【まずはこの1枚】ジャズの名盤。必聴のアルバムセレクション
ジャズという音楽ジャンルに対して、皆さまはどのような印象をお持ちでしょうか?
何となくオシャレ、もしくは敷居が高そうといったイメージがあるかもしれませんね。
多くのサブ・ジャンルも存在するジャズの歴史は簡単に語れるものではありませんし、もちろん古い時代だけの音楽というわけでもないのです。
今回は、興味はあるけど何から聴いていいのか分からないといった方に向けて、まずはこの1枚、といったジャズ史に残るスタンダードな名盤の数々をピックアップしてみました。
ぜひ、チェックしてみてくださいね!
【まずはこの1枚】ジャズの名盤。必聴のアルバムセレクション(1〜10)
Waltz for DebbyBill Evans

ジャズという音楽は日本でも人気の高いジャンルですが、ピアノがリーダーとなっているピアノ・トリオの作品に対する日本のジャズ・ファンの情熱は並々ならぬものがあります。
抒情的なピアノのフレーズは、日本人の感性に不思議とマッチするようですね。
ジャズの中でも美しいピアノが楽しめるジャズ・アルバムのオススメは何か、という質問の答えとして筆頭に挙げられるのが、ジャズ・ピアノの詩人と呼ばれるビル・エヴァンスさんの作品群でしょう。
黒人音楽から生まれたジャズ界において、1960年代当時では珍しい白人のピアニストであり、ジャズ・ピアニストとしては最も有名かつ重要な存在であるエヴァンスさんの代表作の1つである『ワルツ・フォー・デビイ』は、1961年におこなわれたライブ音源を収録された、まさにピアノ・トリオの金字塔と呼べる傑作。
日本における人気はとくにすさまじく、大ヒットを記録してロングセラーとなっているアルバムです。
エヴァンスさんのリリカルなフレーズや繊細な響きはもちろん、天才的な才能を持ちながら25歳という若さで交通事故で亡くなってしまったベース奏者のスコット・ラファロさんの演奏も素晴らしく、まさにピアノ・トリオの基本を知りたければこれを聴くべき、と断言したい名盤ですよ。
So WhatMiles Davis

「モダン・ジャズの帝王」と呼ばれ、1940年代から1990年の初頭まで、先進的なスタイルでジャズの可能性を追求し続けた天才、トランペット奏者のマイルス・デイビスさん。
ジャズのみならず、あらゆる音楽に与えた圧倒的なインパクトや影響をここで語るのは不可能ですが、ジャズの歴史を知る上で欠かすことのできない作品を多く生み出し、その中にはジャズの歴史を揺るがすような問題作も多く含まれています。
今回は、モダン・ジャズの傑作中の傑作にして、マイルスさんの代表作の1つとして必ず名前の挙がる『カインド・オブ・ブルー』を紹介しましょう。
コード進行にとらわれないモード・ジャズとされる手法を用いた本作は1959年にリリースされ、世界中で1,000万枚というジャズ・アルバムとしては異例のセールスを記録した作品です。
ジョン・コルトレーンさんやキャノンボール・アダレイさん、ビル・エヴァンスさんなど、ジャズ界にその名を残すアーティストが参加、すべての要素が歴史的な名盤のために集まったのではないかと感じさせますね。
一流のミュージシャンたちによる、自由な即興演奏から生み出される音楽は限りなく美しく、永遠に聴いていたいと思わせる魅力であふれていますよ。
ImaginationArt Pepper

ウェストコーストジャズの代表格、アート・ペッパーさんの名盤『Meets The Rhythm Section』。
マイルス・デイヴィスさんのリズムセクションとの夢の共演が実現した1957年の作品です。
驚くべきことに、ペッパーさんは当日になって録音を知らされたとか。
それでも、冷静かつエモーショナルなサックスの音色が見事に響き渡ります。
クールジャズやビバップの要素を融合させた洗練された演奏は、ジャズファンならずとも魅了されること間違いなし。
ペッパーさんの人生の転機となった、まさに必聴の一枚。
ジャズに興味はあるけど何を聴けばいいか分からない、そんな方にもおすすめです!
Keith Jarrett

