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【まずはここから!】ジャズロックの名曲。おススメの人気曲

【まずはここから!】ジャズロックの名曲。おススメの人気曲
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【まずはここから!】ジャズロックの名曲。おススメの人気曲

「ジャズロック」とは、文字通りジャズとロックを融合したクロスオーバーな音楽ジャンルであり、海外ではジャズ・フュージョンとも呼ばれているサブジャンルです。

ジャズ・サイドの革新的なミュージシャンたちによるロック的なアプローチを見せた作品や、ロック~プログレ系のバンドやアーティストによるジャズ的な要素を取り入れたサウンドといったものがあり、厳密な分類があるというわけではありません。

本稿では、ジャズロックとされる著名なバンドやアーティストたちによる名曲の数々を厳選してピックアップしています。

楽曲の素晴らしさはもちろん、参加しているミュージシャンたちの名前もぜひ覚えていってくださいね!

【まずはここから!】ジャズロックの名曲。おススメの人気曲(1〜20)

Do It AgainSteely Dan

ロックのみならずソウルやジャズといったブラック・ミュージック、そしてラテン音楽などさまざまなジャンルを卓越したテクニックとセンスで融合させ、洗練された独自の音楽性で商業的にも大きな成功を収めたスティーリー・ダン。

もともとは作曲家としてのキャリアを目指していたというドナルド・フェイゲンさん、そして2017年に亡くなってしまったウォルター・ベッカーさんという大学時代からの友人2人の核となるメンバーを筆頭に、さまざまなミュージシャンが作品ごとに起用されるスタイルでロック史に残る完成度の高い作品を生み出し続けました。

今回紹介している『Do It Again』は、1972年にリリースされた記念すべきデビュー・アルバム『Can’t Buy A Thrill』に収録されている楽曲で、シングルとしても全米チャート6位を記録した初期の代表曲にしてヒット曲です。

ストレートなジャズ・ロックというよりは、ロックを基調としながらもジャズ的なコード進行やR&Bの要素を加えたオシャレなロックといった趣で、高度な技術をさらりと聴かせる絶妙なアンサンブルは後続のアーティストたちに多大なる影響を及ぼしました。

ジャズ過ぎる音は苦手、というロック好きの方であっても心地良く聴けるはず。

The Valentyne SuiteColosseum

厳かなハモンド・オルガンの響きとともに、バンドの中心人物でありテクニカル・ドラマー、ジョン・ハイズマンさんによるイントロのドラムスが入ってくる瞬間は、いつ聴いてもぞくぞくしていまいます!

イギリスが生んだプログレッシブ・ロック~ジャズ・ロックの草分け的な存在であるコロシアムが1969年にリリースしたセカンド・アルバム『Valentyne Suite』のラストを飾る同名の大作『ヴァレンタイン組曲』は、タイトル通り3つの楽曲で構成された組曲であり、シェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』における最後の3ヵ月をテーマとしたドラマチックな名曲中の名曲。

バンドの持っていたブルース・ロックの要素も残しながら、ビッグ・バンドのようなアレンジを持ちこんだサウンドであり、その構成力はまさに圧巻の一言ですね。

ジャズ的なアプローチはドラムスとサックスなどに濃厚ながら、オルガンやピアノの音色はクラシック音楽的でもあり、重厚なバンド・アンサンブルはハードロックにも通じるものがあります。

むしろ並のハードロックが裸足で逃げ出す迫力のサウンドは、まさに60年代が生んだ英国プログレッシブ~ジャズ・ロックの金字塔的なものである、と言えましょう。

Birds of FireMahavishnu Orchestra

神秘的な響きを持つマハヴィシュヌ・オーケストラは、突出した演奏技術で知られるイギリス人ギタリストのジョン・マクラフリンさんを中心として1970年に結成されたバンドです。

ジャズ・ロックの先駆者的な存在であり、ジャズやロックのみならずグループ名からも推察されるように、インド音楽からの影響を感じさせる独自のアンサンブルで多くの音楽ファンを熱狂させました。

本稿で取り上げている『Birds of Fire』は『火の鳥』という邦題でも知られている同名のセカンド・アルバムのオープニングを飾る楽曲で、同アルバムはジャズ・ロックというカテゴリーにおいては異例の全米チャート15位を記録したエポックメイキング的な作品でもあります。

マイルス・デイヴィスさんとの仕事でマクラフリンさんとともに活動した超絶ドラマーのビリー・コブハムさんを筆頭に、後に映画音楽家としても大成するキーボーディストのヤン・ハマーさんやエレクトリック・バイオリン奏者のジェリー・グッドマン、ベーシストのリック・レアードさんといった名うてのプレイヤーが一堂に会し、それぞれの個性を十二分に発揮させたサウンドは永遠に色あせるものではありません。

まさに火の鳥の如き天上へと飛翔せんと言わんばかりのマクラフリンさんのギター、骨太のベース・ラインに圧倒的なグルーブを生み出すドラムス、ギターと同じレベルでリードを務めるバイオリン、幻想的なシンセの音色……まさに「プログレッシブ」な大名曲!

