【秋ジャズ】秋に聴きたいジャズの名曲・人気曲
秋の夜長にじっくりと聴いてみたい、そんな音楽ジャンルの筆頭に挙げられるのもジャズではないでしょうか。
暑かった夏が過ぎ去って、独特の寂しさが漂う季節にジャズという音楽は実によく似合います。
実際、秋をテーマとしたジャズのスタンダードナンバーは多く、相性の良さは折り紙付きと言えるでしょう。
本稿では「秋に聴きたいジャズの名曲」と題して、秋が主題の曲はもちろん、秋っぽい雰囲気を感じさせる秋ジャズの名曲をたっぷりとご紹介いたします。
物思いにふける午後の一時に、大人の気分を味わってみたい静かな夜に……ぜひお楽しみください!
【秋ジャズ】秋に聴きたいジャズの名曲・人気曲(1〜10)
September SongFrank Sinatra

20世紀を代表するエンターテイナー、フランク・シナトラさん。
「ザ・ヴォイス」と称された彼の歌声は、今も多くの人を魅了していますね。
彼が歌い上げた秋の名曲は、人生の季節を9月に重ね、限りある時間の中で愛する人と過ごすことの尊さを描いた作品です。
円熟味を帯びたシナトラさんの歌唱が、主人公の切なくも温かい感情に深い説得力を与えています。
本作はシナトラさんによって1946年11月にシングル化され全米8位を記録、後年にはグラミー賞を受賞したアルバム『September of My Years』にも収録されました。
映画『September Affair』でもおなじみですね。
秋の夜長にじっくりと味わいたい、珠玉のバラードに仕上げられています。
In a Sentimental MoodDuke Ellington & John Coltrane

ジャズ界の二大巨頭、ピアニストのデューク・エリントンさんとサックス奏者のジョン・コルトレーンさんによる夢の共演作ですね。
本作は、愛する人に包まれる幸福感と、それによって過去の孤独が癒やされていく様子が描かれた、とてもロマンチックなテーマを持っています。
エリントンさんの洗練されたピアノに、コルトレーンさんの驚くほど優しく甘美なテナーサックスが溶け合う様はまさに絶品です。
このバージョンは1962年9月に歴史的な名盤『Duke Ellington & John Coltrane』で録音され、2005年の映画『Prime』のサウンドトラックにもなりました。
物思いにふける秋の夜、少しセンチメンタルな気分で聴きたい曲に仕上げられています。
I Fall in Love Too EasilyChet Baker

「プリンス・オブ・クール」と称され、クール・ジャズを代表するチェット・ベイカーさん。
彼の魅力はトランペットだけでなく、その繊細でどこか物悲しいボーカルにあります。
そんな彼の名バラードが、秋の夜長にしっくりくるこちらの1曲です。
恋に落ちやすいけれど、その恋がいつも実らないやるせない気持ちが、ベイカーさんのはかない歌声と見事に調和しています。
本作は1954年に世に出た名盤『Chet Baker Sings』に収められた作品で、当時の人気はすさまじく、人気投票ではマイルス・デイビスさんらを抑えるほどでした。
感傷的な気分に浸りたい秋の夜にぴったりの作品ですね!
DjangoThe Modern Jazz Quartet

夭折した天才ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトさんへささげられた、ピアニストのジョン・ルイスさんによる鎮魂の1曲です。
彼が音楽監督を務めたThe Modern Jazz Quartetは、クラシックの要素を取り入れた洗練された演奏で知られていますよね。
1954年に録音されたこの楽曲は、名盤『Django』の表題曲にもなっています。
静かで物悲しい序奏から、ミルト・ジャクソンさんのヴィブラフォンがブルージーな旋律を奏でる展開は、聴く者の心を深く揺さぶります。
本作の構築美は、まさに秋の夜長にじっくりと味わいたい芸術品。
物思いにふける時間に、しっとりと寄り添ってくれるのではないでしょうか。
MoonglowArtie Shaw

ジャズとクラシックの融合を試みた革新性を持つ、クラリネット奏者のアーティ・ショウさん。
彼が率いるビッグバンドによる本作は、月の光がテーマのロマンチックなスタンダードナンバーです。
ゆったりとしたフォックストロットのリズムに乗せたスウィングジャズにあたる作品で、ショウさんの流麗で艶のあるクラリネットの音色が、秋の夜空に輝く月を思わせ、聴く人を切なくも甘いムードで包み込みます。
この楽曲は、1941年にシングルとして発売された作品で、その後アルバム『Four Star Favorites』にも収録されました。
物思いにふける秋の午後に、じっくりと耳を傾けてみてはいかがでしょうか?
IsfahanDuke Ellington

ジャズの巨匠として知られるデューク・エリントンさん。
彼が率いた楽団は、ジャズを芸術の域まで高めたことで有名ですね。
本作は、彼の右腕であったビリー・ストレイホーンさんとの共作で、秋の物憂げな雰囲気にぴったりのインストゥルメンタルバラードです。
ジョニー・ホッジスさんが奏でるアルトサックスの甘美で切ない音色は、遠い異国の古都に漂う夕暮れの空気を思わせ、聴く人をノスタルジックな気分に浸らせます。
この楽曲は1967年6月リリースの名盤『The Far East Suite』に収められた1曲で、演劇の着想源にもなりました。
物思いにふける静かな夜に、じっくり味わいたい名演です。
Autumn SerenadeJohn Coltrane & Johnny Hartman

セクシーなムードがただようバリトンボイスを持つ、ジャズボーカリストのジョニー・ハートマンさんとトップクラスのテクニックを持つ、テナーサックス奏者のジョニー・コルトレーンさんによる名曲『Autumn Serenade』。
コードよりもモード、つまり旋法を重視したモード・ジャズにあたる楽曲で、ハートマンさんのゆるやかなボーカルとコルトレーンさんのモードを重視したテナーサックスが秋らしい、しぶい雰囲気をかもしだしています。