【まずはここから!】ジャズロックの名曲。おススメの人気曲
「ジャズロック」とは、文字通りジャズとロックを融合したクロスオーバーな音楽ジャンルであり、海外ではジャズ・フュージョンとも呼ばれているサブジャンルです。
ジャズ・サイドの革新的なミュージシャンたちによるロック的なアプローチを見せた作品や、ロック~プログレ系のバンドやアーティストによるジャズ的な要素を取り入れたサウンドといったものがあり、厳密な分類があるというわけではありません。
本稿では、ジャズロックとされる著名なバンドやアーティストたちによる名曲の数々を厳選してピックアップしています。
楽曲の素晴らしさはもちろん、参加しているミュージシャンたちの名前もぜひ覚えていってくださいね!
【まずはここから!】ジャズロックの名曲。おススメの人気曲(11〜20)
IllusionIsotope

実質的な活動期間は5年程度、残したオリジナル・アルバムは3枚のみというキャリアながら、ジャズ・ロックやプログレッシブ・ロックを愛好するファンには知名度の高いバンドがイギリスのアイソトープです。
後にソロとしても活躍するギタリスト、ゲイリー・ボイルさん以外はメンバーは流動的だったアイソトープのサウンドは、むしろバンドの解散から何十年もたって再評価されました。
70年代の英国ジャズ・ロック王道とも言えるクロスオーバーなアンサンブルは非常に洗練されており、どのアルバムを聴いても間違いなく楽しめるものではありますが、今回はソフト・マシーンのベーシストとしても著名なヒュー・ホッパーさんが参加した1974年のセカンド作『Illusion』の表題曲を紹介しましょう。
ホッパーさんは作曲面でも多大な貢献を果たしており、ジャズ・ロックに興味のある方はもちろん、カンタベリー系のサウンドをお好きな方であればぜひチェックしていただきたいですね。
ボイルさんの流麗な速弾きを筆頭に、スリリングなバンド・アンサンブルは熱さを感じさせながらも、全体気にクールな雰囲気というのがいかにもイギリスのバンドといった趣です!
Cause We’ve Ended As LoversJeff Beck

世界3大ギタリストの1人として数え切れないほどの名演を残し、2020年代の今もバリバリの現役として活躍し続けるジェフ・ベックさん。
その長いキャリアの中で、ヤードバーズ在籍時の若きロック・ギタリスト時代を経て、自身をリーダーとするグループを率いてからはさまざまなジャンルに挑戦し、ジャズ~フュージョン・サウンドからエレクトロニカにテクノロックまで柔軟な創作活動を見せるベックさんですが、今回は1975年にリリースされた代表作の1枚『Blow by Blow』に収録されている名曲『Cause We’ve Ended As Lovers』を取り上げます。
『哀しみの恋人達』という邦題でも知られるこちらの楽曲は、あのスティーヴィー・ワンダーさんがシリータ・ライトさんというシンガーに提供した楽曲のインストゥルメンタル・バージョンで、ベックさんの独創的な解釈に基づいたさまざまなテクニックでドラマチックに展開していく代表曲の1つとして知られています。
マハヴィシュヌ・オーケストラのアルバム『Apocalypse』を手掛けたジョージ・マーティンさんがアルバム全体をプロデュースしていることも踏まえて、ジャズ・ロックを知る上でも欠かせない名曲であると言えましょう。
John McLaughlinMiles Davis

「モダン・ジャズの帝王」にして、エレクトリック・ジャズやヒップホップといった先鋭的かつ挑戦的なサウンドを次々と提示、ジャズの巨人でありながらもロックやプログレなど多くのアーティストたちに影響を与え続けるマイルス・デイヴィスさん。
エレクトリック期と呼ばれる時期のマイルスさんのサウンドは、フュージョンやジャズ・ロックといったジャンルの形成においても多大なる影響を及ぼしていますね。
1970年にリリースされた2枚組の大傑作『Bitches Brew』は、多くの人に驚きを持って迎えられた革新的な作品として知られています。
ジャズとロック、そしてファンクの要素も融合させたサウンドは2020年代の今もなお色あせることはないですよね。
『Bitches Brew』には歴史にその名を残す多くの名プレイヤーたちが参加していますが、ジャズ・ロックという観点においてはマハヴィシュヌ・オーケストラを結成するジョン・マクラフリンさんがギタリストとして参加していることに注目してください。
本稿で取り上げている楽曲『John McLaughlin』は、まさにタイトル通りマクラフリンさんのギターを全面に押し出したクールなジャズ・ロックといった趣で、大作メインの他の楽曲と比べて4分半程度の佳曲ということもあり、即興演奏中心のジャズに苦手意識のあるロック好きでも楽しめるはず!
L’elefante biancoArea

イタリアのプログレッシブ・ロック系のバンドはイギリスとはまた違った魅力があり、ここ日本においても根強いファンが多いです。
イタリアン・プログレ界の代表的なバンドの1つであるアレアも、中心人物であり若くして亡くなったボーカル兼キーボーディスト、奇才デメトリオ・ストラトスさんの特異なスタイルを軸とした超個性的なサウンドで知られる存在です。
ストラトスさんが在籍してた時期に発表された4枚のアルバムはどれも高い評価を受けており、コマーシャルなプログレとは一線を画す実験的なサウンドは、初めて聴いた方であれば戸惑ってしまうかもしれませんね。
こちらの力強いピアノとボーカルで始まる『L’elefante bianco』は、1975年にリリースされたサード・アルバム『Crac!』のオープニング・ナンバーです。
複雑かつ緻密に絡み合う各楽器の高度なプレイ、ポリリズムの嵐、民族音楽的なフレーズを繰り広げるシンセ、といったサウンドながらも彼らの音としてはある程度の聴きやすさもあり、ブルガリア民謡から影響を受けたという情熱的なメロディも印象深い名曲です!
The InquisitionColosseum II

プログレ系のバンドは1つのグループから派生した多くのバンドやユニットが存在している、という点で初心者にはややこしいというのは1つの特徴と言えそうです。
コロシアムIIを名乗るこちらのグループもその1つで、英国プログレッシブ・ロックにその名を残すバンドのコロシアムの創設メンバーであるドラマー、ジョン・ハインズマンさんが1975年に結成したバンドです。
ジョン・ハインズマンさん以外のメンバーは全く違うという時点で、慣れていない方であれば混乱してしまうかもしれませんね。
後世の評価という意味では初代コロシアムに集中しているというのは否めませんが、アイルランド出身の名ギタリストであるゲイリー・ムーアさんが参加したコロシアムIIのサウンドも決して劣るものではありませんよ。
そんなコロシアムIIの代表的な名曲の1つが、1977年のラスト・アルバム『War Dance』に収録されている『The Inquisition』です。
初っ端から若き日のムーアさんによる熱いギターが炸裂、さまざまなバンドに引っ張りだこのドン・エイリーさんによるダイナミックなキーボード、うねりまくるジョン・モールさんのベース、その全てをがっちり受け止めながら自己主張も忘れないハインズマンさんのドラムス……ハードロックのダイナミズムとジャズの要素、プログレッシブなアンサンブルが見事に結実した楽曲の素晴らしさを一度は体感してみてください!