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【洋楽ジャズ】一度は聴いたことのあるスタンダードナンバー特集

ジャズのスタンダードナンバーと言われて、皆さんはどのような楽曲を思い浮かべますでしょうか。

実はテレビのCMやデパートの店内BGMなどで一度は耳にしている楽曲の多くが、ジャズのスタンダードナンバーであったりするのですね。

今回はジャズ・ミュージックとして長年愛され続けている「スタンダードナンバー」をテーマとして、映画用に作られてそのままジャズ界のアーティストたちに繰り返しカバーされた名曲から、ジャズ・ミュージシャン自身が作曲したナンバーまでを一挙ご紹介。

戦前の有名曲から戦後のモダン・ジャズ、70年代のフュージョン系の名曲に80年代のポピュラー音楽などにも目を向けた幅広いラインアップでお届けします!

【洋楽ジャズ】一度は聴いたことのあるスタンダードナンバー特集(21〜30)

My Funny VallentineFrank Sinatra

有名なジャズのスタンダードナンバー『My Funny Valentine』と聞いて、皆さんはヴォーカル・バージョンとインストゥルメンタル・バージョンのどちらを最初に思い浮かべますでしょうか?

本稿ではフランク・シナトラさんによる歌唱バージョンを紹介していますが、マイルス・デイヴィスさんが1957年に発表した『Cookin’』のオープニング曲として取り上げていますし、ジム・ホールさんとビル・エヴァンスさんによる名盤『Undercurrent』では原曲とは全く違う速いテンポでカバーされるなど、さまざまな形で多くのミュージシャンたちがカバーし続けている名曲なのです。

もともとはミュージカルの分野を中心として膨大な曲を作曲、アメリカ音楽の歴史においてその名を刻むリチャード・ロジャースさんがミュージカル作品『ベイブス・イン・アームス』において発表した楽曲で、作詞はリチャードさんとのコンビで知られるロレンツ・ハートさんが担当しています。

ちなみにジャズ・シンガーによるカバーであれば、トランペッター兼シンガーとして知られるチェット・ベイカーさんによる歌唱も非常に有名ですね。

1956年に発表されたウエストコースト・ジャズの名盤『Chet Baker Sings』に収録されていますよ。

Maiden VoyageHerbie Hancock

80歳をこえた2020年代においてもバリバリの現役、ミュージシャンとしての卓越した技術と既存のスタイルにとらわれない感性でジャズ・シーンの最先端を走り続けるハービー・ハンコックさん。

ジャズ史に残るマスターピースを生み出し続けてきたハンコックさんは、作曲家としても後続のアーティストたちの多くがカバーとして取り上げるスタンダードナンバーを多く発表していますが、今回はハンコックさんが1965年に発表した傑作アルバム『Maiden Voyage』の表題曲を取り上げます。

『処女航海』という邦題でも知られるハンコックさんの代表作の1つにして超有名曲であり、ジャズ・ミュージックの歴史上の名曲というランキングがあれば大抵上位に食い込む楽曲ですね。

アルバムのジャケットやタイトルからも分かるように「海」をテーマとした作品であり、あまりにも有名な冒頭のピアノのフレーズから始まり、雄大な海の景色が浮かんでくるようなスケールの大きさと優美さとが織り成す楽曲展開、管楽器によるメイン・テーマ……キャッチーで親しみやすいメロディというわけではないのですが、この楽曲が持つ独自の世界観は聴けば聴くほど味わい深いものがありますね。

2000年代以降のジャズ・シーンをリードするピアニスト、ロバート・グラスパーさんも自身の作品の中でこの楽曲を取り上げていますから、そちらもぜひチェックしてみてください!

【洋楽ジャズ】一度は聴いたことのあるスタンダードナンバー特集(31〜40)

The Girl from IpanemaStan Getz & Joao Gilberto

“The Girl from Ipanema” Astrud Gilberto, João Gilberto and Stan Getz
The Girl from IpanemaStan Getz & Joao Gilberto

ジャズ・ミュージックにボサノバの要素を持ち込んだ、1962年リリースの記念碑的作品『Jazz Samba』をチャーリー・バードさんとともに作り上げ、アメリカにおけるボサノバ・ブームの火付け役となったスタン・ゲッツさん。

1964年にはブラジル出身の著名なボサノバ歌手ジョアン・ジルベルトさんと組んだ『Getz/Gilberto』を発表して大ヒットを飛ばし、グラミー賞を受賞するなど高い評価を得ました。

そんな『Getz/Gilberto』に収録曲であり、ジョアン・ジルベルトさんとアストラッド・ジルベルトさんが歌唱を担当してシングルとしてもヒットした『イパネマの娘』はボサノバのジャンルにおける最も有名なスタンダードナンバーであり、ジャズ・ミュージシャンにも愛されている楽曲です。

ブラジル音楽界の代表的な作曲家であるアントニオ・カルロス・ジョビンさんが1962年に作曲、詩人であり翻訳家や外交官、ジャーナリストなどさまざまな顔を持つヴィニシウス・ヂ・モライスさんがオリジナルのポルトガル語での作詞を手掛けた楽曲で、前述したゲッツさんとジルベルトさんによる『イパネマの娘』は世界的に見て最も有名なバージョンと言われているのですね。

その後も多くのジャズ系のアーティストが好んで取り上げていますから、それぞれチェックしてみることをオススメします!

おわりに

ジャズのスタンダードナンバーというテーマで集められた、今回の記事で紹介している名曲を聴いていると、どの曲もジャズという枠内をこえて「誰もが一度は耳にしたことのあるBGM」であることが分かるのではないでしょうか。

今後もこの記事では多くの人に愛され続けるスタンダードナンバーを紹介していきますから、楽しみにしていてくださいね!