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【まずはここから!】ジャズロックの名曲。おススメの人気曲

「ジャズロック」とは、文字通りジャズとロックを融合したクロスオーバーな音楽ジャンルであり、海外ではジャズ・フュージョンとも呼ばれているサブジャンルです。

ジャズ・サイドの革新的なミュージシャンたちによるロック的なアプローチを見せた作品や、ロック~プログレ系のバンドやアーティストによるジャズ的な要素を取り入れたサウンドといったものがあり、厳密な分類があるというわけではありません。

本稿では、ジャズロックとされる著名なバンドやアーティストたちによる名曲の数々を厳選してピックアップしています。

楽曲の素晴らしさはもちろん、参加しているミュージシャンたちの名前もぜひ覚えていってくださいね!

【まずはここから!】ジャズロックの名曲。おススメの人気曲(1〜10)

Wingful Of EyesGong

フランス発のプログレッシブ~サイケ~スペース・ロック・バンドとして異彩を放ったバンド、ゴング。

創設メンバーはオーストラリア出身のギタリストであり、初期ソフト・マシーンのメンバーとしても著名なデヴィッド・アレンさんで、アレンさん在籍時はサイケデリックで宇宙的な独自のサウンドを鳴らすバンドでした。

1975年にアレンさんを含む主要なメンバーが脱退、残されたドラマーのピエール・ムーランさんがバンドを再編して、ジャズ・ロックやフュージョンの要素を強めた新たなゴングとしてスタートを切った1976年作のアルバム『Shamal』の収録曲『Wingful Of Eyes』を紹介します。

どこかエキゾチックな雰囲気を思わせる旋律が印象的な歌モノで、フルートとヴィブラフォンが牧歌的かつ催眠的な音色を奏で、緻密なパーカッションのアレンジも含めてロック的なダイナミズムはほぼ皆無。

強烈なバンド・アンサンブルを味わいたいという方には向いてない音なのですが、他のジャズ・ロックでは味わえない独自の浮遊感を生み出す音世界は、一度はまってしまえば抜け出せなくなってしまう中毒性を兼ね備えています!

Twisted TrackNucleus

ニュークリアスは、優れたジャズ・トランペット奏者にしてマイルス・デイヴィスさんなど著名なジャズ・ミュージシャンに関する著作なども手掛けた文筆家でもある、スコットランド出身のイアン・カーさんを中心として1969年にデビューした英国産ジャズ・ロックの代表的なバンドです。

カール・ジェンキンスさんやクリス・スペディングさん、ジョン・マーシャルさんといった後にロック~プログレッシブ・ロック界において名声を得るミュージシャンたちが参加していたことでも知られています。

洗練されたブリティッシュ・ジャズにロック的なダイナミズムを導入、緊張感あふれる即興演奏の中にも哀愁や叙情性といった要素を感じさせる、どこを切り取ってもイギリスとしか言いようのないサウンドは高く評価されています。

1970年に発表されたデビュー・アルバム『Elastic Rock』の時点で基本的なスタイルは確立されており、優れたミュージシャンたちによるアンサンブルはいつ聴いても新鮮に感じられます。

こちらの『Twisted Track』は同作品の収録曲の中でも、絡み合うホーン・セクションによるロマンチックな旋律とギターの叙情的な音色が印象的ながら、動き回るベース・ラインとジャズ的なドラムスが独特の緊張感を生み出している洗練を極めた名曲です!

ジャズでありながら、ストレートなジャズとは違った雰囲気を持っている、というのが何とも言えず味わい深いですね。

Feels Good To MeBruford

1977年から1980年という短い活動期間ながら3枚のアルバムを残し、ジャズ・ロック~プログレ~フュージョンの世界では高い評価を誇るブルーフォード。

イエスやキング・クリムゾン、U.K.などのプログレッシブ・ロック系のバンドにおける仕事で著名なドラマー、ビル・ブルーフォードさんのソロ・プロジェクトであり、1978年にはバンド形態として発展した形の「ブルーフォード」として活動しました。

本稿で取り上げている『Feels Good To Me』は、ソロ名義として1977年にリリースされたデビュー・アルバム『Feels Good to Me』の表題曲。

フルーフォードさんとの強力なリズム隊コンビとしても有名なベーシストのジェフ・バーリンさん、カンタベリー系の人脈からギタリストのアラン・ホールズワースさんやキーボーディストのデイヴ・スチュワートさんといった卓越したミュージシャンたちが結集、それぞれの個性を発揮させながらも割合に聴きやすいフュージョン~ジャズ・ロックとなっております。

カンタベリー・ロック的な雰囲気はあまり感じられず、変拍子を用いながらもキメキメなフレーズが多く、どちらかといえばフュージョン寄りのサウンドですから、そういった点がお好きな方であれば特にオススメしたいですね。

【まずはここから!】ジャズロックの名曲。おススメの人気曲(11〜20)

