すでに海外では大きなムーブメントとなっている音楽ジャンル、その名も「SYNTHWAVE」をご存じですか?
80年代のレトロなシンセサイザー・サウンドや映画にドラマといったカルチャー全般から影響を受け、アートワークも含めてノスタルジックかつレトロフューチャーな雰囲気の世界観を作り上げているジャンルなのですね。
宅録系のアーティストたちがネットを中心に発表していたという経緯があり、ローファイヒップホップ辺りと同じくネット発の音楽として世界的な注目を集めています。
そこで今回は、まだ日本ではあまり知られていない「シンセウェイヴ」の世界を彩る名曲を一挙ご紹介します!
夜のドライブのBGMとしても、ぜひお楽しみください。
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もくじ
- 【80年代ノスタルジー】SYNTHWAVEの世界とは~オススメの人気曲
- Running In The Night (feat. Ollie Wride)FM-84
- A Real HeroCollege & Electric Youth
- Neo Tokyo (Dance With The Dead Remix)Scandroid
- NightcallKavinsky
- 1982 Space ProgramWaveshaper
- BrokendateCom Truise
- Turbo KillerCarpenter Brut
- In The Face Of EvilMagic Sword
- Tech NoirGUNSHIP
- A Race Against TimePYLOT
- AndromedaDance with the Dead
- GloriaThe Midnight
- A.H.B.S U R V I V E
- I Am The ProgramMega Drive
- Exclusive CoupéMYRONE
- Crockett’s ThemeMichael Cassette
- NightdriveVHS Dreams
- Scarlet Speedster (feat. Rhea Raj)Wayfloe
- New TomorrowMiami Nights 1984
- Who You Run ToThe Bad Dreamers
【80年代ノスタルジー】SYNTHWAVEの世界とは~オススメの人気曲
Running In The Night (feat. Ollie Wride)FM-84

80年代と聞いてラジオから流れるミュージックを思い出す、という方は多いはず。
そんなノスタルジアを名前で体現してしまっているのがFM-84です。
サンフランシスコを拠点として活動を続けるFM-84ことCol Bennettさんは、シンセウェイヴの中でも質の高いサウンド・プロダクションとソングライティングから生み出される、多くの世代にアピールできるエモーショナルな楽曲が特徴的なアーティスト。
真夜中の高速をドライブしながら聴きたい楽曲が盛りだくさんの名盤、2016年にリリースされたフル・アルバム『Atlas』に収録されている『Running In The Night』を今回は紹介します。
イントロのいかにも80年代的な電子ドラムによるスネアの音と、どこか哀愁を帯びた淡いシンセの音色だけでもう気持ちは「BACK TO THE 80’S」。
ゲスト・ボーカルとして参加しているOllie Wrideさんによる艶やかでエモーショナルな歌声で紡がれるメロディの美しさは、当時大ヒットした楽曲なのではないかと錯覚してしまうほどに素晴らしい。
当時を懐かしむだけでなく、あくまで2010年代以降の音楽として鳴らされているのが良いですね。
余談ですが、こちらのMVを公開している「NewRetroWave」は、シンセウェイヴを掘り下げたい人であれば確実にチャンネル登録すべきです!
A Real HeroCollege & Electric Youth

『Nightcall』と並んで、シンセウェイヴの名曲を語る上で欠かせない重要な楽曲と言えましょう。
フレンチ・エレクトロ系アーティストのDavid Grellierさんによるシンセポップ~シンセウェイヴのプロジェクトCollegeと、カナダ出身のシンセポップ・デュオであるElectric Youthがコラボレーションして発表した『A Real Hero』は2010年にシングルとしてリリースされ、2011年に公開された映画『ドライヴ』に起用されたナンバーです。
ほんのり哀愁を帯びた切ないメロディを歌う女性ボーカルを軸として、80年代エレクトロポップ直系の揺らめくシンセと、スペーシーな音響を用いた幻想的な世界観を演出する音世界はノスタルジックかつドリーミーで聴きやすく、初めてこういった音楽を聴く方であっても抵抗なく楽しめるはず。
個人的には、2010年代以降のM83とかがお好きな方にもオススメ!
ちなみにタイトルにもなっている「真のヒーロー」については、偉大な功績を残して「ハドソン川の英雄」と呼ばれている空軍出身の民間航空機パイロット、チェズレイ・サレンバーガーさんをテーマとしているのだとか。
いわゆる「USエアウェイズ1549便不時着水事故」と呼ばれる航空事故について調べつつ、歌詞を読んでいただきたいですね。
Neo Tokyo (Dance With The Dead Remix)Scandroid

