【ジャズギター初心者のための】クロマチックフレーズの解説
今回はジャズのフレーズでよく使用されれるテクニック、「クロマチックアプローチ」について解説したいと思います。
これはターゲットの音に半音階でアプローチする手法で、フレーズに深みが出てジャズらしいフレーズになります。
このテクニックには2種類の方法があります。
1つは、特定の音(主にコードトーン)をターゲットに半音でアプローチ。
もう1つはコードトーンから次のコードトーンへ連続するアプローチ
それでは実際に弾きながら確認してみましょう。
特定の音(主にコードトーン)をターゲットに半音でアプローチする方法
ここではコードCMaj7のルート「ド」の音をターゲットにして、アプローチの仕方をご紹介します。
- 1音でアプローチ(半音上から、半音下から1音でアプローチしています)
- 2音でアプローチ(上から2音、下から2音でアプローチしてい ます)
- 挟み込み(「上から1音、下から1音」「下から1音、上から1音」でターゲットに挟み込んでいます)
- 2+1音でアプローチ(「上から2音、下から1音」「下から2音、上から1音」で挟み込んでいます)
- 1+2音でアプローチ(「上から1音、下から2音」「下から1音、上から2音」で挟み込んでいます)
- 2+2音でアプローチ(「上から2音、下から2音」「下から2音、上から2音」で挟み込んでいます)
コードトーンから次のコードトーンへ連続するアプローチ
- ルート音から3度(ミ)へ連続するアプローチです。
- 3度から5度(ソ)へ連続するアプローチです。
- 5度から7度(シ)へ連続するアプローチです。
- 7度からテンション9度(レ)へアプローチしています。
最後に
いかがでしょうか?
CMaj7で使用されるスケールは「ドレミファソラシド」のアイオニアンスケールですが、このテクニックにより音階の合間の「ド#」や「レ#」といったいわゆる「外れた音」が全て使えるようになります。
つまり「1オクターブ12音すべての音が使える」ということです。
ジャズのフレーズにはこの要素が多く含まれています。
「なかなかジャズっぽいフレーズにならないな」とお悩みの方はぜひ試してみてください。
ライタープロフィール
ジャズギタリスト
中根一城
高校生の頃よりギターを始め、ジャズに興味を持ち洗足学園音楽大学ジャズコースに入学。
道下和彦氏にジャズギターを師事する。
その他、音楽理論、ビッグバンドアレンジ法などを学ぶ。
卒業後は自身のバンドでドリカム主宰のレーベルDCT Recordsよりコンピレーションアルバム「DCT Pizza」を発売。
ドリカムワンダーランドの前夜祭ライブとして全国ツアーを行う。
同時に宮之上ジャズギター教室にて宮之上貴昭氏に師事し、現在は同教室の講師を務める。
大森LaLa Music Schoolでも講師を務め常に40名以上の生徒さんを担当。
2012年ジャズユニットwhispers_trioでアルバム「Tones For You」を発売。
2015年ギター教則本「Jazz Guitar Method」を制作。
2017年アルバム「The Art of Rolling」発売。
ライブ活動の他、講師業や音源制作などで活動中。
ウェブサイト:http://nakane-guitarlist.wix.com/kazushiro-nakane