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【クラシックピアノ名曲】涙なしでは聴けない感動する曲を厳選

美しいメロディやハーモニーに心が震えた、そんな音楽経験をしたことはありますか?

本記事では、耳にするだけでうるっとしてしまう、そして自身で演奏することでよりその感動が深まる、クラシックピアノの名曲をご紹介します。

当然のことながら、ピアノのために作られた作品には歌詞がありません。

しかし、作曲家の思いや願いは一つひとつの音に確かに込められており、曲の背景や作曲家の生涯について知ることで、より深みのある演奏に仕上がります。

演奏に挑戦される際は、今回各曲の解説内でご紹介しているエピソードも含め、ぜひ作曲家や曲についての理解を深めてから練習に取り組んでみてくださいね。

【クラシックピアノ名曲】涙なしでは聴けない感動する曲を厳選(11〜20)

愛の悲しみKreisler=Rachmaninov

愛の悲しみ(クライスラー/ラフマニノフ編曲)Kreisler/Rachmaninoff – Liebesleid (Love’s Sorrow) – pianomaedaful
愛の悲しみKreisler=Rachmaninov

フリッツ・クライスラーの名作『愛の悲しみ』。

本作はヴァイオリンとピアノのための楽曲で、『愛の喜び』という作品と対をなす存在として作曲されました。

ピアノ独奏にしろ、ヴァイオリン独奏にしろ、難易度の高い作品というわけではありませんが、高い演奏効果をほこることで知られており、多くの演奏家によって、現在でも頻繁に演奏されています。

本作と『愛の喜び』『美しきロスマリン』は3部作ですので、合わせて聴いてみてください。

夜想曲第2番 変ホ長調 作品9-2Frederic Chopin

ショパン/ノクターンOp.9-2/Chopin/NocturneOp.9 No.2/ピアノ/Piano/弾いてみた/CANACANA
夜想曲第2番 変ホ長調 作品9-2Frederic Chopin

夏の暑さを忘れさせてくれる、フレデリック・ショパンによる珠玉のピアノ作品がありますよ。

1830年から1832年にかけて作られたこの作品は、名盤『Nocturnes, Op. 9』に収められており、甘く切ない旋律がたいへん美しいと評判です。

右手の歌うようなメロディは、まるで夜空にまたたく星のようで、左手の伴奏がそれを優しく支えます。

聴いていると、心が洗われるようですね。

映画『127時間』(2010年)やアニメ『少女終末旅行』(2017年)でも印象的に使われていますので、ご存じの方も多いことでしょう。

本作は、静かな夜に美しいピアノの音色で涼を感じたい方に、ぴったりの一曲と言えるのではないでしょうか。

ラ・カンパネラFranz Liszt

長富彩 / ラ・カンパネラ ~パガニーニによる大練習曲 第3番
ラ・カンパネラFranz Liszt

鐘の音を模した繊細な旋律が印象的で、高音域での跳躍や装飾音が美しく響き渡ります。

1851年に改訂されたピアノ曲は、ロマン派音楽の真髄を感じさせる情熱的な表現力と、技巧的な演奏が特徴です。

フランツ・リストは、1831年にパガニーニの演奏に感銘を受け、ヴァイオリン協奏曲の主題をピアノ用に編曲。

映画やテレビ番組のBGMとしても度々使用され、多くの人々の心を魅了してきました。

本作は、静かな環境で集中して勉強したい方にオススメです。

鐘の音のような透明感のある音色は、心を落ち着かせながらも適度な緊張感を保ってくれるでしょう。

メロディOp.4-2Fanny Mendelssohn

ファニー・メンデルスゾーン : メロディOp.4-2【08_暗い・悲しい楽譜と説明付きクラシックピアノ曲】
メロディOp.4-2Fanny Mendelssohn

まるで歌曲のように歌う旋律が印象的な、嬰ハ短調の小品です。

この楽曲は、兄フェリックスとは異なる独自のピアノ様式を模索していたファニー・メンデルスゾーンのピアノ曲集『6 Melodies Op.4』に収録されています。

繊細な旋律に重なる濃密な和声は、ファニー・メンデルスゾーンならではの表現力。

感情の機微をただように描き出しており、少しでも表現を誤ると曲の持つ内省的な魅力が損なわれかねません。

1846年に自らの名で作品を出版したファニー・メンデルスゾーンの、静かながらも確固たる意志を感じさせます。

悲しみに深く沈みたい夜、一人でじっくりと味わいたい方にこそ聴いてほしいものです。

本作を弾く際は、旋律をどう歌わせるかが最大のカギとなるでしょう。

3つのロマンス 作品11-1Clara Schumann

クララ・シューマン : 3つのロマンス 作品11-1 【36_暗い・悲しい楽譜と解説付きクラシックピアノ曲】
3つのロマンス 作品11-1Clara Schumann

抑制された表現の中に、深い叙情性を秘めたピアノ作品です。

全3曲からなるロマンティックな小品集の冒頭を飾るこの楽曲は、1839年に作曲家が19歳の頃、婚約者ロベルト・シューマンへの想いを込めて書かれました。

長く続くアルペッジョに支えられて歌われる主題は、内に秘めた愛情や切なさを繊細に映し出すかのようです。

本作は、映画『Geliebte Clara』でもクララ・シューマンの内面を描写する重要な鍵として登場します。

静かに物思いにふけりたい夜、ピアノの歌うような音色に耳を傾けながら、じっくりと自分の心と向き合いたいときにぴったりの一曲です。

ノクターン 第19番Op.72-1 ホ短調「遺作」Frederic Chopin

1827年頃、わずか17歳で作曲されたとは思えないほど深い哀愁を湛えた夜想曲です。

左手の絶え間なく続く三連符のアルペジオが心の揺らぎを表現し、その上に乗る右手の素朴で物悲しい旋律が、胸の内に秘めた想いを静かに語りかけます。

本作はホ短調で始まりながら、最後は温かい長調で静かに終わる構成が特徴的で、涙のあとの穏やかな安らぎを感じさせます。

ドラマ『Fringe』でも使用されました。

感傷的な夜に一人でじっくり向き合いたい、そんな気分に寄り添ってくれる一曲です。

【クラシックピアノ名曲】涙なしでは聴けない感動する曲を厳選(21〜30)

白鳥の歌 『セレナーデ』Franz Schubert

シューベルト : 白鳥の歌 『セレナーデ』【33_暗い・悲しい楽譜と解説付きクラシックピアノ曲】
白鳥の歌 『セレナーデ』Franz Schubert

フランツ・シューベルトが1828年8月以降に手掛けた歌曲集、名盤『Schwanengesang』に収められている一曲です。

夜の静寂のなか、愛する人に秘めた想いを囁きかけるような、甘くも切ない旋律がとても印象的です。

この楽曲の繊細なピアノ伴奏は、主人公の心の震えや夜風の気配までも描き出しており、聴く人を物語の世界へ引き込みます。

1933年の映画『Gently My Songs Entreat』で使われたことでも知られています。

本作に漂う哀愁は、どうしようもない悲しみに暮れたい夜にそっと寄り添ってくれるので、感傷に浸りたい時にぜひ聴いてほしい名曲です。