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素敵なジャズ

【まずはこの1枚】ジャズの名盤。必聴のアルバムセレクション

ジャズという音楽ジャンルに対して、皆さまはどのような印象をお持ちでしょうか?

何となくオシャレ、もしくは敷居が高そうといったイメージがあるかもしれませんね。

多くのサブ・ジャンルも存在するジャズの歴史は簡単に語れるものではありませんし、もちろん古い時代だけの音楽というわけでもないのです。

今回は、興味はあるけど何から聴いていいのか分からないといった方に向けて、まずはこの1枚、といったジャズ史に残るスタンダードな名盤の数々をピックアップしてみました。

ぜひ、チェックしてみてくださいね!

【まずはこの1枚】ジャズの名盤。必聴のアルバムセレクション(1〜10)

Full House

Full HouseWes Montgomery

Wes Montgomery quartet – full house
Full HouseWes Montgomery

ジャズ・ギタリストの伝説的なプレイヤーであり、後続のアーティストに多大なる影響を及ぼしたのが、1923年生まれのウェス・モンゴメリーさんです。

音楽一家の中で育ったというウェスさんですが、何と音譜を読めなかった上にギターの練習を始めたのは20歳の頃だったそうです。

独学で学んだギターは、親指1本でピッキングするスタイルが特徴的で、いわゆるオクターブ奏法を大々的に用いたプレイでジャズ・ギターの歴史を変えるほどの影響を与えました。

1962年にリリースされたアルバム『Full House』は、ギターを弾くウェスさんの手元をフォーカスしたアルバム・ジャケットがとてもカッコいい1枚です。

サックス奏者のジョニー・グリフィンさん、ピアニストのウイントン・ケリーさんらが参加した本作は、ジャズ・ギターの歴史に刻まれた名盤中の名盤!

ライブ録音ならではの心地いい緊張感と、スタジオ・アルバムにも引けをとらないアンサンブルの完成度の高さは今聴いても驚きの一言。

スタンダードなナンバーからウェスさんのオリジナル曲まで網羅した本作は、ジャズ・ギターの基本を楽しめる格好のアルバムと言えそうですね。

Saxophone Colossus

St. ThomasSonny Rollins

『サキソフォン・コロッサス』とは、ジャズ・サックス奏者の巨人、伝説的な存在にふさわしいアルバム・タイトルですよね!

1956年にリリースされ、ジャズの歴史において非常に重要な1枚として評価されている本作は、先述したようにジャズ・サックス奏者の第一人者であるソニー・ロリンズさんの代表的な1枚であり、1950年代が生んだモダン・ジャズの最高峰です。

2010年には80歳を記念したツアーをおこなうなど、まさにジャズ界の生き字引といえるロリンズさんの若き日の姿が浮かび上がってくるような、豪快かつ温かみのある演奏が存分に楽しめる、まさに基本中の基本と呼ぶべきアルバムでしょう。

ロリンズさん自身がイギリスの伝承歌曲を基に作り上げた『St. Thomas』は、アルバム収録曲の中でもとくに人気の高い楽曲で、ジャズのスタンダードナンバーとして多くのミュージシャンにカバーされ続けています。

そういった点も踏まえて、テナー・サックスの音色を楽しみたいと思われている方や、これからジャズの世界に足を踏み入れようとされている方へ最初に聴いてほしい作品として大推薦させていただきたいですね!

The Inner Mounting Flame

You Know, You KnowThe Mahavishnu Orchestra With John McLaughlin

1970年代のジャズ・フュージョン史において革命的な足跡を残したギタリスト、ジョン・マクラフリンさん率いるマハヴィシュヌ・オーケストラ。

マイルス・デイヴィスさんの作品でも知られるマクラフリンさんは、インド音楽の精神性とジャズ、ロックを融合させた独自の世界観を築き上げました。

1971年にリリースされた本作『The Inner Mounting Flame』は、ビリー・コブハムさんのポリリズミックなドラムとヤン・ハマーさんのキーボード、そしてエレクトリック・ヴァイオリンという異色の編成が生み出す超絶技巧と爆発的なエネルギーが凝縮された衝撃のデビュー作です。

変拍子を駆使した高速ナンバーから瞑想的な静寂まで、ジャズの即興性とロックのパワーが完璧に統合された革新的なサウンドは、ジャンルの枠を超えて多くのミュージシャンに影響を与え続けています。

ロックやプログレッシヴな音楽がお好きな方にもぜひ体験していただきたい、ジャズ・フュージョンの金字塔となる1枚ですよ。

【まずはこの1枚】ジャズの名盤。必聴のアルバムセレクション(11〜20)

The Shape Of Jazz To Come

Lonely WomanOrnette Coleman

『ジャズ来るべきもの』という邦題でも知られているこちらの『The Shape of Jazz to Come』は、フリー・ジャズのひな形を作り上げたと評される偉大な作品です。

ジャズ・サックス奏者にしてフリージャズの先駆的な存在、オーネット・コールマンさんが1959年に発表したアルバムで、スタンダードナンバーのカバーなどは含まれず、全曲がオーネットさんの作曲によるオリジナル曲で構成されています。

