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おすすめのハードロック・ヘビーメタル

【邪悪なる美旋律】シンフォニックブラックメタルのおすすめバンドまとめ

ヘビーメタルのサブジャンルの中でもアンダーグラウンドな音楽であり、聴く人を選ぶジャンルがブラックメタルです。

その起源や血塗られた歴史などはここでは省きますが、近年は2018年に公開された映画『ロード・オブ・カオス』などで知ったという方も多いかもしれませんね。

そんなブラックメタルにもさらにサブジャンルがあり、クラシックの影響を感じさせるオーケストレーションやストリングスなどを導入したジャンルが「シンフォニックブラックメタル」なのです。

今回の記事は、シンフォニックブラックメタルのバンドを有名どころからマイナーなバンドまで紹介しています。

最近このジャンルに興味があるという方、ぜひご覧ください!

【邪悪なる美旋律】シンフォニックブラックメタルのおすすめバンドまとめ(1〜10)

A Dreaming BeautyGraveworm

イタリアのメタルといえばパワーメタルにせよメロデスにせよゴシックメタルにせよ、大仰でドラマチックなクサメロを武器とするバンドが多く存在している印象です。

そんなイタリアが生んだシンフォニックブラックメタル、メロディックブラックメタルとも称されるグループがグレイヴワームです。

1992年に創設メンバーにしてボーカリストを担うステファノ・フィオリさんを中心として結成、1997年にデビューアルバム『When Daylight’s Gone』をリリースしました。

この作品、オープニングから映画のサウンドトラックの如きシンフォニーとアグレッシブなヘビーメタルが融合したスタイルで、過剰なシンフォニックさを期待している方には即引き込まれる魅力を持ち合わせており、デビュー作の時点で彼らがどのような方向性を模索していたのかがすぐに理解できる内容となっています。

彼らの場合はどちらかといえば「メロブラ」の枠内で語られることも多く、ブラックメタル的なヒステリックな疾走感よりも哀愁のメロディやドラマ性に重きを置いた作風だと言えそうです。

シンフォニックブラックメタル、ゴシックメタル、エピックなヘビーメタルの要素をすべて過剰に押し出したといった雰囲気が素晴らしい。

そんな彼らはカバー好きとしても知られており、アイアン・メイデンのような正統派のヘビーメタルからR.E.Mやペット・ショップ・ボーイズといった畑違いのジャンルの名曲までも独自の解釈で料理しておりますから、そちらも合わせて注目してみてください!

Mother AnorexiaAnorexia Nervosa

アノレクシア・ネルヴォサはシンフォニックブラックメタルとしては珍しい、フランス出身のバンドです。

1991年に結成ということでシンフォニックブラックメタルの中ではかなり古い部類のグループと言えるのですが、アルバムを4枚リリースして2007年に解散しており、マニアックな存在と言えるかもしれません。

2000年代以降はフランスにもデススペル・オメガのような独創的なブラックメタルバンドが熱心なファンの間で高い知名度を誇っておりますが、こちらのアノレクシア・ネルヴォサも強烈な個性を持ち合わせており、フランスというあまりメタルが盛んとは言えない国だからこそ特異な存在感を持つバンドが登場するのかと邪推してしまいますね。

そんな彼らの本領が発揮されるのは2000年にリリースされたセカンド作『Drudenhaus』からで、狂おしいほどの絶叫を見せるデスボイスと荘厳極まりないシンセの音色、音の壁の如きブラストビート、やりすぎなほどに大仰でドラマチックな楽曲展開、ゴシックかつデカダンスが支配する世界観、好きな人だけ聴いてくれと言わんばかりのアグレッシブなサウンドは熱狂的なファンを生み出すほどのインパクトを残したのです。

