【ピアノ×暗い曲】悲しみにどっぷり浸れるクラシックの名曲
気分がすぐれずないとき、無理にポジティブになろうとするより、しばらくは悲しみに暮れていたいと思うことはありませんか?
感傷に浸りながら過ごすことで、悲しかった出来事を自分のなかで自然に消化でき、前向きになれることもありますよね。
今回は、そんな「悲しみにどっぷり浸りたい瞬間」に聴きたい、オススメのクラシック作品のなかから、暗い雰囲気のピアノ曲をご紹介します!
ただ暗いだけでなく、ピアノの繊細さや美しさも味わえる名曲ばかりですので、聴き終わる頃にはきっと心がいくぶん軽く感じられるはずです。
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【ピアノ×暗い曲】悲しみにどっぷり浸れるクラシックの名曲(1〜10)
ソナチネ 嬰ヘ短調 M. 40 2楽章 メヌエットMaurice Ravel

静かに心と向き合いたい時におすすめなのが、モーリス・ラヴェルのピアノ作品『Sonatine』に含まれる一曲です。
本作は、古典的なメヌエットの優雅な形式をとりながら、内に秘めた憂いと洗練された響きが溶け合う、とても美しい楽章です。
メロディを聴いていると、悲しみの中にも凛とした気品を保つ情景が目に浮かぶようですよ。
1975年にはこの曲を含む作品全体がバレエとして振り付けられたことでも知られ、その物語性は聴く人の想像力をかき立てます。
激しい感情ではなく、ピアノの繊細な音色に静かに身を委ねたい時に、きっと心に寄り添ってくれることでしょう。
練習曲「音の絵」 Op.39 第2番 イ短調 「海とかもめ」Sergei Rachmaninov

心に深く染み入る、少し物悲しめなピアノ曲をご紹介します。
セルゲイ・ラフマニノフが1916年から1917年に書いた、ある練習曲集の一曲です。
本作はオーケストラ版もあり、レスピーギにより「海とかもめ」という情景が豊かな副題が付けられたことでも知られていますね。
寂寥感漂う旋律は、灰色の空と海、孤独なカモメの姿を描き出すかのようです。
中間部では一転して激情的な展開を見せ、聴く人の感情を大きく揺さぶるでしょう。
深い物語や情景を感じたい方にぴったりの一曲で、このドラマティックな音の絵画をじっくり味わってみてはいかがでしょうか。
夢Claude Debussy

1890年にフランスの作曲家クロード・ドビュッシーが作曲したこの楽曲の魅力は、穏やかで幻想的な響きにあります。
A-B-A三部形式で構成され、分散和音による美しい伴奏の上に歌うような旋律が流れていきます。
中間部ではコラール風の和声が現れ、ドラマチックな表情を見せた後、再び静寂へと戻る構成です。
本作は調性が曖昧で、フェードアウトするような柔らかな終結が夢見心地の余韻を残します。
悲しみから浄化されたい方におすすめの1曲です。
【ピアノ×暗い曲】悲しみにどっぷり浸れるクラシックの名曲(11〜20)
3つのロマンス 作品11-1Clara Schumann

抑制された表現の中に、深い叙情性を秘めたピアノ作品です。
全3曲からなるロマンティックな小品集の冒頭を飾るこの楽曲は、1839年に作曲家が19歳の頃、婚約者ロベルト・シューマンへの想いを込めて書かれました。
長く続くアルペッジョに支えられて歌われる主題は、内に秘めた愛情や切なさを繊細に映し出すかのようです。
本作は、映画『Geliebte Clara』でもクララ・シューマンの内面を描写する重要な鍵として登場します。
静かに物思いにふけりたい夜、ピアノの歌うような音色に耳を傾けながら、じっくりと自分の心と向き合いたいときにぴったりの一曲です。
白鳥の歌 『セレナーデ』Franz Schubert

フランツ・シューベルトが1828年8月以降に手掛けた歌曲集、名盤『Schwanengesang』に収められている一曲です。
夜の静寂のなか、愛する人に秘めた想いを囁きかけるような、甘くも切ない旋律がとても印象的です。
この楽曲の繊細なピアノ伴奏は、主人公の心の震えや夜風の気配までも描き出しており、聴く人を物語の世界へ引き込みます。
1933年の映画『Gently My Songs Entreat』で使われたことでも知られています。
本作に漂う哀愁は、どうしようもない悲しみに暮れたい夜にそっと寄り添ってくれるので、感傷に浸りたい時にぜひ聴いてほしい名曲です。
6つの小品 『ノクターン』Pyotr Tchaikovsky

アルバム『6つの小品 Op.19』に収録されている、夜の静寂にふさわしい内省的な一曲です。
本作はまるで作曲者の個人的な告白を聴いているかのような、感傷的でありながらも温かい雰囲気に包まれています。
1873年秋に完成した作品で、涙を誘う美しい旋律のなかに、バレエ音楽を彷彿とさせる鐘のような響きがアクセントとして加わっているのが印象的ですね。
後にチェロと小オーケストラのために編曲された版もあり、原曲とはまた違った深い情感を味わえます。
悲しみに静かに浸り、自分の心と対話したい夜にぴったりの名曲ですよ。
夜のガスパール, M. 55: II. 絞首台Maurice Ravel

モーリス・ラヴェルが1908年に作曲したピアノ組曲『Gaspard de la nuit』の一曲で、ルイ・ベルトランの詩が描く荒涼とした情景を音で表現しています。
この楽曲の大きな特徴は、遠くで鳴り響く鐘の音を表す同じ音が、冒頭から最後まで150回以上も執拗に反復される点です。
この単調な響きに不気味な和音が重なり、聴く人を死の静寂が支配する瞑想的な世界へと誘います。
演奏する側は、この厳格なテンポと響きのバランスを保たないと、作品の持つ壮絶な陰鬱さを損ないかねない難曲です。
本作はコンクールでも頻繁に取り上げられます。
悲しみの底にある静かな美しさに触れたい時に聴いてみてはいかがでしょうか。