強烈なギターとシンセが大胆に絡み合うダンサンブルなイントロだけで、一気に持っていかれてしまう最高のキラーチューン!
Celldweller名義の活動でも知られている、マルチ・インストゥルメンタリストのKlaytonさんが2013年に新たにスタートさせたScandroidは、シンセウェイヴ界隈の中でも大きな注目を浴びている存在です。
80年代的要素をレトロなシンセ・サウンドを用いながらも現代的な形で表現している、という点では他のアーティストと同じではありますが、Scandroidについてはよりロック色が強いのが特徴的ですね。
そんなScandroidによる『Neo-Tokyo』は、2016年に発表されたセルフタイトルのデビュー作に収録された楽曲で、今回紹介しているのは翌年の2017年にリリースされたリミックス版です。
同じくシンセウェイヴの人気ユニットにしてロックやメタル色の強いDance with the Deadによるリミックスで、原曲以上にハードな仕上がりとなっております。
YouTube上で1,300万回以上も再生されていることからも、このリミックス版の突出した人気ぶりが理解できるはず。
サイバーパンク風のビジュアル・イメージもバッチリですし、やはりAKIRAからインスパイアされているのかな……と個人的には予想しています。
NightcallKavinsky

「SYNTHWAVE」という音楽ジャンルに興味を持たれた方であれば、まずは聴くべき王道にしてクラシックと言っても過言ではないナンバー!
2011年に公開され、ニコラス・ウィンディング・レフン監督の知名度を世界的なものとした名作映画『ドライヴ』に起用されたこちらの『Nightcall』は、フランス出身のプロデューサー兼DJであるKavinskyさんが2010年に発表した楽曲です。
ややシリアスなイントロから、ヴォコーダーを使ったボーカルが雰囲気を盛り上げつつ、サビの女性ボーカルによる切ないメロディがどこか郷愁を誘う、シンプルながらも洗練されたトラックが独自の音世界を作り上げる見事なナンバーですね。
あのダフト・パンクの片割れであったギ=マニュエル・ド・オメン=クリストさんが共同プロデュースを務め、ミックスには同じくフランス出身の著名なエレクトロニック系ミュージシャンのセバスチャンさんが参加、ということでフレンチ・エレクトロ業界の名手たちの仕事ぶりにも注目です。
また、映画『ドライヴ』自体がシンセウェイヴ系のアーティストたちの楽曲を多くサウンドトラックに使用しているという事実も見逃せません。
楽曲を気に入った方は、確実にサントラもチェックしましょう!
1982 Space ProgramWaveshaper

シンセウェイヴというジャンルは、アーティストやユニット名、楽曲のタイトルの時点で80年代愛をさらけ出しているパターンが多いように感じますが、ここで取り上げている『1982 Space Program』はまさに直球といった雰囲気ですね。
WaveshaperはTom Anderssonさんというスウェーデンの電子音楽家によるアーティスト名義で、80年代カルチャーはもちろんクラフトワークやダフト・パンク、ジャン・ミッシェル・ジャールさんといった偉大な電子音楽家から影響を受けているのだそう。
シンセウェイヴ界における神様の1人、ジョン・カーペンター監督が自らナレーションを務めたシンセウェイヴのドキュメンタリー映画『The Rise of the Synths』にも出演していますね。
そんなWaveshaperによる『1982 Space Program』は2015年に発表された楽曲で、同年リリースのアルバム『Exploration 84』にも収録されています。
王道のシンセウェイヴといった趣で、レトロなシンセ・サウンドはビジュアル・イメージも相まってどこかスペーシーな空気感を持ち合わせ、ダンス・ミュージック的でもあり映画のスコアのようでもある、といった質感が印象的ですね。
BrokendateCom Truise

トム・クルーズさんの名前をもじったステージネームに何とも言えない脱力感を覚えますが、徹底的にシンセ・サウンドにこだわった音作りでエレクトロニック・ミュージック界隈で注目を集めているのがアメリカ出身のCom Truiseさんです。
ダフト・パンクが手掛けたサウンドトラック『Tron: Legacy』のリミックス盤『Tron: Legacy Reconfigured』に参加しており、そこで名前を知ったという方もいらっしゃるのでは?
2011年にリリースしたフル・アルバム『Galactic Melt』は、80年代的でノスタルジックなシンセ・サウンドを軸としながらも、エレクトロニカやシンセ・ファンクなどさまざまなジャンルを内包し、自由奔放に飛び交う電子音楽がレトロで楽しい逸品。
「Boads Of Canadaが80年代にタイムスリップしたような」などと形容されている、という時点で普通じゃないですよね。
本稿で紹介している楽曲『Brokendate』は、そんな個性的なアルバム収録曲の中でもひときわノスタルジー度が高めで、アナログ・シンセサイザーを使った遊び心を感じる電子音の中に潜む切ないメロディが印象的な人気曲です。