続く2001年のサードアルバム『New Obscurantis Order』ではさらなる深化を遂げており、最高傑作とするファンも多くいます。

ラストアルバムとなった『Redemption Process』では緩急を覚えたと思しき洗練されたサウンドを展開、さらには日本盤のボーナストラックにX JAPANの初期名曲『I’ll Kill You』をカバーも収録されており、こちらも必聴の内容となっています。

When Crows Tick On WindowsCarach Angren

Carach Angren – When Crows Tick On Windows (Official Video)
When Crows Tick On WindowsCarach Angren

シンフォニックブラックメタルの代表的なバンドは90年代から活躍するグループが多いのですが、本稿で取り上げているオランダ出身のバンド、カラック・アングレンは2003年に結成されたシンフォニックブラックメタル~メロディックブラックメタル界において注目を集めているバンドです。

2008年に発表したデビュー作『Lammendam』で見せた流麗なクラシック音楽や映画のサウンドトラックのような壮大さ、強烈なブラックメタルが織り成す完成度の高いサウンドが熱心なファンの間で話題となった彼らは作品をリリースごとに知名度を上げてここ日本にも2013年に来日を果たして大きなインパクトを残しました。

2022年の現在までリリースされたアルバムは6枚ですが、そのどれもがシアトリカルでファンタジックかつホラーな世界観が強調された作風となっており、クレイドル・オブ・フィルスなどのバンドが好きな方であれば間違いなく気に入るサウンドを鳴らしているのですね。

ストーリー性の高い歌詞も合わせて注目してみてください。

デスボイスに抵抗がなければ、欧州的大仰さが際立つシンフォニックなヘビーメタルに目がないという全てのメタラーにおすすめしたいバンドです!

【邪悪なる美旋律】シンフォニックブラックメタルのおすすめバンドまとめ(11〜20)

Rider on the BonezDiabolical Masquerade

Diabolical Masquerade – Rider on the Bonez (from Nightwork)
Rider on the BonezDiabolical Masquerade

ディアボリカル・マスカレードという、ブラックメタル的な邪悪さよりもどこか耽美的で叙情的なダークさを感じさせるバンド名に興味を引かれた方、間違いなく音も気に入るはずです!

ディアボリカル・マスカレードはバンドではなく、スウェーデンが生んだデスドゥームの伝説的なバンド、カタトニアのオリジナルメンバーにしてギタリストのアンデシュ・ニーストロムさんによるソロプロジェクトです。

カタトニアと並行して作品をリリース、2001年に4枚目のアルバム『Death’s Design』を発表したのを最後に惜しくも活動を停止していますが、カタトニアの持つ幻想的かつ陰鬱な闇をブラックメタルやスラッシュメタルといったアグレッシブなサウンドへと昇華した音はこのユニットならではのものでしょう。

ブラックメタル譲りのノイジーなギターの中にも勇壮なメロディラインが随所に盛り込まれ、ニーストロムさんの非凡な才能がうかがえますね。

特筆すべきは、ニーストロムさんと同じスウェーデン出身で、エッジ・オブ・サニティなどの活動やプロデューサやサウンドエンジニアとしても引っ張りだこのミュージシャン、ダン・スワノさんがどの作品にも参加しているという点です。

ディアボリカル・マスカレードにおいてはプロデュースやミキシングに加えてドラマーとしてもレコ―ディング参加しており、ディアボリカル・マスカレードの作品群はスウェーデンが生んだ異能による共同作業が生んだ素晴らしい結果だとも言えましょう。

Beneath the Burial SurfaceLimbonic Art

流麗かつどこか悲愴なメロディを生み出すキーボード、鋭利なリフを刻むギター、無機質なドラムマシンのリズム……といったように、シンフォニックなブラックメタルの王道をいくサウンドで著名なノルウェー出身のバンド、リンボニック・アート。

デュオという編成はサテリコンを彷彿させますが、リンボニック・アートはストレートなシンフォニックブラックメタルの魅力を存分に楽しめる音楽性を持つバンドです。

デビュー作となった1996年のアルバム『Moon in the Scorpio』は全7曲で短いインスト以外は全て長尺曲で占められており、オープニングナンバーの『Beneath the Burial Surface』からして13分を超える内容で明確に大作志向のバンドということが理解できるでしょう。

