ハンガリーが生んだ20世紀前半における著名な作曲家にしてピアニスト、民族音楽研究科の顔も持つバルトーク・ベーラ。
幼いころからピアニストとして早熟な才能を発揮したバルトークは、20代以降に民族音楽の研究を始めたことで作曲家としての個性を確立していった存在です。
そういった経歴を持つバルトークはピアノ曲も多く残しており、ピアノ教育にも熱心だったそうですね。
こちらの記事では、そんなバルトークのピアノ曲をまとめています。
彼ならではのピアノ曲の名曲たちを、この機会にぜひお楽しみくださいね。
- 【現代曲】ピアノの不思議な響きに惹かれるクラシック作品を厳選!
- 【ドホナーニのピアノ曲】ハンガリーの秀才が手掛けた名曲を一挙紹介
- 【イベールのピアノ曲】20世紀フランスの作曲家が手掛けた珠玉の名作
- 【クラシック】アルペジオがかっこいいピアノ曲まとめ
- 【バーンスタインのピアノ曲】ストーリー性に富んだ華やかな名曲たち
- 後期ロマン派の巨匠~アントン・ブルックナーのピアノ曲まとめ
- 【ブルグミュラーのピアノ曲】定番から隠れた名曲まで一挙紹介!
- 【ヒナステラのピアノ曲】ラテンアメリカを代表する作曲家の名作を厳選
- 【ロマン派のピアノ曲】発表会や演奏会の人気曲・定番曲を厳選
- 【アルベニスのピアノ曲】情熱的なスペインの作曲家が遺した名曲を厳選
- 【モシュコフスキ―のピアノ曲】テクニック向上にも役立つ珠玉の名作
- 【ヤナーチェクのピアノ曲】民族の誇りを反映した珠玉の名作
- 【ストラヴィンスキーのピアノ曲】20世紀を代表する作曲家が手掛けた名曲
ハンガリー音楽の革新者~バルトーク・ベーラのピアノ曲まとめ(1〜10)
14のバガテル Op.6 BB 50 Sz 38Bartók Béla

20世紀の革新的な作曲家であるバルトーク・ベーラの1908年の作品、『14のバガテル Op.6 BB 50 Sz 38』。
この作品集は、バルトークが民族音楽への関心を深めつつある時期に作曲されており、ハンガリーやその他の地域の民謡の要素が巧みに取り入れられています。
全14曲から成るバガテルは、それぞれ独自の性格を持ちながらも、全体としてのまとまりを感じさせる佳作です。
印象主義的な影響を受けつつも、バルトーク独自の音楽性が色濃く反映された、アトナールな作風が魅力的。
彼の音楽的探求と革新性を感じられる、意欲作といえるでしょう。
クラシック音楽に造詣が深い方はもちろん、現代音楽に興味のある方にもおすすめの作品集です。
葬送行進曲 BB 31Bartók Béla

ハンガリーが生んだ20世紀を代表する作曲家、バルトーク・ベーラは幼少期からピアニストとして頭角を現しながら、民族音楽の研究を通じて独自の音楽性を確立していきました。
1903年に作曲されたバルトークの初期の交響詩『コシュート』の中の「葬送行進曲」は、彼の郷土愛と政治的信念を表した作品として知られています。
ハンガリーの独立運動の英雄ラヨシュ・コシュートに捧げられたこの曲は、リストやシュトラウスの影響も感じつつ、バルトーク独特の民族楽派の音楽を予感させる魅力的な作品に仕上がっています。
民族性豊かなハンガリーの響きに興味のある方におすすめの1曲です。
戸外にてBartók Béla

20世紀を代表するハンガリーの作曲家バルトーク。
その膨大な作品の中でも、多くの人を魅了し続けているのがピアノ曲集『戸外にて』です。
本作は、異国情緒溢れる5つの情景を音で巧みに描写。
印象的なリズムと響きが聴く者の想像力をかきたてます。
「太鼓と笛と」の力強さ、「バルカローレ」の優雅さ、「ムゼット」の鋭さ、「夜の音楽」の神秘性、「追走」の緊迫感。
バルトークならではの斬新な和声とピアニズムに彩られた名曲の数々は、西洋音楽とハンガリー民謡の見事な融合を果たしています。
独創性と芸術性の高さは、クラシック音楽ファンのみならず、あらゆる音楽愛好家を魅了するに違いありません。
15のハンガリーの農民の歌Bartók Béla

バルトーク・ベーラはピアニストとしての才能を発揮しながらも、ハンガリーやルーマニアなどの民謡研究を通して独自の作曲スタイルを確立していきました。
今回ご紹介するのは、バルトークが収集した民謡をもとに1914年から1918年にかけて作曲したピアノ組曲『15のハンガリーの農民の歌』。
全15曲から成るこの作品は、シンプルな主題をバルトーク独自のハーモニーで彩った、民謡の本質に迫る名曲揃いです。
悲しみに暮れる女性の物語を描いた「バラード」など、一つ一つの曲に込められた物語性にも注目。
繊細さと力強さを兼ね備えたタッチで、民謡のもつ豊かな表情を味わってみてはいかがでしょうか。
ソナチネ BB 69 Sz 55Bartók Béla

ハンガリーが生んだ20世紀の偉大な作曲家バルトーク・ベーラ。
幼少期からピアニストとして活躍し、後に民族音楽研究に没頭したことで知られています。
本作はバルトークがルーマニアの民謡に強く影響を受けて書き上げたピアノソロ曲で、バグパイプの音色や熊の鳴き声を模したユニークな楽曲になっているのが特徴的。
難易度は高くありませんから、独特の民族色あふれる旋律を存分に味わいながら演奏を楽しんでみてはいかがでしょうか。
音楽を通して異国情緒を感じてみたい方にもおすすめの一曲です。
ピアノ・ソナタ Sz.80Bartók Béla

ハンガリー出身のクラシック音楽の天才ベーラ・バルトーク。
彼は20世紀前半を代表する作曲家でありピアニスト、そして民俗音楽研究者という多彩な顔を持っていました。
彼の音楽家としての個性は、幼少期からの天賦の才に加え、20代から始めたハンガリー民謡の研究によって確立されていきました。
そんなバルトークが1926年、彼の創作活動における重要な時期「ピアノの年」に生み出したのが『ピアノ・ソナタ Sz.80』です。
この作品ではモダニズムの革新性と民俗音楽のリズムや旋律が融合し、バルトークならではのラジカルで独創的なスタイルが反映されています。
3つの楽章それぞれに、ユーモラスな歌のようなメロディや厳格な合唱のような書法、村の情景を思わせる賑やかな音楽が展開され、ピアノの可能性を追求した意欲作となっています。
クラシック音楽の新たな地平を切り開いたバルトークの真髄を、ぜひこの作品で味わってみてください。
スケルツォ(幻想曲)Bartók Béla

20世紀を代表する作曲家にして民俗音楽研究家でもあったバルトーク・ベーラ。
『スケルツォ(幻想曲)』は彼の初期作品の1つで、ロマンティックな色合いを帯びつつも、緊張感のあるリズムと民族音楽の影響が感じられます。
全3部から成るこの作品は、バルトークならではの調性感や複雑なリズム、オーケストレーションの妙技が随所に光っており、彼の音楽的探求と成熟の過程を如実に示す名曲。
クラシック音楽ファンなら一度は聴いておきたい、バルトークの独自性が際立つ重要な一作です。





