RAG MusicPiano
ピアノをもっと楽しむWebマガジン
search

【マーチ】ピアノで奏でる行進曲の名作をピックアップ!

「マーチ」とは「行進曲」のこと。

世の中にはクラシック音楽に限らず「マーチ」と名の付く名曲が数多く存在します。

では、ピアノで弾いて楽しめるマーチには、どのような曲があるでしょうか?

本記事では、クラシック作品の中から、ピアノのために書かれたマーチの作品や、オーケストラのために書かれたマーチをピアノ独奏用にアレンジした作品をピックアップ!

演奏動画や曲にまつわるエピソードとともにご紹介していきます。

「マーチ=元気いっぱい」というイメージが覆るかも⁉ぜひお楽しみください!

【マーチ】ピアノで奏でる行進曲の名作をピックアップ!

抒情小品集 第5集 Op.54 第3曲「小人の行進」Edvard Grieg

グリーグ:抒情小品集 第5集 小人の行進(妖精トロルの行進),Op.54-3  pf. 石黒 美有:ISHIGURO, Miyu
抒情小品集 第5集 Op.54 第3曲「小人の行進」Edvard Grieg

ノルウェーの国民的作曲家エドヴァルド・グリーグ。

若い頃から音楽への情熱を燃やし、郷土の民俗音楽に根差したリリカルで洗練された作品を残しました。

『抒情小品集 第5集 Op.54』は、1891年に発表された5曲からなるピアノ曲集。

中でも『小人の行進』は、ノルウェーの伝承に登場する妖精トロルをイメージした茶目っ気のある小品で、起伏に富んだ技巧的な旋律が魅力です。

曲調の異なる主部と中間部が交互にあらわれる構成で、物哀しくも美しい北欧の世界を感じさせます。

ピアノソナタ 第2番 変ロ短調 Op.35 第3楽章「葬送行進曲」Frederic Chopin

ショパン/ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調「葬送」 第3楽章,Op.35,CT202
ピアノソナタ 第2番 変ロ短調 Op.35 第3楽章「葬送行進曲」Frederic Chopin

フレデリック・ショパンが作曲したピアノソナタ第2番変ロ短調作品35。

中でもとりわけ有名なのが、『葬送行進曲』の愛称で親しまれる第3楽章です。

重々しい旋律とリズムが、聴く者の心に深い感銘を与える名曲中の名曲。

1837年に作曲され、1839年に楽曲全体が完成しました。

作曲当時、ショパンはジョルジュ・サンドのマノワールに滞在しており、ここで仕上げの作業が行われたようです。

本作はグレイブからプレストまでの4楽章で構成されており、各楽章で作曲者の音楽的才能が余すところなく発揮されています。

ショパンの葬儀では、この楽章が弦楽合奏版で演奏されたとも伝えられているんですよ!

子供のためのアルバム 作品68-2「兵士の行進」Robert Schumann

兵隊が足並みをそろえて行進する様子が目の前に浮かび上がるような、明るく快活な1曲です!

『子供のためのアルバム』の第2曲『兵士の行進』は、和音と付点リズムの連続で構成されています。

ゆっくり丁寧に、そして脱力を意識しながら練習することで、力んで不ぞろいになりがちな和音もしっかりコントロールできるようになるでしょう。

弾むようなリズムを体に覚え込ませるために、練習にリズム打ちを取り入れるのもオススメです!

トルコ行進曲Ludwig van Beethoven

トルコ行進曲(ベートーヴェン)ピアニスト 近藤由貴/ Beethoven: Turkish March, Yuki Kondo
トルコ行進曲Ludwig van Beethoven

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンは、古典派から新しい音楽の時代への転換点に立った作曲家です。

1811年から1812年にかけて作曲された『アテネの廃墟』からの一部である『トルコ行進曲』は、オスマン帝国の軍楽隊メフテルに影響を受け、西洋音楽にトルコ風の要素を取り入れた作品の代表例として知られています。

『トルコ行進曲』は、オーケストラ版の他、ピアノソロ用にも編曲され、アントン・ルビンシテインやフランツ・リストによる編曲で親しまれてきました。

この曲は、明るく元気な曲調が特徴で、ピアノ発表会でよく演奏される定番曲!

左手でリズムをしっかりキープしながら、右手で勇ましい行進のメロディを奏でると、聴く人も演奏する人も思わず笑顔になれる1曲です。

こどもの音楽帳より マーチ Op.69-1Dmitri Shostakovich

【ピアノ発表会おすすめ】マーチ(こどもの音楽帳より)♫ ショスタコーヴィチ / March Op.69-1 (Children’s Notebook), Shostakovich
こどもの音楽帳より マーチ Op.69-1Dmitri Shostakovich

ロシアの著名な作曲家、ドミートリイ・ショスタコーヴィチ。

彼は特に交響曲や室内楽、コンチェルトの分野で重要な作品を残しています。

政治的圧力と個人的表現の間で葛藤しながらも、複雑で多面的な作風を築き上げた彼が、1944年から45年にかけて作曲したピアノ小品集『子供のノート Op.69』。

その冒頭を飾るのが、明るく親しみやすい旋律が印象的な『マーチ』です。

ショスタコーヴィチ自身の子供への愛情も感じられる1曲は、ポジティブな感情があふれており、聴く人を元気づけ、勇気づけてくれます。