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【洋楽ジャズ】一度は聴いたことのあるスタンダードナンバー特集

ジャズのスタンダードナンバーと言われて、皆さんはどのような楽曲を思い浮かべますでしょうか。

実はテレビのCMやデパートの店内BGMなどで一度は耳にしている楽曲の多くが、ジャズのスタンダードナンバーであったりするのですね。

今回はジャズ・ミュージックとして長年愛され続けている「スタンダードナンバー」をテーマとして、映画用に作られてそのままジャズ界のアーティストたちに繰り返しカバーされた名曲から、ジャズ・ミュージシャン自身が作曲したナンバーまでを一挙ご紹介。

戦前の有名曲から戦後のモダン・ジャズ、70年代のフュージョン系の名曲に80年代のポピュラー音楽などにも目を向けた幅広いラインアップでお届けします!

【洋楽ジャズ】一度は聴いたことのあるスタンダードナンバー特集(1〜20)

BirdlandWeather Report

メイナード・ファーガソンさんのバンドやマイルス・デイヴィスさんのグループのメンバーという共通点を持つ、シンセサイザー奏者のジョー・ザヴィヌルさんとサックス奏者のウェイン・ショーターさんを中心として1970年に結成されたウェザー・リポートは、フュージョン~クロスオーバーを代表するグループです。

高度なテクニックを持つミュージシャンたちによる、ジャンルの枠内をとびこえた自由度の高いアンサンブルと先鋭的なセンスが生み出す作品の数々が後続のアーティストやバンドに多大なる影響を及ぼしたことは、いまさら語るまでもないでしょう。

そんな彼らが作り上げた名曲もスタンダードナンバーの地位を確立した楽曲が多く、中でも1977年にリリースされて大ヒットを記録した名盤『Heavy Weather』のオープニングを飾る『Birdland』は、フュージョンの歴史においても非常に重要な楽曲として評価されている名曲中の名曲です。

不世出のベーシスト、ジャコ・パストリアスさんのフレットレス・ベースによるピッキング・ハーモニクスを駆使したプレイのインパクトは絶大ですし、メイン・フレーズのメロディも覚えやすくて素晴らしいですよね。

実際、ジャズ・コーラス・グループのマンハッタン・トランスファーがボーカル曲としてカバーしてヒットさせているのですよ。

ちなみにこちらの楽曲のタイトルは、チャーリー・パーカーさんのニックネームにちなんだ名前を持つ、1949年から1965年までニューヨーク市マンハッタンに存在したジャズクラブをオマージュしたものです。

A Night in TunisiaDizzy Gillespie

Dizzy Gillespie feat. Charlie Parker – A Night In Tunisia
A Night in TunisiaDizzy Gillespie

『チュニジアの夜』という邦題でも有名な『A Night in Tunisia』は、著名なジャズ・トランペッターのディジー・ガレスピーさんとピアニストのフランク・パパレリさんが共作して生まれた曲で、作曲された時期は1942年と言われていますが1943年、または1944年という説もあるそうです。

ガレスピーさんはいわゆるモダン・ジャズの原型となった「ビバップ」の立役者であり、新世代のジャズの名曲として早い段階で多くのジャズ・アーティストがライブのレパートリーに取り上げ、50年代の時点ではすでにスタンダードナンバーとしての地位を確立していたという楽曲なのですね。

ラテン・ジャズを世に知らしめた一面も持つガレスピーさんらしいアフロ・ビートを用いたパートと、王道のジャズ的な4ビートのパートが組み合わさった楽曲展開が何ともクールでカッコいいです!

この楽曲については後に歌詞が付けられて歌曲としても愛され続けており、中でもあのチャカ・カーンさんは『And The Melody Still Lingers On (A Night in Tunisia)』というタイトルで自ら作詞してファンク・バージョンとしてリメイク、作曲者のガレスピーさんも参加してのレコ―ディングが実現しています。

1981年にリリースされたアルバム『What Cha’ Gonna Do for Me』に収録されていますから、そちらもぜひチェックしてみてください!

