カフェで流れる心地よいメロディから、映画の感動的なシーンを彩る情熱的な演奏まで。
マイルス・デイヴィスさんのクールなトランペット、アート・ブレイキーさんの力強いドラム、ビル・エヴァンスさんの繊細なピアノ。
時代を超えて愛され続けるジャズの名曲たちには、それぞれに魅力的なストーリーが息づいています。
音楽ファンの皆様から寄せられた熱い支持をもとに、珠玉の名演の数々をご紹介します。
ジャズの人気曲ランキング(1〜20)
Moanin’Art Blakey1位

最も偉大なジャズドラマーは誰かときかれれば、多くの方がアート・ブレイキーさんの名前をあげるのではないでしょうか。
彼は、細かくドラムを連打する演奏方法、通称ナイアガラロールの生みの親としても知られているんです、そんなアート・ブレイキーさんのドラムスキルが、これでもかと発揮されているのが、『Moanin’』という楽曲。
ドラムをメインにしているので、弾むようなサウンドに仕上がっています。
聴いていると、ついつい体を揺らしたくなってしまいますよ。
Waltz for DebbyBill Evans2位

秋の夜長にぴったりの楽曲として、ビル・エヴァンスさんの名作をご紹介します。
子供の無邪気な世界を描いた歌詞が印象的で、ピアノの優しい旋律が心に染み渡ります。
1961年にニューヨークのライブハウスで録音された本作は、エヴァンスさんのトリオによる名演奏として知られています。
姪への愛情を込めて作られたこの曲は、純真な喜びと大人への成長を巧みに表現しており、聴く人の心に深い感動を与えます。
秋の夕暮れ時、窓辺でゆったりと過ごすひとときに、ぜひこの曲を聴いてみてください。
きっと、あなたの心に暖かな光を灯してくれることでしょう。
So WhatMiles Davis3位

「帝王」の異名を持つマイルス・デイヴィスさんは既存のルールに縛られない自由な発想でジャズの可能性を別次元へと導き、ジャズ好きのみならずロックなど他の分野においても絶大な影響力を誇るトランペット奏者の偉人です。
そんなマイルスさんが1959年にリリースしたアルバム『Kind of Blue』はモダンジャズの傑作中の傑作と言われ、いわゆる「モードジャズ」と呼ばれる手法を発展させたアンサンブルも含めて音楽史にその名を刻んだ作品なのですね。
商業的にも破格の成功を収め、ジャズを語る上では欠かすことのできないアルバムということは間違いないのですが『BLUE GIANT』とのつながりも非常に重要なもので、主人公の宮本大が最初に友人から借りるジャズのCDの3枚の内の1つがこちらの『Kind of Blue』なのです。
ある意味『BLUE GIANT』の始まりの1枚とも言えますし、まだこのアルバムを聴いたことがない方であれば、大と同じような気持ちを味わえるということですからぜひチェックしてほしいですね。
本稿で紹介しているのはアルバムの冒頭を飾る名曲『So What』。
ジャズ界きっての名プレイヤーたちがそろった演奏の素晴らしさは言うまでもなく、マイルスさんにとってもジャズの歴史においても欠かせない名曲をこの機会に味わってみてください!
What a Wonderful WorldLouis Armstrong4位

緑の木々、赤いバラ、青い空、そして虹の色彩。
自然の美しさを歌い上げる本作は、ジャズの巨匠ルイ・アームストロングさんが1967年にリリースした珠玉のバラードです。
人々が握手を交わし、赤ん坊が成長していく様子を優しく描写する歌詞には、人間愛と未来への希望が込められています。
アームストロングさんの温かみのある低音ボイスが、曲の魅力をさらに引き立てています。
1987年の映画『グッドモーニング, ベトナム』での使用をきっかけに再評価され、グラミー賞の殿堂入りも果たしました。
心が疲れているときや、世界の美しさを再認識したいときにぜひ聴いてみてください。
Take The A TrainDuke Ellington5位

『A列車で行こう』という邦題があまりにも有名なこちらの『Take the ‘A’ Train』は、圧倒的なパフォーマンスで戦前においてスウィング・ブームを巻き起こし、多くのスタンダードナンバーを世に送り出したデューク・エリントン楽団のテーマ曲として知られているジャズの代表的なスタンダードナンバーです。
デュークさん自身も作曲家として多くの名曲を世に残していますが、こちらの『Take the ‘A’ Train』は楽団のピアニストを務めていたビリー・ストレイホーンさんにデュークさんが作曲を依頼して生まれた楽曲であり、1941年に楽団によって初演、レコードでも発売されて大ヒットしたという経緯があるのですね。
「A列車」の由来はニューヨーク市地下鉄A系統、つまり地下鉄のことであり、スウィンギンなリズムと転がるようなピアノの音色から何となく青空の下を力強く走る列車をイメージされていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
日本でも多くの歌手や楽団がカバーしており、有名どころでいえば美空ひばりさんが日本語の歌詞を付けたバージョンを歌ってシングルとしても発売していますし、日本が誇るビッグバンドの原信夫とシャープス&フラッツもこの楽曲を取り上げています。