今回はコード進行のテクニックの1つ、セカンダリードミナントをご紹介します。
いきなりこの話をすると分かりづらいかもしれませんので、前回までの記事も参考に読み進めてください。
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セカンダリードミナントとは?
セカンダリードミナントとは曲中のコードを仮の「I」と見なして、そのコードにドミナントモーションをかけることができるテクニックです。
言葉で説明してもよくわからないと思いますので、実際にコードを使って見てみましょう。
今回もCメジャーダイアトニックコードを使用します。
例えば、このようなコード進行があったとします。
- C→Dm→G→C
ここでおさらいですが、
- Dm→Gはツーファイブ進行
- G→Cはドミナントモーション
もともとドミナントモーションというのは「V→I」という進行でした。
これをセカンダリードミナントにも応用できます。
まず曲中のコードを仮の「I」と見なす、とはどういうことなのかと言うと、Dmはもともとは「II」ですが、これを今だけ「I」としてみます。
Dmが「I」の時、ドミナントモーションをかける場合「V」にあたるコードはなんでしょうか。
Dマイナーのダイアトニックコードを見てみましょう。
VはA、もしくはA7ですので、A(7)→Dmとなります。
よってまとめると、C→A→Dm→G→Cとなります。
これがセカンダリードミナントです。
セカンダリードミナントはダイアトニックコード以外のコードが出てくるので、一時的な転調ができます。
ちなみにダイアトニックコード以外のコードを、ノンダイアトニックコードといいます。
先程の例ではAがノンダイアトニックコードにあたります。
またセカンダリードミナントはいくらでもかけることができるので、止めない限りいくらでも使えます。
先程のC→A→Dm→G→CのAをまた仮の「I」とすると、C→E→A→Dm→G→Cとなります。
このようにいくらでもセカンダリードミナントを作ることができます。
仮の「I」と見なせないコードは、メジャーキーにおいては「VII」マイナーキーにおいては「II」です。
それぞれはマイナー♭5コードになるので、それが「I」になることはあり得ないからです。
The Ronettes(ロネッツ)|Be My Baby(1963)
ここで1つ曲を紹介します。
この曲はセカンダリードミナントが連続して使われています。
キーはEメジャーです。
0:26~0:40の時にコードが、G#7→C#7→F#7→B7となっています。
これはセカンダリードミナントを3回かけています。
B7を仮の「I」とするとF#7、F#を仮の「I」とするとC#7……というようにセカンダリードミナントはいつでもどこでもかけられます。
セカンダリーツーファイブ
セカンダリーツーファイブは、先程のセカンダリードミナントを応用して、作られたものです。
先程のC→A→Dm→G→Cで説明します。
Dmが仮の「I」だとするとそれに対する「II→V」をくっつけてあげます。
IIはここではEm(♭5)ですので、C→Em(♭5)→A→Dm→G→Cとなります。
またマイナー♭5コードは響きがキツいので、普通のマイナーコードに変えたC→Em→A→Dm→G→Cも使われます。
ここでまた、曲をご紹介します。
Art Pepper(アート・ペッパー)|You’d be so nice to come home to
ジャズのスタンダードナンバーです。
0:13~0:22のコードが、Gm→Am7(♭5)→D7→Gm→Fm7→B♭7→E♭となっています。
キーがGマイナーで、Fm7→B♭7→E♭がセカンダリーツーファイブになっています。
なお、今紹介したコードは分かりやすいようにテンションノートは省いています。
最後に
次回は、今までやった
- ドミナントモーション
- ツーファイブ
- カノン進行
- セカンダリードミナント
をふまえて、コード付けに挑戦していきます。
ライタープロフィール
キーボーディスト
佐々木祐
北海道札幌市出身。
19歳の時に専門学校に入学し、音楽理論などを2年間学ぶ。
キーボーディストとしても活動しております。
こちらの方で音楽理論の記事を作っていました。
ウェブサイト:http://mrpianoman0620.blogspot.jp
Twitter:sasasa_maegami