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【まずはここから!】ジャズロックの名曲。おススメの人気曲

「ジャズロック」とは、文字通りジャズとロックを融合したクロスオーバーな音楽ジャンルであり、海外ではジャズ・フュージョンとも呼ばれているサブジャンルです。

ジャズ・サイドの革新的なミュージシャンたちによるロック的なアプローチを見せた作品や、ロック~プログレ系のバンドやアーティストによるジャズ的な要素を取り入れたサウンドといったものがあり、厳密な分類があるというわけではありません。

本稿では、ジャズロックとされる著名なバンドやアーティストたちによる名曲の数々を厳選してピックアップしています。

楽曲の素晴らしさはもちろん、参加しているミュージシャンたちの名前もぜひ覚えていってくださいね!

【まずはここから!】ジャズロックの名曲。おススメの人気曲(1〜20)

StratusBilly Cobham

ジャズ・ロックの歴史を語る上では欠かせない超絶テクニックを持つドラマーと言えば、1944年生まれのパナマ系アメリカ人のビリー・コブハムさんです。

マイルス・デイヴィスさんやマハヴィシュヌ・オーケストラといった革新的なジャズ・アーティスト~グループとの歴史的な仕事はもちろん、ソロ・アーティストとしても多くの作品をリリースしているビリーさんの輝かしいディスコグラフィの中でも、今回は1973年にリリースされた記念すべきソロ・デビュー作『Spectrum』に収録された楽曲『Stratus』を紹介します。

マハヴィシュヌ・オーケストラでの経験を踏まえたクロスオーバーなフュージョン・サウンドをさらにロックに寄せたといった趣のバンド・アンサンブルは最高に刺激的でカッコいいです!

ドラマチックな楽曲展開を先導し、柔に剛にと暴れ回るビリーさんのドラム・プレイはもちろん、参加したミュージシャンの熱演も素晴らしく、ディープ・パープルのギタリストにして本作から2年後に25歳の若さで亡くなってしまった、トミー・ボーリンさんによる弾きまくりな熱いギター・ソロも聴きどころですね。

余談ですが、この楽曲はマッシブ・アタックの名曲『Safe From Harm』に引用されていますから、合わせてチェックしてみてください!

Twisted TrackNucleus

ニュークリアスは、優れたジャズ・トランペット奏者にしてマイルス・デイヴィスさんなど著名なジャズ・ミュージシャンに関する著作なども手掛けた文筆家でもある、スコットランド出身のイアン・カーさんを中心として1969年にデビューした英国産ジャズ・ロックの代表的なバンドです。

カール・ジェンキンスさんやクリス・スペディングさん、ジョン・マーシャルさんといった後にロック~プログレッシブ・ロック界において名声を得るミュージシャンたちが参加していたことでも知られています。

洗練されたブリティッシュ・ジャズにロック的なダイナミズムを導入、緊張感あふれる即興演奏の中にも哀愁や叙情性といった要素を感じさせる、どこを切り取ってもイギリスとしか言いようのないサウンドは高く評価されています。

1970年に発表されたデビュー・アルバム『Elastic Rock』の時点で基本的なスタイルは確立されており、優れたミュージシャンたちによるアンサンブルはいつ聴いても新鮮に感じられます。

こちらの『Twisted Track』は同作品の収録曲の中でも、絡み合うホーン・セクションによるロマンチックな旋律とギターの叙情的な音色が印象的ながら、動き回るベース・ラインとジャズ的なドラムスが独特の緊張感を生み出している洗練を極めた名曲です!

ジャズでありながら、ストレートなジャズとは違った雰囲気を持っている、というのが何とも言えず味わい深いですね。

Feels Good To MeBruford

1977年から1980年という短い活動期間ながら3枚のアルバムを残し、ジャズ・ロック~プログレ~フュージョンの世界では高い評価を誇るブルーフォード。

イエスやキング・クリムゾン、U.K.などのプログレッシブ・ロック系のバンドにおける仕事で著名なドラマー、ビル・ブルーフォードさんのソロ・プロジェクトであり、1978年にはバンド形態として発展した形の「ブルーフォード」として活動しました。

本稿で取り上げている『Feels Good To Me』は、ソロ名義として1977年にリリースされたデビュー・アルバム『Feels Good to Me』の表題曲。

