ジャズの人気曲ランキング
19世紀にアメリカにて生まれた音楽、ジャズ。
アフリカの伝統的な音楽と西洋の音楽とが出会い混ざりあったこのジャズは、ブラックミュージックにルーツを持つ独特のノリと情熱的な演奏が魅力ですよね。
さらにそこからさまざまな音楽に影響を与え、今ではあらゆる場面でその息吹が感じられるようになりました。
この記事では、そんなジャズの名曲たちをランキング形式で紹介していきますね。
国内では「大人の音楽」とされることも多いジャズですが、ぜひこの記事で紹介した曲をきっかけに、多くの人がジャズにハマっていただければ幸いです。
ジャズの人気曲ランキング(1〜10)
Moanin’Art Blakey1位

最も偉大なジャズドラマーは誰かときかれれば、多くの方がアート・ブレイキーさんの名前をあげるのではないでしょうか。
彼は、細かくドラムを連打する演奏方法、通称ナイアガラロールの生みの親としても知られているんです、そんなアート・ブレイキーさんのドラムスキルが、これでもかと発揮されているのが、『Moanin’』という楽曲。
ドラムをメインにしているので、弾むようなサウンドに仕上がっています。
聴いていると、ついつい体を揺らしたくなってしまいますよ。
Waltz For DebbyBill Evans2位

Bill Evansさんが愛する姪に捧げたことで知られる優美なワルツ。
カフェや映画などで流れることも多いので、きっと耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
幼い姪の無邪気な姿を映したかのような愛らしい旋律は、聴く人の心を温かく包み込みます。
この楽曲の魅力は、ピアノが主役というだけではなく、ベースとドラムが対等に語りかけるような親密なアンサンブルにあります。
元は1956年にソロピアノ曲として公開された作品ですが、1961年6月のライブ演奏を収めた名盤『Waltz for Debby』でのトリオ演奏は息をのむ美しさです。
静かな夜にじっくり耳を傾けたり、休日の午後にリラックスしたい時にぴったりの一曲。
ジャズの雰囲気が好きという方でも、抵抗なく楽しめるでしょう。
So WhatMiles Davis3位

「帝王」の異名を持つマイルス・デイヴィスさんは既存のルールに縛られない自由な発想でジャズの可能性を別次元へと導き、ジャズ好きのみならずロックなど他の分野においても絶大な影響力を誇るトランペット奏者の偉人です。
そんなマイルスさんが1959年にリリースしたアルバム『Kind of Blue』はモダンジャズの傑作中の傑作と言われ、いわゆる「モードジャズ」と呼ばれる手法を発展させたアンサンブルも含めて音楽史にその名を刻んだ作品なのですね。
商業的にも破格の成功を収め、ジャズを語る上では欠かすことのできないアルバムということは間違いないのですが『BLUE GIANT』とのつながりも非常に重要なもので、主人公の宮本大が最初に友人から借りるジャズのCDの3枚の内の1つがこちらの『Kind of Blue』なのです。
ある意味『BLUE GIANT』の始まりの1枚とも言えますし、まだこのアルバムを聴いたことがない方であれば、大と同じような気持ちを味わえるということですからぜひチェックしてほしいですね。
本稿で紹介しているのはアルバムの冒頭を飾る名曲『So What』。
ジャズ界きっての名プレイヤーたちがそろった演奏の素晴らしさは言うまでもなく、マイルスさんにとってもジャズの歴史においても欠かせない名曲をこの機会に味わってみてください!
What a Wonderful WorldLouis Armstrong4位

ジャズの巨人、Louis Armstrongさんのダミ声が温かく響く、感動的なバラード!
緑の木々や青い空といった日常の風景がいかに美しいものであるかを、優しく教えてくれます。
本作は、社会が混乱していた1967年当時にリリースされた楽曲で、平和への強い願いが込められているといえるでしょう。
イギリスではチャート1位に輝き、その後映画『グッドモーニング, ベトナム』での起用をきっかけに世界中で愛されるようになりました。
日本ではホンダ・シビックなどのCMでもおなじみですね。
心が少し疲れた時に聴けば、その歌声が「世界は素晴らしい」と語りかけてくれる、まさに心のビタミンのような一曲です。
Take FiveDave Brubeck5位

デイヴ・ブルーベックさんが率いるデイヴ・ブルーベック・カルテットが、1959年にリリースした画期的なアルバム『Time Out』に収録されている『Take Five』は、ジャズ史におけるアイコン的存在の曲です。
5/4というユニークな拍子で構成されているこの曲は、ポール・デスモンドさんによって作曲されました。
当時としては珍しいこの拍子は、ジャズの新しい地平を開いたとされ、その爽快感あふれるメロディとリズムは今でも多くの人々に愛され続けています。
また、日本を含む世界各地でさまざまなアーティストによってカバーされ、テレビやCM、さらには映画など、多岐にわたるメディアで使用されてきました。
ジャズ初心者の方にとって、『Take Five』はそのシンプルでありながら奥深い魅力を通じて、ジャズの世界への素晴らしい入口となるでしょう。
気軽にジャズのリズムを体感したい、ちょっとした休憩時間にクールな音楽を楽しみたいというときに最適な一曲です。
Take The A TrainDuke Ellington6位

『A列車で行こう』という邦題があまりにも有名なこちらの『Take the ‘A’ Train』は、圧倒的なパフォーマンスで戦前においてスウィング・ブームを巻き起こし、多くのスタンダードナンバーを世に送り出したデューク・エリントン楽団のテーマ曲として知られているジャズの代表的なスタンダードナンバーです。
デュークさん自身も作曲家として多くの名曲を世に残していますが、こちらの『Take the ‘A’ Train』は楽団のピアニストを務めていたビリー・ストレイホーンさんにデュークさんが作曲を依頼して生まれた楽曲であり、1941年に楽団によって初演、レコードでも発売されて大ヒットしたという経緯があるのですね。
「A列車」の由来はニューヨーク市地下鉄A系統、つまり地下鉄のことであり、スウィンギンなリズムと転がるようなピアノの音色から何となく青空の下を力強く走る列車をイメージされていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
日本でも多くの歌手や楽団がカバーしており、有名どころでいえば美空ひばりさんが日本語の歌詞を付けたバージョンを歌ってシングルとしても発売していますし、日本が誇るビッグバンドの原信夫とシャープス&フラッツもこの楽曲を取り上げています。
My Funny ValentineChet Baker7位

「プリンス・オブ・クール」の愛称で親しまれたチェット・ベイカーさんによる珠玉のバラードは、ジャズの名曲としてあまりにも有名な作品です。
少し変わった恋人の見た目や癖もすべてが愛おしい、という逆説的な愛情を歌った歌詞の世界観が、彼の物憂げで繊細な歌声と見事に調和しています。
本作は、1954年5月に彼の歌声を初めて本格的に収めた名盤『Chet Baker Sings』に収録された一曲です。
後には映画『Sharky’s Machine』のサウンドトラックにも起用されました。
静かな夜、一人でじっくりと音楽の世界に浸りたい時にぴったりの、心に深く染みわたる名演と言えるでしょう。