【洋楽】ジャズギターの名盤。一度は聴きたいおすすめのアルバム
それほどジャズという音楽ジャンルに詳しくない方であれば、何となくピアノやサックスにトランペットなどの管楽器をイメージする人は多いのではないでしょうか。
ジャズの歴史において、ギターの立ち位置はリズムを担当する楽器であり、メインで活躍するものではなかったのですね。
ジャンゴ・ラインハルトさんやチャーリー・クリスチャンさんといった、戦前の偉大なギタリストたちの出現によってそのイメージは少しずつ変化し、50年代以降はウェス・モンゴメリーさんなどの天才がシーンを塗り替えていったのです。
今回はそんな洋楽ジャズギターの歴史に残る名盤をピックアップ、時代を問わず素晴らしいアルバムたちをご紹介します!
【洋楽】ジャズギターの名盤。一度は聴きたいおすすめのアルバム(1〜10)
Full HouseWes Montgomery

ギターのオクターブ奏法とダイナミックなサウンドが印象的なウエス・モンゴメリーさん。
彼のアルバムの中でもっとも代表的なものがこちらの『フルハウス』。
1962年にカリフォルニア州バークレーにあったライブハウスで収録されたライブ盤のアルバムです。
ライブ録音のアルバムはその場でのやり取りがダイレクトに伝わってきます。
ブルージーナ選曲が多く、テナーサックスのジョニー・グリフィンさん、ピアノのウィントン・ケリーさんなど共演者との化学反応が楽しめます。
Minor SwingDjango Reinhardt

ジプシージャズのギタリストとして知られているジャンゴ・ラインハルトさんとジャズバイオリニストのさきがけといわれるステファン・グラッペリさんが1949年にイタリアのツアーをした時に録音したもので、リズムセクションはイタリアのミュージシャンがつとめています。
ジャンゴさんの代表曲として知られる。
『マイナー・スウィング』などおなじみの曲ががふくまれており、当時のジプシージャズの雰囲気を存分に楽しめる名盤です。
Midnight BlueKenny Burrell

ブルージーなスタイルが魅力的で、日本でも人気のケニー・バレルさん。
ジャケットもいかにも名盤といったおもむきのブルーノートレーベルのアルバムがこちらの『ミッドナイト・ブルー』です。
1963年にリリースされました。
動画の曲には入っていませんが、同じくブルージーなスタイルが魅力のテナーサックス奏者、スタンリー・タレンタインさんもこちらのアルバムに参加しており、二人のブルースワールドが広がります。
コンガも入っており、当時人気だったラテンジャズのテイストも感じられます。
Night And DayJoe Pass

ジャズギターの代表的奏者の一人として、多くのファンを持つジョー・パスさん。
ジャズボーカリストのエラ・フィッツジェラルドさんとのデュオなどでも有名ですが、こちらのアルバムは彼のソロギターが楽しめるアルバムです。
1人で演奏しているのに、いろんなサウンドが聴こえてきて、バンドやオーケストラを聴いているような気分にさせられますよね。
曲はよく知られているジャズのスタンダードソングが多く、それを彼がどのように料理してくれるのかを聴くのも楽しみの一つです。
Alone Togetherjim hall

ギターとベースはどちらの弦楽器なので相性が良い組み合わせといわれています。
それが名手同士ならなおさらなのではないでしょうか。
ギター通のファンが多いジム・ホールさん、そして日本でもよく知られているロン・カーターさん、二人のアルバムがこちらです。
アルバムの中で演奏されているジャズ・スタンダード曲の『Alone Together』がアルバムタイトルとなっていますが、その名の通り、二人きりでの息の合ったデュオが楽しめます。
派手さはありませんが、余計なものがそぎ落とされたすがすがしさを感じます。
Flying HomeCharlie Christian

モダン・ジャズ・ギターの開祖といわれているチャーリー・クリスチャンさん。
彼以前はジャズ・ギターはリズムやコードを打ち出す楽器としての使い方が主でした。
こちらのアルバムは1939年から41年にかけてのベニー・グッドマン楽団での演奏を集めたものです。
この時代後、彼のスタイルはよりビバップなものになっていきます。
1941年にリリースされた『ミントンハウスのチャーリー・クリスチャン』と聴き比べてみるとより面白く鑑賞できますよ。
East Coast Love AffairKurt Rosenwinkel

1990年代以降のジャズギター・シーンを代表する存在のカート・ローゼンウィンケルさんは、古典的なビバップ音楽を現代に伝えるプレイヤーでありながら、ラッパーのQティップさんをプロデュースに迎えたアルバム『Heartcore』をリリースするなど、他ジャンルからの影響もうまく取り入れたトップ・ギタリストの1人です。
本稿で紹介している『East Coast Love Affair』は1996年にリリースされた初となるリーダー・アルバムで、活動の拠点としていたニューヨークはグリニッチ・ヴィレッジ地区のジャズクラブにてライブ録音されたもの。
スタンダードナンバーに加えて、今もライブの定番曲となっている自身のオリジナル楽曲も収録しており、作曲家としての才能も早くから発揮していたことが分かります。
落ち着いた雰囲気ながらも実にエモーショナルなサウンドは、夜に聴きたくなる音ですね。
同じく現代ジャズ界におけるトップ・ベーシストのアヴィシャイ・コーエンさん、ブラッド・メルドーさんとのトリオでも著名なドラマーのホルヘ・ロッシさん、といったカートさんにとっては同世代のプレイヤーたちが参加しており、今となっては非常に豪華な面々による若き日のプレイが楽しめるという点も見逃せません!