【洋楽ジャズ】一度は聴いたことのあるスタンダードナンバー特集(21〜40)

Spring, Spring, SpringJohnny Mercer

春の生命力が躍動する陽気なメロディーと、ウィットに富んだ歌詞が魅力的な一曲。

アメリカを代表する作詞家ジョニー・マーサーさんが描く春の情景は、カエルやカモなどの生き物たちの姿を通して、自然界の喜びと再生を温かく表現しています。

1954年6月にM-G-Mスタジオオーケストラによってリリースされ、同年のミュージカル映画『掠奪された七人の花嫁』で主要なシーンを彩りました。

本作は、1976年にはビング・クロスビーさんとフレッド・アステアさんによるデュエットでも取り上げられ、新たな輝きを放っています。

朝の散歩や春の行楽のお供に聴いていただきたい、心温まるジャズスタンダードです。

St. ThomasSonny Rollins

Sonny Rollins – St. Thomas (Official Audio)
St. ThomasSonny Rollins

カリプソのリズムとジャズの融合が生み出す魅力的な一曲。

ソニー・ロリンズさんの母親が幼少期に歌ってくれた子守唄をもとに作られたこの楽曲は、カリブの陽気な雰囲気と自由な即興演奏が見事に調和しています。

1956年6月22日、ニュージャージー州で録音された本作は、アルバム『Saxophone Colossus』に収録され、ジャズのスタンダードナンバーとしての地位を確立しました。

軽快なメロディーと力強いサックスの音色が、聴く人の心を明るく躍らせます。

ストレス解消や気分転換したい時、また、ジャズの魅力を再発見したい方にぜひおすすめです。

FootprintsWayne Shorter

ジャズの世界に革命をもたらした名曲が、ここにあります。

12小節のブルース形式を基調としながら、独特のリズムとハーモニーで聴く者を魅了します。

アフリカ音楽にルーツを持つポリリズムや、通常とは異なるコード進行が、深い音楽性を感じさせます。

1966年、アルバム『Adam’s Apple』で初めて世に出たこの楽曲は、同年にマイルス・デイヴィスのアルバム『Miles Smiles』にも収録され、ジャズ界に大きな影響を与えました。

ジャズの歴史や進化に興味がある方、そして複雑なリズムとハーモニーを楽しみたい方にぜひおすすめです。

ウェイン・ショーターさんの音楽的探求心が詰まった一曲を、ぜひじっくりと味わってみてください。

Round MidnightThelonious Monk

Thelonious Monk Quartet – ‘Round Midnight
Round MidnightThelonious Monk

なんというか『’Round Midnight』というタイトルだけ見ても、実にクールな雰囲気を感じ取れますよね!

もちろん楽曲自体も最高にクールで美しい名曲『’Round Midnight』は、即興による独特のピアノ・スタイルと多くのスタンダードナンバーを生み出した作曲家として著名なジャズ界の巨人、セロニアス・モンクさんが作曲して1944年に発表した楽曲です。

モンクさんの録音としては1947年のものが初とされており、そちらは1951年にリリースされた『Genius of Modern Music: Volume 1』で聴くことができます。

また、あのマイルス・デイヴィスさんが好んでこの楽曲を取り上げていたことでも知られており、1956年にリリースされた名盤『’Round About Midnight』ではオープニング・ナンバーとして収録されていますね。

そんなジャズのスタンダードナンバーとして最も有名な楽曲の1つであるこちらの『’Round Midnight』なのですがいろいろと謎も多く、原曲となったバージョンはモンクさんが19歳の時に作曲したものとも言われており、初めてこの楽曲を録音したのはクーティ・ウィリアムスさんが率いる楽団によるもので、かつスタンダードナンバーとして知られているバージョンはモンクさんによるオリジナルとは違う、というのも興味深いですよね。