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【プーランクのピアノ曲】エスプリの作曲家が手掛けた名曲を厳選

1899年にフランスで生まれ、作曲法や演奏法を含め音楽の大部分を独学で学んだ作曲家、フランシス・プーランク。

ユーモアやアイロニーを含む知的で都会的な作品を好んだことから「エスプリの作曲家」と称される彼は、64年の生涯でピアノ独奏曲をはじめ、ピアノ協奏曲、歌曲、室内楽曲、オペラ、バレエなど、幅広いジャンルの作品を残しました。

本記事では、時代の流行を追うことなく自身の世界観を貫いたプーランクの作品のなかから、ピアノ独奏のために作曲された作品をご紹介します!

【プーランクのピアノ曲】エスプリの作曲家が手掛けた名曲を厳選

主題と変奏 変イ長調 FP.151Francis Poulenc

ユーモアやアイロニーを含む知的で都会的な作品を好み、「エスプリの作曲家」と称されたフランシス・プーランク。

『主題と変奏 変イ長調 FP.151』は、1つの主題と11の変奏から構成され「陽気」「気品」「牧歌的」などさまざまな表情豊かな変奏が展開される作品です。

プーランクは自らの音楽語法に忠実でありながら、各変奏を通じて幅広い感情や情景を巧みに描いています。

親しみやすい調性的な音楽でありつつ、表現の幅広さを感じさせるこの作品は、プーランクの多様な音楽的特性を如実に示す秀作といえるでしょう。

組曲「ナポリ」FP.40 第3曲「イタリア奇想曲」Francis Poulenc

第36回入賞者記念コンサート/横井舞菜 プーランク:「ナポリ」より 第3曲”イタリアのカプリス”
組曲「ナポリ」FP.40 第3曲「イタリア奇想曲」Francis Poulenc

「エスプリの作曲家」と称されるフランシス・プーランクは、ユーモアやアイロニーを含む知的な作品を得意とした20世紀フランスを代表する作曲家の1人。

『組曲「ナポリ」』の最終楽章『イタリア奇想曲』は、プーランク独特の軽妙さとウィットに富んだ表現が光るテクニカルな小品です。

ほぼ無窮動のような形式で、印象的なモチーフと和音の対比が曲の魅力を際立たせています。

本作の演奏には高度な技術が求められますが、練習を重ねることでイタリアの魅力や情熱を表現できるでしょう。

フランス組曲 FP.80 第1曲「ブルゴーニュのブランル」Francis Poulenc

エスプリの効いたおしゃれな作風で知られる一方、繊細で美しい叙情性も兼ね備えた作品を数多く残したフランシス・プーランク。

『フランス組曲』は、プーランクが愛したフランスの土地や歴史へのオマージュともいえる作品で、クラシックの伝統と現代の感性が見事に融合しています。

特に第1曲『ブルゴーニュのブランル』は、その地方の民俗音楽にインスピレーションを得た軽快なリズムと陽気なメロディが印象的。

プーランクならではのユーモアも感じられる、彼の音楽の魅力を味わいたい方にオススメの作品ですよ。

3つの間奏曲 FP.71 第1番Francis Poulenc

20世紀フランスを代表する作曲家の1人、フランシス・プーランク。

1934年に作曲された『3つの間奏曲 FP.71』は、彼の個性が色濃く反映された名作です。

急速なテンポで始まる第1番は、冒頭の和音や2声部での小気味良い音のぶつかり合い、そして時に叙情的、時に風変わりな調性の変化が印象的。

プーランクの技巧と、ピアノ音楽への深い理解を感じさせてくれる1曲です。

散歩 第1曲「徒歩にて」Francis Poulenc

独学で音楽を学び、若き作曲家集団『6人組』の一員として活動したのち、熟達したピアニストとしても知られるようになったフランシス・プーランク。

彼が1921年に作曲した小品集『散歩』の第1曲『徒歩にて』は、ゆったりとした歩行で街の景色を楽しむ様子を描いた曲調が特徴的な作品です。

初歩的な移動手段である徒歩に焦点を当て、リラックスした雰囲気を演奏者に提供することを意図した本作は、パリっ子プーランク特有の都会的なスタイルが反映された傑作といえるでしょう。

おわりに

プーランク独自の世界観が色濃く反映されたピアノ作品の数々、ご堪能いただけたでしょうか?

洗練された印象のプーランク作品を演奏すると、情熱的すぎず冷静すぎでもない独特な雰囲気に魅了されます。

これを機に、演奏と鑑賞の両方でプーランクの世界に浸ってみてはいかがでしょうか?