IllusionIsotope

実質的な活動期間は5年程度、残したオリジナル・アルバムは3枚のみというキャリアながら、ジャズ・ロックやプログレッシブ・ロックを愛好するファンには知名度の高いバンドがイギリスのアイソトープです。

後にソロとしても活躍するギタリスト、ゲイリー・ボイルさん以外はメンバーは流動的だったアイソトープのサウンドは、むしろバンドの解散から何十年もたって再評価されました。

70年代の英国ジャズ・ロック王道とも言えるクロスオーバーなアンサンブルは非常に洗練されており、どのアルバムを聴いても間違いなく楽しめるものではありますが、今回はソフト・マシーンのベーシストとしても著名なヒュー・ホッパーさんが参加した1974年のセカンド作『Illusion』の表題曲を紹介しましょう。

ホッパーさんは作曲面でも多大な貢献を果たしており、ジャズ・ロックに興味のある方はもちろん、カンタベリー系のサウンドをお好きな方であればぜひチェックしていただきたいですね。

ボイルさんの流麗な速弾きを筆頭に、スリリングなバンド・アンサンブルは熱さを感じさせながらも、全体気にクールな雰囲気というのがいかにもイギリスのバンドといった趣です!

Cause We’ve Ended As LoversJeff Beck

世界3大ギタリストの1人として数え切れないほどの名演を残し、2020年代の今もバリバリの現役として活躍し続けるジェフ・ベックさん。

その長いキャリアの中で、ヤードバーズ在籍時の若きロック・ギタリスト時代を経て、自身をリーダーとするグループを率いてからはさまざまなジャンルに挑戦し、ジャズ~フュージョン・サウンドからエレクトロニカにテクノロックまで柔軟な創作活動を見せるベックさんですが、今回は1975年にリリースされた代表作の1枚『Blow by Blow』に収録されている名曲『Cause We’ve Ended As Lovers』を取り上げます。

『哀しみの恋人達』という邦題でも知られるこちらの楽曲は、あのスティーヴィー・ワンダーさんがシリータ・ライトさんというシンガーに提供した楽曲のインストゥルメンタル・バージョンで、ベックさんの独創的な解釈に基づいたさまざまなテクニックでドラマチックに展開していく代表曲の1つとして知られています。

マハヴィシュヌ・オーケストラのアルバム『Apocalypse』を手掛けたジョージ・マーティンさんがアルバム全体をプロデュースしていることも踏まえて、ジャズ・ロックを知る上でも欠かせない名曲であると言えましょう。

John McLaughlinMiles Davis

「モダン・ジャズの帝王」にして、エレクトリック・ジャズやヒップホップといった先鋭的かつ挑戦的なサウンドを次々と提示、ジャズの巨人でありながらもロックやプログレなど多くのアーティストたちに影響を与え続けるマイルス・デイヴィスさん。

エレクトリック期と呼ばれる時期のマイルスさんのサウンドは、フュージョンやジャズ・ロックといったジャンルの形成においても多大なる影響を及ぼしていますね。

1970年にリリースされた2枚組の大傑作『Bitches Brew』は、多くの人に驚きを持って迎えられた革新的な作品として知られています。

ジャズとロック、そしてファンクの要素も融合させたサウンドは2020年代の今もなお色あせることはないですよね。

『Bitches Brew』には歴史にその名を残す多くの名プレイヤーたちが参加していますが、ジャズ・ロックという観点においてはマハヴィシュヌ・オーケストラを結成するジョン・マクラフリンさんがギタリストとして参加していることに注目してください。

本稿で取り上げている楽曲『John McLaughlin』は、まさにタイトル通りマクラフリンさんのギターを全面に押し出したクールなジャズ・ロックといった趣で、大作メインの他の楽曲と比べて4分半程度の佳曲ということもあり、即興演奏中心のジャズに苦手意識のあるロック好きでも楽しめるはず!

L’elefante biancoArea

イタリアのプログレッシブ・ロック系のバンドはイギリスとはまた違った魅力があり、ここ日本においても根強いファンが多いです。

イタリアン・プログレ界の代表的なバンドの1つであるアレアも、中心人物であり若くして亡くなったボーカル兼キーボーディスト、奇才デメトリオ・ストラトスさんの特異なスタイルを軸とした超個性的なサウンドで知られる存在です。

ストラトスさんが在籍してた時期に発表された4枚のアルバムはどれも高い評価を受けており、コマーシャルなプログレとは一線を画す実験的なサウンドは、初めて聴いた方であれば戸惑ってしまうかもしれませんね。

こちらの力強いピアノとボーカルで始まる『L’elefante bianco』は、1975年にリリースされたサード・アルバム『Crac!』のオープニング・ナンバーです。

複雑かつ緻密に絡み合う各楽器の高度なプレイ、ポリリズムの嵐、民族音楽的なフレーズを繰り広げるシンセ、といったサウンドながらも彼らの音としてはある程度の聴きやすさもあり、ブルガリア民謡から影響を受けたという情熱的なメロディも印象深い名曲です!