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【プーランクのピアノ曲】エスプリの作曲家が手掛けた名曲を厳選

1899年にフランスで生まれ、作曲法や演奏法を含め音楽の大部分を独学で学んだ作曲家、フランシス・プーランク。

ユーモアやアイロニーを含む知的で都会的な作品を好んだことから「エスプリの作曲家」と称される彼は、64年の生涯でピアノ独奏曲をはじめ、ピアノ協奏曲、歌曲、室内楽曲、オペラ、バレエなど、幅広いジャンルの作品を残しました。

本記事では、時代の流行を追うことなく自身の世界観を貫いたプーランクの作品のなかから、ピアノ独奏のために作曲された作品をご紹介します!

【プーランクのピアノ曲】エスプリの作曲家が手掛けた名曲を厳選

ナゼルの夜会 FP.84「前奏曲」Francis Poulenc

プーランク: ナゼールの夜(前奏曲、変奏I, II, III, VI) 横井 彩花
ナゼルの夜会 FP.84「前奏曲」Francis Poulenc

「エスプリの作曲家」と称されるフランシス・プーランクは、1899年にフランスで生まれ、音楽の大部分を独学で学びました。

友人たちとの長い夜をナゼルでの経験をもとに作曲した変奏曲集『ナゼルの夜会 FP.84』は、各変奏で特定の人物の性格や特徴を音楽で描写しており、プーランクの親しみやすさとユーモラスな視点が反映されています。

本作は、即興的な質感とワルツからミュージックホールの曲、ピアニスティックな輝きからロマンティックな情緒まで、当時の多様なスタイルを取り入れた広がりのある作品。

プーランクの親密な人間関係と個人的な世界観を反映した、ピアノを愛するすべての人にオススメの1曲です。

3つの無窮動 FP.14a 第3番Francis Poulenc

Francis Poulenc – Mouvements perpétuels, 3) Alerte
3つの無窮動 FP.14a 第3番Francis Poulenc

19世紀末から20世紀前半にかけて活躍したフランスの作曲家、フランシス・プーランクの作品の中でも特に人気の高い『3つの無窮動』。

独学で音楽を学んだプーランクらしい、軽妙洒脱な雰囲気と都会的なエスプリにあふれた魅力的な曲集です。

とりわけ第3曲『アレルテ』は、変則的なリズムを特徴とし、終始弾むようなテンポで曲が進行する印象的な1曲。

若き日のプーランクの才気あふれるピアノ作品です。

8つのノクターン FP.56 第1番Francis Poulenc

フランスの風刺画家にしてエスプリの権化、フランシス・プーランクが生み出した『8つのノクターン』。

ショパンにも通じる叙情性とフランス的なおしゃれさが詰め込まれた名品で、特に第1番は繊細でありながら印象的なメロディが魅力的な作品です。

静かな夜を思わせるニュアンスは、技巧とともに深い感性を備えたピアニストにこそ弾きこなせるもの。

このノクターンを通して、フランス近代音楽の真髄を堪能できるでしょう。

ロマン派からインスピレーションを得つつ、20世紀ならではの個性を発揮するプーランクの才気を感じてみてください。

メランコリー FP.105Francis Poulenc

才能あふれる音楽家でありながら、ユーモアとアイロニーを込めた知的な作風で知られるフランスの作曲家、フランシス・プーランク。

「修道僧と悪童が同居している」とも評されるほど多面的な音楽性は、1940年に生まれたピアノのための小品『メランコリー』にも色濃く反映されています。

繊細で感情豊かなタッチから生まれるハーモニーは、戦時下のフランスで作曲家が抱いた複雑な思いを表現しているかのよう。

プーランクの内面世界に触れられる、ピアノを学ぶすべての方にオススメしたい1曲です。

15の即興曲 FP.63 第1番Francis Poulenc

第40回入賞者記念コンサートC級【金賞】 藤浦 響/プーランク:15の即興曲 より 第1番 ロ短調、第15番 ハ短調 「エディット・ピアフを讃えて」
15の即興曲 FP.63 第1番Francis Poulenc

20世紀のフランス音楽に重要な貢献をした作曲家兼ピアニスト、フランシス・プーランクが作曲した『15の即興曲』。

その中でも、第1番は特に注目される1曲で、作曲者の豊かな音楽性と個性が色濃く反映されています。

妖精が上機嫌でつま先で回る姿を思い浮かべるようなキュートな雰囲気と、華麗な技巧が見事に調和した本作は、プーランクのエスプリあふれる魅力が凝縮されています。

また、クラシック音楽の伝統的な形式と現代音楽の新しい表現方法の融合を試みた意欲作でもあり、作曲者の奥深い芸術性を感じられるでしょう。