【クラシックピアノ名曲】涙なしでは聴けない感動する曲を厳選
美しいメロディやハーモニーに心が震えた、そんな音楽経験をしたことはありますか?
本記事では、耳にするだけでうるっとしてしまう、そして自身で演奏することでよりその感動が深まる、クラシックピアノの名曲をご紹介します。
当然のことながら、ピアノのために作られた作品には歌詞がありません。
しかし、作曲家の思いや願いは一つひとつの音に確かに込められており、曲の背景や作曲家の生涯について知ることで、より深みのある演奏に仕上がります。
演奏に挑戦される際は、今回各曲の解説内でご紹介しているエピソードも含め、ぜひ作曲家や曲についての理解を深めてから練習に取り組んでみてくださいね。
【クラシックピアノ名曲】涙なしでは聴けない感動する曲を厳選(11〜20)
6つの小品 『ノクターン』Pyotr Tchaikovsky

アルバム『6つの小品 Op.19』に収録されている、夜の静寂にふさわしい内省的な一曲です。
本作はまるで作曲者の個人的な告白を聴いているかのような、感傷的でありながらも温かい雰囲気に包まれています。
1873年秋に完成した作品で、涙を誘う美しい旋律のなかに、バレエ音楽を彷彿とさせる鐘のような響きがアクセントとして加わっているのが印象的ですね。
後にチェロと小オーケストラのために編曲された版もあり、原曲とはまた違った深い情感を味わえます。
悲しみに静かに浸り、自分の心と対話したい夜にぴったりの名曲ですよ。
幻想的小品集 Op.3 第2曲 前奏曲「鐘」Sergei Rachmaninov

フィギュアスケーターの浅田真央さんが2009年から2010年のシーズンのフリープログラムで使用したことでクラシックファン以外にも広く知られることとなった、セルゲイ・ラフマニノフの名曲『幻想的小品集 Op.3 第2曲 前奏曲「鐘」』。
少ない音数で深い悲しみや苦しみを表す美しいメロディに、心を奪われた方も多いのではないでしょうか?
深い闇に包まれた冒頭部分と短調でありながらも躍動感のある中間部分の対比も、ドラマティックな印象を作り出す要素の一つ。
ただ強弱をつけるだけでなく、音色に感情を乗せるイメージを強く持ちながら深みのある演奏に仕上げたいですね。
3つのロマンス 作品11-1Clara Schumann

抑制された表現の中に、深い叙情性を秘めたピアノ作品です。
全3曲からなるロマンティックな小品集の冒頭を飾るこの楽曲は、1839年に作曲家が19歳の頃、婚約者ロベルト・シューマンへの想いを込めて書かれました。
長く続くアルペッジョに支えられて歌われる主題は、内に秘めた愛情や切なさを繊細に映し出すかのようです。
本作は、映画『Geliebte Clara』でもクララ・シューマンの内面を描写する重要な鍵として登場します。
静かに物思いにふけりたい夜、ピアノの歌うような音色に耳を傾けながら、じっくりと自分の心と向き合いたいときにぴったりの一曲です。
白鳥の歌 『セレナーデ』Franz Schubert

フランツ・シューベルトが1828年8月以降に手掛けた歌曲集、名盤『Schwanengesang』に収められている一曲です。
夜の静寂のなか、愛する人に秘めた想いを囁きかけるような、甘くも切ない旋律がとても印象的です。
この楽曲の繊細なピアノ伴奏は、主人公の心の震えや夜風の気配までも描き出しており、聴く人を物語の世界へ引き込みます。
1933年の映画『Gently My Songs Entreat』で使われたことでも知られています。
本作に漂う哀愁は、どうしようもない悲しみに暮れたい夜にそっと寄り添ってくれるので、感傷に浸りたい時にぜひ聴いてほしい名曲です。
ノクターン 第19番Op.72-1 ホ短調「遺作」Frederic Chopin
1827年頃、わずか17歳で作曲されたとは思えないほど深い哀愁を湛えた夜想曲です。
左手の絶え間なく続く三連符のアルペジオが心の揺らぎを表現し、その上に乗る右手の素朴で物悲しい旋律が、胸の内に秘めた想いを静かに語りかけます。
本作はホ短調で始まりながら、最後は温かい長調で静かに終わる構成が特徴的で、涙のあとの穏やかな安らぎを感じさせます。
ドラマ『Fringe』でも使用されました。
感傷的な夜に一人でじっくり向き合いたい、そんな気分に寄り添ってくれる一曲です。