発のロック・バンド、トト。
1976年の結成以来、アダルト・コンテンポラリーからアリーナ・ロック、AOR、ハードロック、ポップ・ロック、プログレッシブ・ロック、ソウルまで、実に幅広いジャンルを股にかけるサウンドで知られる存在です。
中でも4作目となるアルバム『TOTO IV』は全米でも大ヒットを記録し、『アフリカ』や『ロザーナ』といった楽曲は今なお愛され続ける不朽の名曲として知られていますね。
メンバーの入れ替わりなどを経ながらも、類まれなる演奏力とバンド・アンサンブルで聴く者を魅了し続けるその姿は、まさに大人のロックの王道と呼ぶにふさわしい存在です。
What You Won’t Do for LoveBobby Caldwell

ニューヨーク出身のシンガーソングライター、ボビー・コールドウェルさん。
1951年生まれ、2023年3月に71歳で亡くなるまで、ジャズ、R&B、ソウルなど幅広いジャンルで活躍しました。
1978年のデビュー曲『What You Won’t Do for Love』は全米チャートで大ヒットを記録。
日本でも「ミスターAOR」の異名を取り、1992年には第34回日本レコード大賞で最優秀外国アーティスト賞を受賞するほどの人気を誇りました。
都会的で洗練された大人の魅力あふれるサウンドは、AORファンのみならずさまざまな年代の音楽ファンにオススメです。
SailingChristopher Cross

1951年5月3日、テキサス州サンアントニオで生を受けたクリストファー・クロスさん。
1979年にリリースされたセルフタイトルのデビュー・アルバムは、日本では『南から来た男』の邦題でも知られ、大ヒットを記録しました。
そのアルバムからの代表曲『Sailing』は、クリストファーさんの澄んだハイトーン・ボイスが心地よく響きわたる名曲中の名曲。
1980年のグラミー賞では、なんと「最優秀レコード賞」「最優秀楽曲賞」など主要4部門を含む5部門を制覇するという快挙を成し遂げています。
都会的で洗練されたサウンドは、大人のAORファンにこそ聴いていただきたい逸品です。
AjaSteely Dan

クールな都会的サウンドと洗練されたポップ感覚、そして卓越した演奏テクニックでAORを牽引するスティーリー・ダンは、アメリカ出身のロック・バンド。
1971年にニューヨークで結成され、ロックにジャズ、ラテン音楽などさまざまなジャンルを融合した独自のサウンドを確立。
アルバム『Aja』などのヒット作を連発し、グラミー賞も獲得。
バンド名の由来となったウィリアム・バロウズの小説のタイトルのように、洒落たユーモアと皮肉に富んだ歌詞も特徴。
フェイゲンさんとベッカーさんという2人の盟友が紡ぎ出す音楽は、AORはもちろん、ロック全般が好きな方におすすめです!
Hard To Say I’m SorryCHICAGO

シカゴというバンド名を聞いて、真っ先に多くのヒット曲のメロディが浮かんでくる人も多いでしょう。
アメリカ・イリノイ州シカゴで1967年に結成された彼らは、ブラス・セクションを大胆に取り入れたサウンドで他のロック・バンドとは一線を画していました。
ジャズやソウル、R&Bなどの要素も感じさせる音楽性は、1970年代を中心に数多くの名曲を生み出しました。
代表曲『If You Leave Me Now』など、日本でもAORの金字塔的な作品を残したシカゴ。
通算100万枚以上のセールスを記録し、数々の記録と共にロックの殿堂入りも果たしているのです。
洗練された音づくりとキャッチーなメロディで、大人のリスナーの心をつかんで離さないバンドと言えるでしょう。