メロディアスではあるのですが、ブラックメタルの邪悪さを前面に押し出したサウンドであり、良好とは言えないサウンドプロダクションも含めて、おそらく初心者の方には厳しい音楽性かもしれません。

とはいえ、シンフォニックブラックメタルを深掘りしようとしている方であれば、いずれは必ず聴いていただきたいバンドですね。

なお、中心人物のディーモンさんはエンペラーのメンバーであるサモスさんとタリムさんが結成したバンド、ザイクロンのデビューアルバムにボーカリストとして参加していますよ。

WitchcraftObtained Enslavement

アルバムのジャケットやタイトルだけで、邪悪な香りが濃厚なまでに漂う聖地ノルウェー産ブラックメタル!

マニアにしか知られていないバンドではあるのですが、実は同じくノルウェーのブラックメタルの大御所ゴルゴロスのメンバーが参加しているなど、まさにマニア垂涎のカルトなグループなのですね。

バンドの結成は1989年とかなり古く、1992年と93年にはそれぞれデモテープを制作、翌年の94年にデビューアルバム『Centuries of Sorrow』をリリースしています。

これが実にプリミティブなブラックメタルといった趣のサウンドで、地獄の底から響き渡るようなボーカルとひたすらブラストビートを打ち出すドラムス、悲哀を帯びたギターといった王道のブラックメタルを鳴らしておりました。

そんな彼らも次作以降は音楽的な成長を遂げて、1997年に名盤の誉れ高いセカンドアルバム『Witchcraft』をリリース。

シンフォニックブラックメタルの要素を大胆に取り入れた作風へとシフトしており、映画のサウンドトラックの如きオープニングの仰々しいオーケストラサウンドが飛び込んできた瞬間、好きな人であれば思わずニヤリとしてしまうことでしょう。

ブラックメタル流儀の寒々しいリフと邪悪すぎるボーカル、恐ろしいほどのブラストビートはそのままに、北欧神話のようなファンタジックなシンフォニーが炸裂するエピックなサウンドに昇天必至!

同年にエンペラーの傑作『Anthems To The Welkin At Dusk』がリリースされたことも踏まえて、90年代シンフォニックブラックメタルを語る上で必ずチェックすべきバンドであることは間違いありません。

LugburzSummoning

ブラックメタル界隈には2人だけのユニットであったりソロプロジェクトであったりするパターンは結構多く見受けられるのですが、こちらのサモニングはオーストリアはウィーンを拠点とする2人組によるバンドです。

1993年の結成時点では4人組だったそうなのですが、早い段階で現在の2人組編成となって2022年の現在までに8枚のアルバムをリリースしています。

それぞれがマルチインストゥルメンタリストである彼らの最大の特徴は、作品のテーマとして『指輪物語』を始めとするJ・R・R・トールキンさんの著作を主なテーマとしている点なのですね。

多くのシンフォニックブラックメタルバンドと同じように、活動初期はプリミティブなブラックメタルを鳴らしていたサモニングの本領が発揮されるのは、1995年のセカンドアルバム『Minas Morgul 』からです。

流麗なキーボードが先導する叙情的な旋律とゴシックな世界観を軸としたミディアムテンポのブラックメタルを提示しており、ブラックメタルの本場であるノルウェーではなくオーストリアという地で、このような音が1995年の時点で生まれていたことに驚かされますね。

次作『Dol Guldur』では楽曲のほとんどの歌詞を同郷のブラックメタルバンド、アビゴールのメンバーが担当するなど、既存のバンドスタイルに固執しない彼らだからこそ成し得たアトモスフィリックなブラックメタルサウンドは、ブラックメタルファンのみならずアンダーグラウンド音楽に興味のある方に多く聴かれてほしいと感じます。