【洋楽ジャズ】一度は聴いたことのあるスタンダードナンバー特集
ジャズのスタンダードナンバーと言われて、皆さんはどのような楽曲を思い浮かべますでしょうか。
実はテレビのCMやデパートの店内BGMなどで一度は耳にしている楽曲の多くが、ジャズのスタンダードナンバーであったりするのですね。
今回はジャズ・ミュージックとして長年愛され続けている「スタンダードナンバー」をテーマとして、映画用に作られてそのままジャズ界のアーティストたちに繰り返しカバーされた名曲から、ジャズ・ミュージシャン自身が作曲したナンバーまでを一挙ご紹介。
戦前の有名曲から戦後のモダン・ジャズ、70年代のフュージョン系の名曲に80年代のポピュラー音楽などにも目を向けた幅広いラインアップでお届けします!
【洋楽ジャズ】一度は聴いたことのあるスタンダードナンバー特集(1〜10)
What a Wonderful WorldLouis Armstrong

緑の木々、赤いバラ、青い空、そして虹の色彩。
自然の美しさを歌い上げる本作は、ジャズの巨匠ルイ・アームストロングさんが1967年にリリースした珠玉のバラードです。
人々が握手を交わし、赤ん坊が成長していく様子を優しく描写する歌詞には、人間愛と未来への希望が込められています。
アームストロングさんの温かみのある低音ボイスが、曲の魅力をさらに引き立てています。
1987年の映画『グッドモーニング, ベトナム』での使用をきっかけに再評価され、グラミー賞の殿堂入りも果たしました。
心が疲れているときや、世界の美しさを再認識したいときにぜひ聴いてみてください。
So WhatMiles Davis

ジャズの歴史において最も有名なトランペッターの1人であり、ジャズをネクストレベルへと押し上げる傑作を多く世に送り出した偉大なミュージシャン、マイルス・デイヴィスさん。
ジャズに限らず、さまざまな分野で大きな影響力を持つマイルスさんが1959年に発表したアルバム『Kind of Blue』は、モダン・ジャズの傑作にして「モード・ジャズ」を決定付けた1枚であり、世界中で1,000万枚をこえるセールスを記録した記念碑的作品です。
本稿で取り上げているのは、そんな傑作のオープニングを飾る名曲『So What』。
マイルスさんをはじめとして、ジョン・コルトレーンさん、キャノンボール・アダレイさん、ビル・エヴァンスさん、ポール=チェンバースさん、ジミー・コブさんというジャズ界の巨人たちによるアンサンブルから生まれた奇跡のような9分22秒は、それだけ貴重な音楽体験であると断言できましょう。
ジャズの名曲ランキングでも必ず上位、もしくは1位となる名曲ですから、当然後続のアーティストたちにも好んでカバーされており、永遠のスタンダードナンバーとして世代をこえて愛され続けています。
細かい音楽理論的な分析は専門家に任せるとして、素晴らしいミュージシャンたちが作り上げた音楽と過ごす贅沢な時間を無心で味わってみてください!
MistySarah Vaughan

恋に落ちた時の甘美な感情を霧に例えた名曲を、ジャズ界の女王が歌い上げます。
豊かな声量と表現力で、揺れ動く心情を見事に表現しているのが印象的です。
1958年に発表されたこの楽曲は、多くのアーティストにカバーされる人気曲となりました。
1971年には映画のタイトルにも使用され、さらに知名度が上がりました。
ゆったりとしたテンポとロマンチックなメロディーは、恋愛の切なさや不確かさを感じている方におすすめです。
サラ・ヴォーンさんの歌声に身を委ねて、恋の喜びと不安を追体験してみてはいかがでしょうか。
Feeling GoodNina Simone

自由と解放、新たな始まりを象徴する楽曲として、多くの人々の心に刻まれています。
力強く、感情豊かな歌声が、聴く者に希望と勇気を与えます。
1965年のアルバム『I Put a Spell on You』に収録され、ニーナ・シモンさんの代表作となりました。
1994年にイギリスのフォルクスワーゲンのCMで使用され、再び注目を集めました。
公民権運動にも深く関わったシモンさんの思いが込められた本作は、人生の転換期や新しい挑戦を前にした時に聴くのがおすすめです。
心が軽くなり、前を向く勇気がわいてくるでしょう。
Take FiveDave Brubeck

タイトルの由来とされている、5/4拍子という変拍子を使ったリズミカルなグルーヴとキャッチーなサックスのメロディ、途中の独創的なドラム・ソロが実にクールな名曲『Take Five』は、ウエストコースト・ジャズを代表するピアニストとして知られているデイヴ・ブルーベックさんが、デイヴ・ブルーベック・カルテット名義で1959年にリリースしたアルバム『Time Out』に収録された楽曲です。
カルテットの中でアルト・サックスを担ったポール・デスモンドさんが作曲を手掛け、当時としては珍しかった5拍子で構成された『Take Five』は1961年にシングルとして再リリースされ、ビルボード・チャートで25位というヒットを記録、その後は売り上げが100万枚をこえた初めてのジャズのシングルとなったのだとか。
数え切れないほどのカバーが存在しており、日本ではB’zのギタリストとして著名な松本孝弘さんが、自身のソロ・アルバムで2度に渡りこの曲を取り上げていますね。
CMやテレビ番組にフィギュアスケートのショートプログラムにおけるBGMなど、さまざまな場面で繰り返し起用されている、まさにスタンダードナンバーと呼ぶにふさわしい名曲中の名曲です!
All BluesMiles Davis

ジャズの歴史に輝く名曲が、ここにあります。
6/8拍子のリズムが生み出す独特の浮遊感、シンプルながら深みのあるコード進行、そして海や空、人々の感情を表現した歌詞。
これらが見事に融合し、聴く者を魅了します。
マイルス・デイヴィスさんが1959年8月にリリースしたアルバム『Kind of Blue』に収録された本作は、ジャズのスタンダードナンバーとして多くのミュージシャンにカバーされ、映画『アメリカン・ビューティー』などでも使用されました。
静かな夜に一人で聴くのはもちろん、大切な人と過ごす時間にも寄り添ってくれる、そんな一曲です。
April in ParisCount Basie

パリの春の魅力を詩情豊かに描いた名曲が、ビッグバンドの魂を込めて蘇ります。
カウント・ベイシーさんの楽団が奏でる華やかなアレンジは、聴く人の心に春の訪れを感じさせるでしょう。
1955年の録音ながら、今なお色あせない魅力を放つ本作。
1957年にアルバム『April in Paris』として発表され、ジャズファンを魅了し続けています。
映画『ブレージングサドル』でも使用された本作は、春の陽気な気分を味わいたい時や、パリへの憧れを感じたい時にぴったり。
ジャズの名演奏を楽しみたい方にもおすすめです。