フルーフォードさんとの強力なリズム隊コンビとしても有名なベーシストのジェフ・バーリンさん、カンタベリー系の人脈からギタリストのアラン・ホールズワースさんやキーボーディストのデイヴ・スチュワートさんといった卓越したミュージシャンたちが結集、それぞれの個性を発揮させながらも割合に聴きやすいフュージョン~ジャズ・ロックとなっております。

カンタベリー・ロック的な雰囲気はあまり感じられず、変拍子を用いながらもキメキメなフレーズが多く、どちらかといえばフュージョン寄りのサウンドですから、そういった点がお好きな方であれば特にオススメしたいですね。

All Along the WatchtowerAffinity

たった1枚のアルバムを残して解散してしまったバンドながら、先鋭的な英国プログレッシブ・ロック~ジャズ・ロックが現在に至るまで絶大な人気を誇るアフィニティー。

実質的な活動期間は1968年から1972年までの4年程度、残念ながら商業的な成功に恵まれることもなかったのですが、1970年にリリースされた唯一のアルバム『Affinity』の完成度の高さは折り紙付きで、世界中のブリティッシュ・ロック~プログレ好きに愛され続けている名盤中の名盤なのですね。

当時は20代前半だった紅一点のボーカリスト、リンダ・ホイルさんによるスモーキーかつ独特の色気と年齢に見合わない渋さを兼ね備えたボーカル、引き出しの多いギター・プレイ、淡い音色ながらも抜群の存在感でサウンドをけん引するオルガン、ジャズ的なフィーリングで楽曲の土台を引き締めるリズム隊……楽曲によってはあのレッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズさんがブラス・セクションのアレンジで参加していることもあり、これぞイギリスとしか言いようのないサウンドがたまりませんね。

全曲必聴ではありますが、今回はアルバムのラストを飾るボブ・ディランさんの楽曲のカバー『All Along The Watchtower』を取り上げます。

ジャズ、プログレ、サイケといったキーワードにピンとくる方であれば、必ずや昇天必至の音世界ですよ!

IllusionIsotope

実質的な活動期間は5年程度、残したオリジナル・アルバムは3枚のみというキャリアながら、ジャズ・ロックやプログレッシブ・ロックを愛好するファンには知名度の高いバンドがイギリスのアイソトープです。

後にソロとしても活躍するギタリスト、ゲイリー・ボイルさん以外はメンバーは流動的だったアイソトープのサウンドは、むしろバンドの解散から何十年もたって再評価されました。

70年代の英国ジャズ・ロック王道とも言えるクロスオーバーなアンサンブルは非常に洗練されており、どのアルバムを聴いても間違いなく楽しめるものではありますが、今回はソフト・マシーンのベーシストとしても著名なヒュー・ホッパーさんが参加した1974年のセカンド作『Illusion』の表題曲を紹介しましょう。

ホッパーさんは作曲面でも多大な貢献を果たしており、ジャズ・ロックに興味のある方はもちろん、カンタベリー系のサウンドをお好きな方であればぜひチェックしていただきたいですね。

ボイルさんの流麗な速弾きを筆頭に、スリリングなバンド・アンサンブルは熱さを感じさせながらも、全体気にクールな雰囲気というのがいかにもイギリスのバンドといった趣です!

John McLaughlinMiles Davis

「モダン・ジャズの帝王」にして、エレクトリック・ジャズやヒップホップといった先鋭的かつ挑戦的なサウンドを次々と提示、ジャズの巨人でありながらもロックやプログレなど多くのアーティストたちに影響を与え続けるマイルス・デイヴィスさん。

エレクトリック期と呼ばれる時期のマイルスさんのサウンドは、フュージョンやジャズ・ロックといったジャンルの形成においても多大なる影響を及ぼしていますね。

1970年にリリースされた2枚組の大傑作『Bitches Brew』は、多くの人に驚きを持って迎えられた革新的な作品として知られています。

ジャズとロック、そしてファンクの要素も融合させたサウンドは2020年代の今もなお色あせることはないですよね。

『Bitches Brew』には歴史にその名を残す多くの名プレイヤーたちが参加していますが、ジャズ・ロックという観点においてはマハヴィシュヌ・オーケストラを結成するジョン・マクラフリンさんがギタリストとして参加していることに注目してください。

本稿で取り上げている楽曲『John McLaughlin』は、まさにタイトル通りマクラフリンさんのギターを全面に押し出したクールなジャズ・ロックといった趣で、大作メインの他の楽曲と比べて4分半程度の佳曲ということもあり、即興演奏中心のジャズに苦手意識のあるロック好きでも楽しめるはず!