【マーチ】ピアノで奏でる行進曲の名作をピックアップ!
「マーチ」とは「行進曲」のこと。
世の中にはクラシック音楽に限らず「マーチ」と名の付く名曲が数多く存在します。
では、ピアノで弾いて楽しめるマーチには、どのような曲があるでしょうか?
本記事では、クラシック作品の中から、ピアノのために書かれたマーチの作品や、オーケストラのために書かれたマーチをピアノ独奏用にアレンジした作品をピックアップ!
演奏動画や曲にまつわるエピソードとともにご紹介していきます。
「マーチ=元気いっぱい」というイメージが覆るかも⁉ぜひお楽しみください!
【マーチ】ピアノで奏でる行進曲の名作をピックアップ!(1〜10)
ウィンナー・マーチCarl Czerny

カール・ツェルニーはオーストリアの作曲家、ピアノ教師であり、ベートーヴェンの弟子でリストの師匠としても知られる19世紀初頭のクラシック界の重要人物。
彼は膨大な数のピアノ作品を残し、特にピアノ技術向上のための練習曲は現代でも広く用いられています。
『ウィンナー・マーチ』と題されたこの作品は、1826年頃にロンドンで出版された四手連弾用の行進曲。
華やかな宮廷の雰囲気を感じさせるような上品な曲調の中に、行進曲らしい勇ましさも感じられる1曲です。
初級から中級へとレベルアップを目指すピアニストが挑戦してみたい作品といえるでしょう。
この機会にぜひツェルニーの魅力に触れてみてください!
抒情小品集 第5集 Op.54 第3曲「小人の行進」Edvard Grieg

ノルウェーの国民的作曲家エドヴァルド・グリーグ。
若い頃から音楽への情熱を燃やし、郷土の民俗音楽に根差したリリカルで洗練された作品を残しました。
『抒情小品集 第5集 Op.54』は、1891年に発表された5曲からなるピアノ曲集。
中でも『小人の行進』は、ノルウェーの伝承に登場する妖精トロルをイメージした茶目っ気のある小品で、起伏に富んだ技巧的な旋律が魅力です。
曲調の異なる主部と中間部が交互にあらわれる構成で、物哀しくも美しい北欧の世界を感じさせます。
トルコ行進曲ジャズFazil Say

トルコ生まれのピアニスト兼作曲家で、クラシック音楽からジャズまで幅広いジャンルを手掛けるファジル・サイさん。
日本でも「鬼才!天才!ファジル・サイ!」のキャッチコピーで知られる彼が、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの名曲『ピアノソナタ第11番』の第3楽章『トルコ行進曲』をジャズ風にアレンジした作品が『トルコ行進曲ジャズ』です。
おなじみのメロディが始まったと思いきや、徐々にジャズ風のファジル・サイワールドに一変!
西洋クラシック音楽とトルコの地方色や音楽的要素を巧みに融合させた、難易度の高い意欲作となっています。
一味違った『トルコ行進曲』に興味のある上級者の方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
ピアノソナタ 第2番 変ロ短調 Op.35 第3楽章「葬送行進曲」Frederic Chopin

フレデリック・ショパンが作曲したピアノソナタ第2番変ロ短調作品35。
中でもとりわけ有名なのが、『葬送行進曲』の愛称で親しまれる第3楽章です。
重々しい旋律とリズムが、聴く者の心に深い感銘を与える名曲中の名曲。
1837年に作曲され、1839年に楽曲全体が完成しました。
作曲当時、ショパンはジョルジュ・サンドのマノワールに滞在しており、ここで仕上げの作業が行われたようです。
本作はグレイブからプレストまでの4楽章で構成されており、各楽章で作曲者の音楽的才能が余すところなく発揮されています。
ショパンの葬儀では、この楽章が弦楽合奏版で演奏されたとも伝えられているんですよ!
トルコ行進曲Ludwig van Beethoven

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンは、古典派から新しい音楽の時代への転換点に立った作曲家です。
1811年から1812年にかけて作曲された『アテネの廃墟』からの一部である『トルコ行進曲』は、オスマン帝国の軍楽隊メフテルに影響を受け、西洋音楽にトルコ風の要素を取り入れた作品の代表例として知られています。
『トルコ行進曲』は、オーケストラ版の他、ピアノソロ用にも編曲され、アントン・ルビンシテインやフランツ・リストによる編曲で親しまれてきました。
この曲は、明るく元気な曲調が特徴で、ピアノ発表会でよく演奏される定番曲!
左手でリズムをしっかりキープしながら、右手で勇ましい行進のメロディを奏でると、聴く人も演奏する人も思わず笑顔になれる1曲です。