FaceliftThe Soft Machine

イギリスはカンタベリー出身のミュージシャンたちによるプログレッシブ・ロック系のバンドは、海外ではカンタベリー・シーン、ここ日本においてはカンタベリー・ロック、カンタベリー・ミュージックやカンタベリー系と呼ばれており、その代表的なバンドとして知られているのがソフト・マシーンです。

1964年に結成されたワイルド・フラワーズというバンドのメンバーがソフト・マシーン、キャラバンといったカンタベリー系の著名なバンドへと枝分かれしていったという歴史的な事実はぜひ知っておいてくださいね。

高度なテクニックを駆使したプログレッシブ~ジャズ・ロックの名バンドであり、カンタベリー系の最高峰でもある彼らが1970年にリリースされた初期の名盤『Third』に収録されている名曲『Facelift』を紹介します。

アルバム自体が全4曲、どれも20分近い大作で構成されたものであって、こちらの『Facelift』も18分をこえる楽曲となっています。

作曲を手掛けているのはベーシストのヒュー・ホッパーさんで、最初期のサイケデリックなサウンドからジャズ・ロックへと傾倒していく彼らの象徴的なトラックと言えましょう。

ギターレスという編成ならではのアンサンブルはいくつかのモチーフとメイン・テーマが入り乱れ、複雑に展開していく様はまさにプログレッシブなものであり、ジャズでありながらもノイジーかつ不協和音すれすれの実験的なサウンドも含め、あくまでロック・バンドによるジャズ・アプローチといった雰囲気が最高にカッコいいですよ!

Nuclear BurnBrand X

変態的にうねりまくるフレットレス・ベースと細かく刻む超高速のドラムスが迫りくる緊張感は、並大抵のロック~プログレ、フュージョン・バンドでは太刀打ちできないものでしょう!

ギタリストのジョン・グッドソールさん、ベーシストのパーシー・ジョーンズさんといったメンバーを中心として結成されたブランド・エックスは、ジェネシスのフロントマンでありソロ・シンガーとしても世界的な成功を収めたフィル・コリンズさんがドラマーとして参加していたことでも有名です。

コリンズさんの知名度があまりにも高いせいで、コリンズさんのバンドという誤った認識を持たれている方もいらっしゃるそうですが、ともあれ本稿で紹介している名曲『Nuclear Burn』を聴くだけでも、コリンズさんのドラマーとしての存在感はとてつもないものがあるのは事実ですよね。

こちらの楽曲は1976年にリリースされたデビュー・アルバム『Unorthodox Behaviour』のオープニングを飾る楽曲で、アルバム全体的にもアメリカのテクニカルなフュージョン・バンドに負けない熱量とセンス、技量でもって強烈なバンド・アンサンブルで魅せてくれます。

メロディを奏でているギターとキーボードの音色に陰影や叙情性を感じさせるというのも、イギリスのバンドならではの特徴と言えそうですね。

Wingful Of EyesGong

フランス発のプログレッシブ~サイケ~スペース・ロック・バンドとして異彩を放ったバンド、ゴング。

創設メンバーはオーストラリア出身のギタリストであり、初期ソフト・マシーンのメンバーとしても著名なデヴィッド・アレンさんで、アレンさん在籍時はサイケデリックで宇宙的な独自のサウンドを鳴らすバンドでした。

1975年にアレンさんを含む主要なメンバーが脱退、残されたドラマーのピエール・ムーランさんがバンドを再編して、ジャズ・ロックやフュージョンの要素を強めた新たなゴングとしてスタートを切った1976年作のアルバム『Shamal』の収録曲『Wingful Of Eyes』を紹介します。

どこかエキゾチックな雰囲気を思わせる旋律が印象的な歌モノで、フルートとヴィブラフォンが牧歌的かつ催眠的な音色を奏で、緻密なパーカッションのアレンジも含めてロック的なダイナミズムはほぼ皆無。

強烈なバンド・アンサンブルを味わいたいという方には向いてない音なのですが、他のジャズ・ロックでは味わえない独自の浮遊感を生み出す音世界は、一度はまってしまえば抜け出せなくなってしまう中毒性を兼ね備えています!

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