【ロドリーゴのピアノ曲】盲目の作曲家が遺したスペインの香り漂う名作
『アランフェス協奏曲』でおなじみの20世紀スペインを代表する作曲家、ホアキン・ロドリーゴさん。
悪性ジフテリアによって幼少期に視力を失いながらも、ピアノとバイオリンの演奏、そして作曲において才能を開花させた彼は、スペイン国民にとって最高の栄誉とされる「アストゥリアス王太子賞」やフランスの芸術文化勲章を獲得するなど、国境を越えて愛された作曲家としても知られています。
本記事では、そんなロドリーゴさんの作品のなかから、ピアノ独奏曲やピアノを含む編成で演奏される作品を中心にご紹介していきます!
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【ロドリーゴのピアノ曲】盲目の作曲家が遺したスペインの香り漂う名作(6〜10)
2つの人形のためのソナティナJoaquín Rodrigo

ホアキン・ロドリーゴさんは、スペインを代表する20世紀の作曲家。
幼少期に失明するも音楽の才能を開花させ、パリでポール・デュカスに師事し音楽的基礎を築きました。
『2つの人形のためのソナティナ』は、1977年に孫娘たちのために作曲されたピアノ4手連弾曲。
子供たちの日常を描いた4楽章構成で、朝の始まりを表す明るい第1楽章、楽しい冒険を表現する第2楽章、静けさや内省的な瞬間を映す第3楽章、学校から帰る子供たちの元気な様子を描いた第4楽章と、家族愛や子供たちへの愛情にあふれた作品です。
スペインの伝統と作曲家の個性が融合し、ロドリーゴさんの感性と技術がさえ渡る佳曲を、ぜひ演奏してみてください!
スペインのセレナードJoaquín Rodrigo

スペインを代表する20世紀の作曲家、ホアキン・ロドリーゴさん。
幼少期に視力を失うという困難を抱えながらも、その類まれな音楽的才能を開花させ、数々の名曲を生み出しました。
彼の『スペインの香り漂うセレナード』は、1931年に発表された初期のピアノ作品。
スペイン音楽の要素を取り入れた軽快でロマンティックな曲調は、聴く者をアンダルシアの美しい情景へといざないます。
メロディとリズムに宿るスペインへの愛情を感じながら、ピアノから紡ぎ出される音の彩りを楽しんでみてはいかがでしょう。
情熱の国の魅力に触れたい方にぜひオススメしたい1曲です。
早起き鶏への前奏曲Joaquín Rodrigo

スペイン生まれの作曲家、ホアキン・ロドリーゴさん。
3歳で視力を失いながらも音楽に没頭し、ピアノとバイオリンの演奏、そして作曲の才能を開花させました。
パリ留学時代に書かれた『早起き鶏への前奏曲』は、スペインの民俗音楽のリズムを取り入れつつ、明け方の静けさと鶏の鳴き声を描写。
軽快でユーモラスな、ロドリーゴさんならではの創造性あふれる作品です。
演奏者にとっては、メリハリのあるタッチと絶妙なニュアンスが要求される、弾きごたえのある1曲といえるでしょう。
英雄協奏曲Joaquín Rodrigo

盲目の作曲家ホアキン・ロドリーゴさんは、スペインの伝統音楽の影響を受けながら、独自の感性で『英雄協奏曲』を作曲しました。
第1楽章の軍隊的なリズムやファンファーレは、戦時下のスペインの状況を反映しつつも、ロドリーゴさんならではの情熱的なメロディにより、聴く人の心を打ちます。
難民生活を送りながらも音楽への情熱を失わなかった彼の姿勢は、本作の随所から感じられます。
クラシック音楽ファンのみならず、スペイン音楽やピアノ協奏曲に興味がある方にぜひ聴いていただきたい名曲です。
カスティーリャのソナタ集、物売りの声によるトッカータ付きJoaquín Rodrigo

ホアキン・ロドリーゴさんの『カスティーリャのソナタ集』は、スペインの大地と市井の生活をほうふつとさせるメロディと、高度な技術が要求される演奏が魅力の作品です。
「物売りの声によるトッカータ」に代表されるように、彼は日常のささやかな音のなかに美しさを見いだし、私たちに届けてくれます。
この作品に込められたロドリーゴさんのスペイン愛と音楽への情熱は、ピアノからあふれ出る情景描写とともに、聴き手の心をつかんで離しません。
スペインの伝統音楽に興味がある方や、ピアノ曲の新境地を開拓したい方にぜひオススメしたい名曲です。