多くのサブジャンルが存在するジャズの中でも、フュージョンはその言葉の持つ意味の通り、ジャズを基調としてロックやラテン音楽、はては電子音楽にいたるまで、さまざまなジャンルを融合させたクロスオーバーなサウンドを特徴としています。
日本においても、非常に人気の高いジャンルですよね。
今回は、そんなフュージョンに興味を持たれた方々に向けて、ぜひ聴いて頂きたいフュージョンの名盤をご紹介します!
歴史的な名盤はもちろん、幅広い意味でのジャズフュージョンの要素を持つ近年の傑作も含めて紹介しています。
ジャズの枠内をこえて、現代のポピュラーミュージックへ多大なる影響を与えたフュージョンの奥深いサウンドに、あなたも触れてみませんか?
【洋楽】ジャズフュージョンの名盤。一度は聴きたいおすすめのアルバム【2025】(1〜20)
Continuum 1Nala Sinephro

ベルギー系カリブ人の作曲家にして、現在はロンドンを拠点に活動するナラ・シネフロさん。
クラシックピアノ教師の母とジャズサックス奏者の父を持つ彼女は、ハープとモジュラーシンセサイザーを軸に瞑想的なサウンドを紡ぐアーティストです。
2024年9月にワープ・レコーズからリリースされたセカンド・アルバム『Endlessness』は、10曲すべてが「コンティニューム」と題され、連続的なアルペジオが全体を貫く45分間の音響体験となっています。
ヌビヤ・ガルシアさんやジェームズ・モリソンさんといったサウスロンドンのジャズシーンを代表する面々に加え、21人編成の弦楽アンサンブルも参加し、壮大な音響空間を創出した傑作です。
Rust (feat. Tom Misch)Yussef Dayes

イギリスの現代ジャズシーンを牽引するドラマーにして、多彩な音楽的バックグラウンドを持つユセフ・デイズさん。
2023年にリリースされた初のソロ・アルバム『Black Classical Music』は、ジャズを基調としながらもアフロビート、ヒップホップ、レゲエ、エレクトロニカといった様々なジャンルを巧みに融合させた、まさにフュージョンの現代的な進化形と言える作品です。
トム・ミッシュさんやマセゴさん、シャバカ・ハッチングスさんといった豪華ゲストとの共演も話題となり、2024年にはアイヴァー・ノヴェロ賞最優秀アルバム部門を受賞した実力派の一枚。
ジャンルの垣根を越えた音楽に興味がある方には、ぜひとも手にとってもらいたい傑作です!
Spaceway 70Bruno Pernadas

ポルトガル出身の音楽家、ブルーノ・ペルナダスさんは、ジャズを基盤としながらもジャンルの枠を大胆に飛びこえた独自のサウンドで注目を集める存在です。
2016年にリリースされた『Those Who Throw Objects at the Crocodiles Will Be Asked to Retrieve Them』は、ジャズ・フュージョンにアートポップ、ネオサイケデリア、ボサノヴァなど多彩な要素を融合させた意欲作となっています。
アナログシンセサイザーを駆使した宇宙的なサウンドスケープと、映画のような物語性を持つ楽曲構成は、フュージョンの新たな可能性を示す実験的な作品です。
既存のフュージョンに飽き足らない方や、ジャズの枠内にとどまらない音楽的冒険を求める方にオススメの1枚ですね。
Night Birdsshakatak

イギリスが誇るジャズ・ファンク~フュージョン・バンドの代表的な存在です。
シャカタク、という変わった響きを持ったバンド名くらいは耳にしたことがあるという方も多いのでは?
そんな彼らの名前を一躍世に知らしめた名曲にして、代表曲の1つ『Night Birds』が収録されている、1982年にリリースされた同名のセカンド・アルバムは、フュージョンやスムーズジャズといったジャンルに興味があれば、必ずチェックしてもらいたい作品です。
耳に残る旋律としゃれた味わいのバンド・アンサンブルは、決して小難しいものではなく、とにかく心地良く聴けることが特徴です。
フュージョンの入門編としてもオススメですよ!
LingusSnarky Puppy

現代ジャズシーンで最も革新的なサウンドを生み出し続けるアメリカのスナーキー・パピー。
2004年にテキサス州で結成された彼らは、リーダーのマイケル・リーグさんを中心とした音楽コレクティブとして活動し、今やグラミー賞を5度受賞するまでに成長しました。
2014年にリリースされた『We Like It Here』は、オランダのスタジオで観客を招いて録音された画期的な作品です。
ジャズを基調としながらファンク、R&B、ワールドミュージックを巧みに融合させたサウンドは、従来のジャズの枠組みを軽々と飛び越え、聴く者を魅了します。
特にコーリー・ヘンリーさんの圧巻のキーボードソロは必聴です。
ジャンルにとらわれない自由な音楽性と卓越した演奏技術が結実した本作は、現代フュージョンの到達点として多くのリスナーに愛され続けています。