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【ロドリーゴのピアノ曲】盲目の作曲家が遺したスペインの香り漂う名作

『アランフェス協奏曲』でおなじみの20世紀スペインを代表する作曲家、ホアキン・ロドリーゴさん。

悪性ジフテリアによって幼少期に視力を失いながらも、ピアノとバイオリンの演奏、そして作曲において才能を開花させた彼は、スペイン国民にとって最高の栄誉とされる「アストゥリアス王太子賞」やフランスの芸術文化勲章を獲得するなど、国境を越えて愛された作曲家としても知られています。

本記事では、そんなロドリーゴさんの作品のなかから、ピアノ独奏曲やピアノを含む編成で演奏される作品を中心にご紹介していきます!

【ロドリーゴのピアノ曲】盲目の作曲家が遺したスペインの香り漂う名作(1〜10)

次官たちの大行進曲Joaquín Rodrigo

スペインを代表する偉大な作曲家、ホアキン・ロドリーゴさん。

3歳で失明したにもかかわらず、音楽への情熱を燃やし続け、クラシックギターの名曲『アランフェス協奏曲』など数々の名作を生み出しました。

そんな彼のピアノ曲のなかでも、4手連弾のための『次官たちの大行進曲』は注目に値する作品。

ユーモアあふれるメロディとリズムが印象的で、官僚社会を風刺しつつも祝祭的な雰囲気を醸し出しています。

妻のヴィクトリア・カミさんとの共同制作という点も興味深いですね。

英雄協奏曲Joaquín Rodrigo

Joaquín Rodrigo “Concierto heroico para piano y orquesta”
英雄協奏曲Joaquín Rodrigo

盲目の作曲家ホアキン・ロドリーゴさんは、スペインの伝統音楽の影響を受けながら、独自の感性で『英雄協奏曲』を作曲しました。

第1楽章の軍隊的なリズムやファンファーレは、戦時下のスペインの状況を反映しつつも、ロドリーゴさんならではの情熱的なメロディにより、聴く人の心を打ちます。

難民生活を送りながらも音楽への情熱を失わなかった彼の姿勢は、本作の随所から感じられます。

クラシック音楽ファンのみならず、スペイン音楽やピアノ協奏曲に興味がある方にぜひ聴いていただきたい名曲です。

早起き鶏への前奏曲Joaquín Rodrigo

Joaquin Rodrigo- Preludio al gallo mañanero / Enrique Lapaz
早起き鶏への前奏曲Joaquín Rodrigo

スペイン生まれの作曲家、ホアキン・ロドリーゴさん。

3歳で視力を失いながらも音楽に没頭し、ピアノとバイオリンの演奏、そして作曲の才能を開花させました。

パリ留学時代に書かれた『早起き鶏への前奏曲』は、スペインの民俗音楽のリズムを取り入れつつ、明け方の静けさと鶏の鳴き声を描写。

軽快でユーモラスな、ロドリーゴさんならではの創造性あふれる作品です。

演奏者にとっては、メリハリのあるタッチと絶妙なニュアンスが要求される、弾きごたえのある1曲といえるでしょう。

【ロドリーゴのピアノ曲】盲目の作曲家が遺したスペインの香り漂う名作(11〜20)

アマポーラの踊りJoaquín Rodrigo

Danza de la amapola (Dance of the Poppy) (version for piano solo)
アマポーラの踊りJoaquín Rodrigo

視覚障害を抱えながらも類まれなる才能を発揮し、20世紀のスペイン音楽界をけん引したホアキン・ロドリーゴさん。

幼少期に失明したロドリーゴでしたが、ピアノとバイオリンの演奏や作曲の分野で輝かしい成果を残しました。

彼のピアノ独奏曲『アマポーラの踊り』は、スペインの伝統的なダンス音楽の要素を取り入れつつ、ロドリーゴさん独自の音楽性が反映された作品です。

繊細で華やかなメロディは、まるでポピーの花のような美しさと儚さを音で表現しているかのよう。

軽快なリズムと美しい旋律が絶妙に絡み合う本作を通して、ピアノの音色でスペインの豊かな文化への賛美を感じることができるでしょう。

5つの子どもの小品Joaquín Rodrigo

Joaquín Rodrigo: Cinco Piezas Infantiles. Regards Piano Duo
5つの子どもの小品Joaquín Rodrigo

悪性ジフテリアで3歳の時に視力を失い、困難に直面しながらも音楽への情熱を失わずに数々の名曲を生み出したホアキン・ロドリーゴさん。

彼の初期の作品である『5つの子どもの小品』は、子どもたちの無邪気さや遊び心を巧みに描写しています。

5つの短い楽章は、それぞれ異なる雰囲気を持ちながらも、シンプルで親しみやすいメロディが魅力的。

特に、行進曲のリズムに子供たちの活発さを感じさせる部分は印象的です。

フランス印象派の影響を受けつつも、スペインの伝統音楽の要素も取り入れられており、ロドリーゴさんならではの音楽性が感じられる1曲です。

カスティーリャのソナタ集、物売りの声によるトッカータ付きJoaquín Rodrigo

Joaquín Rodrigo. Sonatas de Castilla (con Toccata a modo de pregón). Roman Repka (piano)
カスティーリャのソナタ集、物売りの声によるトッカータ付きJoaquín Rodrigo

ホアキン・ロドリーゴさんの『カスティーリャのソナタ集』は、スペインの大地と市井の生活をほうふつとさせるメロディと、高度な技術が要求される演奏が魅力の作品です。

「物売りの声によるトッカータ」に代表されるように、彼は日常のささやかな音のなかに美しさを見いだし、私たちに届けてくれます。

この作品に込められたロドリーゴさんのスペイン愛と音楽への情熱は、ピアノからあふれ出る情景描写とともに、聴き手の心をつかんで離しません。

スペインの伝統音楽に興味がある方や、ピアノ曲の新境地を開拓したい方にぜひオススメしたい名曲です。

パストラールJoaquín Rodrigo

Joaquín Rodrigo: Pastoral (Piano: Artur Pizarro)
パストラールJoaquín Rodrigo

20世紀スペインの作曲家ホアキン・ロドリーゴさんは、幼少期に視力を失いながらも音楽の才能を開花させ、ギターやピアノのための美しい作品を多数遺しました。

『パストラール』は、フルートとオーケストラのために書かれた牧歌的な協奏曲。

自然のなかで自由に歌い踊るような喜びに満ちたメロディと、哀愁を帯びたアダージョの旋律が印象的です。

ロドリーゴならではの繊細な感情表現と巧みな管弦楽法が光る本作は、ピアノで弾いても格別!

演奏を通して彼の世界観に触れてみてはいかがでしょうか。