【プーランクのピアノ曲】エスプリの作曲家が手掛けた名曲を厳選
1899年にフランスで生まれ、作曲法や演奏法を含め音楽の大部分を独学で学んだ作曲家、フランシス・プーランク。
ユーモアやアイロニーを含む知的で都会的な作品を好んだことから「エスプリの作曲家」と称される彼は、64年の生涯でピアノ独奏曲をはじめ、ピアノ協奏曲、歌曲、室内楽曲、オペラ、バレエなど、幅広いジャンルの作品を残しました。
本記事では、時代の流行を追うことなく自身の世界観を貫いたプーランクの作品のなかから、ピアノ独奏のために作曲された作品をご紹介します!
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【プーランクのピアノ曲】エスプリの作曲家が手掛けた名曲を厳選(1〜10)
15の即興曲 FP.63 第1番Francis Poulenc

20世紀のフランス音楽に重要な貢献をした作曲家兼ピアニスト、フランシス・プーランクが作曲した『15の即興曲』。
その中でも、第1番は特に注目される1曲で、作曲者の豊かな音楽性と個性が色濃く反映されています。
妖精が上機嫌でつま先で回る姿を思い浮かべるようなキュートな雰囲気と、華麗な技巧が見事に調和した本作は、プーランクのエスプリあふれる魅力が凝縮されています。
また、クラシック音楽の伝統的な形式と現代音楽の新しい表現方法の融合を試みた意欲作でもあり、作曲者の奥深い芸術性を感じられるでしょう。
3つの無窮動 FP.14a 第3番Francis Poulenc

19世紀末から20世紀前半にかけて活躍したフランスの作曲家、フランシス・プーランクの作品の中でも特に人気の高い『3つの無窮動』。
独学で音楽を学んだプーランクらしい、軽妙洒脱な雰囲気と都会的なエスプリにあふれた魅力的な曲集です。
とりわけ第3曲『アレルテ』は、変則的なリズムを特徴とし、終始弾むようなテンポで曲が進行する印象的な1曲。
若き日のプーランクの才気あふれるピアノ作品です。
メランコリー FP.105Francis Poulenc

才能あふれる音楽家でありながら、ユーモアとアイロニーを込めた知的な作風で知られるフランスの作曲家、フランシス・プーランク。
「修道僧と悪童が同居している」とも評されるほど多面的な音楽性は、1940年に生まれたピアノのための小品『メランコリー』にも色濃く反映されています。
繊細で感情豊かなタッチから生まれるハーモニーは、戦時下のフランスで作曲家が抱いた複雑な思いを表現しているかのよう。
プーランクの内面世界に触れられる、ピアノを学ぶすべての方にオススメしたい1曲です。
【プーランクのピアノ曲】エスプリの作曲家が手掛けた名曲を厳選(11〜20)
フランス組曲 FP.80 第1曲「ブルゴーニュのブランル」Francis Poulenc

エスプリの効いたおしゃれな作風で知られる一方、繊細で美しい叙情性も兼ね備えた作品を数多く残したフランシス・プーランク。
『フランス組曲』は、プーランクが愛したフランスの土地や歴史へのオマージュともいえる作品で、クラシックの伝統と現代の感性が見事に融合しています。
特に第1曲『ブルゴーニュのブランル』は、その地方の民俗音楽にインスピレーションを得た軽快なリズムと陽気なメロディが印象的。
プーランクならではのユーモアも感じられる、彼の音楽の魅力を味わいたい方にオススメの作品ですよ。
組曲「ナポリ」FP.40 第3曲「イタリア奇想曲」Francis Poulenc

「エスプリの作曲家」と称されるフランシス・プーランクは、ユーモアやアイロニーを含む知的な作品を得意とした20世紀フランスを代表する作曲家の1人。
『組曲「ナポリ」』の最終楽章『イタリア奇想曲』は、プーランク独特の軽妙さとウィットに富んだ表現が光るテクニカルな小品です。
ほぼ無窮動のような形式で、印象的なモチーフと和音の対比が曲の魅力を際立たせています。
本作の演奏には高度な技術が求められますが、練習を重ねることでイタリアの魅力や情熱を表現できるでしょう。
主題と変奏 変イ長調 FP.151Francis Poulenc

ユーモアやアイロニーを含む知的で都会的な作品を好み、「エスプリの作曲家」と称されたフランシス・プーランク。
『主題と変奏 変イ長調 FP.151』は、1つの主題と11の変奏から構成され「陽気」「気品」「牧歌的」などさまざまな表情豊かな変奏が展開される作品です。
プーランクは自らの音楽語法に忠実でありながら、各変奏を通じて幅広い感情や情景を巧みに描いています。
親しみやすい調性的な音楽でありつつ、表現の幅広さを感じさせるこの作品は、プーランクの多様な音楽的特性を如実に示す秀作といえるでしょう。
3つの間奏曲 FP.71 第1番Francis Poulenc

20世紀フランスを代表する作曲家の1人、フランシス・プーランク。
1934年に作曲された『3つの間奏曲 FP.71』は、彼の個性が色濃く反映された名作です。
急速なテンポで始まる第1番は、冒頭の和音や2声部での小気味良い音のぶつかり合い、そして時に叙情的、時に風変わりな調性の変化が印象的。
プーランクの技巧と、ピアノ音楽への深い理解を感じさせてくれる1曲です。