キース・ジャレットさんの『The Köln Concert』は、ジャズピアノの可能性を広げた名盤です。
1975年にドイツで録音されたこのアルバムは、即興演奏の神髄を感じさせてくれます。
ジャレットさんの繊細なタッチと大胆なフレーズが織りなす音世界は、聴く人の心を揺さぶります。
録音時のエピソードも興味深く、不調のピアノを逆手に取った演奏は圧巻。
ジャズファンはもちろん、音楽を通して感動したい方にぜひ聴いてほしい1枚。
まるでピアノが踊っているかのような自由な演奏は、きっとあなたの心に響くはずです。
Moanin’Art Blakey & The Jazz Messengers

なんといっても、今回紹介するアルバムの表題曲であり、ファンキー・ジャズという音楽ジャンルの中でも屈指の人気曲『Moanin’』のかっこよさは、ジャズ初心者でもすぐに理解できるのではないでしょうか。
細かい連打を特徴とする「ナイアガラ・ロール」という奏法で知られる、人気ジャズ・ドラマーのアート・ブレイキーさんが、自身のバンドであるジャズ・メッセンジャーズを率いて1958年にリリースした『Moanin’』は、名門ブルーノート・レコードのカタログの中でも人気の高い「4000番台シリーズ」に名を連ねるジャズ・アルバムの傑作です。
冒頭で触れた表題曲はピアニストのボビー・ティモンズさんが作曲したもので、日本でもCM曲などに起用されたこともありますから、ファンキーなリズムとクールかつ軽やかなタッチのピアノのフレーズを聴いたことがある、という方もいらっしゃるはず。
アルバム全体的に、跳ねるビートのジャズの醍醐味がこれでもかと詰まった名曲ばかりが収録されており、聴いているだけで小粋な気分にひたれちゃいますね。
ちなみに、アート・ブレイキーさんは大の親日家で思わず心が温まるエピソードも多くありますから、興味のある方はぜひチェックしてみてください!
Cool Struttin’Sonny Clark

ジャズの歴史に輝く名盤、ソニー・クラークさんの『Cool Struttin’』をご紹介します。
1958年、ブルーノート・レコードからリリースされたこの作品は、ハードバップの神髄を体現しています。
クラークさんのピアノを中心に、アート・ファーマーさんのトランペットやジャッキー・マクリーンさんのサックスが絶妙に絡み合う、素晴らしい演奏が楽しめます。
タイトル曲『Cool Struttin’』をはじめ、どの曲も洗練されたグルーヴ感が魅力的。
クールでありながら情熱的な音楽に、きっと心を奪われることでしょう。
St. ThomasSonny Rollins

『サキソフォン・コロッサス』とは、ジャズ・サックス奏者の巨人、伝説的な存在にふさわしいアルバム・タイトルですよね!
1956年にリリースされ、ジャズの歴史において非常に重要な1枚として評価されている本作は、先述したようにジャズ・サックス奏者の第一人者であるソニー・ロリンズさんの代表的な1枚であり、1950年代が生んだモダン・ジャズの最高峰です。
2010年には80歳を記念したツアーをおこなうなど、まさにジャズ界の生き字引といえるロリンズさんの若き日の姿が浮かび上がってくるような、豪快かつ温かみのある演奏が存分に楽しめる、まさに基本中の基本と呼ぶべきアルバムでしょう。
ロリンズさん自身がイギリスの伝承歌曲を基に作り上げた『St. Thomas』は、アルバム収録曲の中でもとくに人気の高い楽曲で、ジャズのスタンダードナンバーとして多くのミュージシャンにカバーされ続けています。
そういった点も踏まえて、テナー・サックスの音色を楽しみたいと思われている方や、これからジャズの世界に足を踏み入れようとされている方へ最初に聴いてほしい作品として大推薦させていただきたいですね!