コルネット奏者のドン・チェリーさんとドラマーのビリー・ヒギンズさんに加えて、ベース奏者のチャーリー・ヘイデンさんが参加、2つのホーンがフロントに立つカルテットが生み出したサウンドは、ピアノを軸とした従来のジャズとはまったく違う音楽を生み出しました。

決まったコード進行や楽曲構成を意図的に逸脱し、不協和音が生み出す不思議なずれと美しい旋律とが同居する、まさに自由度の高い前衛ジャズの原点と呼ぶべきサウンドが本作の偉大な価値を決定付けているのです。

とはいえ、今聴くとそこまで難解というわけではなく、オーネットさんの作曲家としての才能も感じ取れるジャズの名盤として聴けるのではないでしょうか。

Somethin’ Else

Autumn LeavesCannonball Adderley

大食漢が由来だという「キャノンボール」というあだ名も特徴的なキャノンボール・アダレイさんは、かのマイルス・デイヴィスさんが率いるグループでの活躍や、ジャズだけにとどまらないクロスオーバー的なサウンドで人気を博した代表的なアルト・サックス奏者です。

マイルスさんの名作『カインド・オブ・ブルー』や、実験的な作品『ビッチェズ・ブリュー』などへの参加と並行してソロでも活動し、1961年にはブラジル音楽の代表格セルジオ・メンデスさんと共演した『キャノンボールズ・ボサ・ノヴァ』がヒットを記録。

ソウル・ジャズの領域においても優れた作品を生み出すなど、多彩な活躍を見せたアダレイさんが1958年にリリースしたソロ・アルバム『サムシン・エルス』は、実質的にはマイルス・デイヴィスさんが統制を執った1枚とされています。

名門ブルーノートから生まれた作品の中でも名盤中の名盤であり、基本中の基本と言えそうな本作の聴きどころは多くありますが、やはりジャズのスタンダードナンバーの中でもとくに有名な『枯葉』における哀愁漂うアンサンブルの妙は、これぞ大人のジャズと言いたい落ち着きと豊潤な響きにうっとりしてしまいます。

ジャズを聴く最初の1枚として、ふさわしい作品と言えるでしょう。

Maiden Voyage

Maiden VoyageHerbie Hancock

1960年に弱冠20歳でプロとして活動を始めたハービー・ハンコックさんは、才能あるジャズ・ピアニストでありながら、自身の楽曲『カメレオン』というタイトルそのままの柔軟な姿勢で、長い活動歴の中でさまざまなスタイルに挑戦し続ける鬼才アーティストです。

名門ブルーノート・レコードからデビューを果たしながらも、ジャズ・ファンクやフュージョンの先駆け的な作品を作り上げ、1980年代には早くもヒップホップの方法論を取り入れるなど、時代の変化とともに自身の音楽性も次々と変化させ、芸術性と商業的な成果を両立させた偉大な存在なのです。

そんなハンコックさんのディスコグラフィの中から1枚を選ぶのは難しいですが、ここでは1960年代当時の「新主流派ジャズ」の名盤として名高い、1965年リリースの『Maiden Voyage』を取り上げます。

『処女航海』という邦題でも知られている本作は、マイルス・デイヴィスさんのバンドとして切磋琢磨していたメンバーが集結し、タイトル通り「航海」をテーマとしたコンセプチュアルなアルバムとなっています。

抑制の効いた知的なアンサンブルは統一感があり、印象的なメロディの数々は雄大で詩情豊かな響きを持ち合わせております。

1人で過ごす夜、この作品を聴きながら物思いにふけってみるのもいいですね。

A Love Supreme

AcknowledgementJohn Coltrane

A Love Supreme, Pt. I – Acknowledgement
AcknowledgementJohn Coltrane

『至上の愛』という邦題だけでも、神聖な響きと雰囲気を持ち合わせた芸術性の高さを予感させます。

実質的な活動歴は10年程度という短い期間でありながらも、ジャズ界における巨人として歴史にその名を残すジョン・コルトレーンさんが、1965年に発表した傑作『A Love Supreme』を紹介します。

冒頭で述べたように、無名時代も長かったというコルトレーンさんが第一線で活躍したのは30歳を過ぎた1950年代後半からで、1967年に亡くなるまでの約10年の間を、ものすごいスピードで濃密なジャズ人生を駆け抜けた彼はカリスマ的な人気があり、いくつかのドキュメンタリー映画も作られているほど。

そんなコルトレーンさんの傑作とされる『至上の愛』は、神にささげられたというコンセプチュアルなアルバムで、4部構成から織り成す作品となっています。

活動後期にはフリー・ジャズへと接近するコルトレーンさんの創造性と先進的なスタイルが結実した芸術的傑作であり、同時に商業的成功を両立させた素晴らしい1枚でもあります。

コルトレーンさんのエモーションが炸裂したようなプレイはもちろん、名手たちによる強烈なバンド・アンサンブルは圧巻の一言。

ジャズを聴き慣れない方にとっては難解な一面もあるかもしれませんが、心がまっさらな状態でこの音世界を体感する喜びも、ぜひ味わってみてほしいですね。